[Edit]

「遅ればせながら…」

バレンタインDAYに向けて
娘とケーキを焼いていたら、ふと降りてきた。
なぜ、このようなものが? ~(・・?))

(6/17修正)










「遅ればせながら…」




「敦賀様には、ご機嫌麗しく、本日はお日柄もよく…」

「うん?いいから、座って?」

無駄にキラキラした笑顔を向けられて、蒼白の顔をして佇む少女。

無理もない…。その怒りの波動は俺も感じていて、尋常ではない雰囲気を醸し出している。
そして、それを覆い隠すべく(隠せてないけど)キラキラした笑顔を振りまいているのは、俺が担当する抱かれたい男No.1の美麗な男。

ここは、都内にある某テレビ局の一室。
彼の背後には、どうやって運ぼうか?と毎年頭を抱える、日本全国からの“愛の形”…。
事務所に戻れば、さらに大量の“愛の形”を溢れるほど受け取る筈のこの男だが、

数日前から担当俳優は、至極、機嫌が悪かった。

何故か?

実は、話は4日前に遡る…。

  *

  *

  *


「蓮、今日はすまん。都合を合わせることが出来なくて。」

「いえ、仕方の無い事です。社さんのせいじゃありませんから。」

「本当にすまん!」

「気にしないでください。さあ、行きましょうか?」


その日はLMEの看板俳優、敦賀蓮の誕生日だった。


それは勿論、蓮を愛する者達にとっては、なくてはならない日。
行く先々で祝いの言葉をかけてもらい、ドラマの撮影隊はケーキを準備し、祝うのを楽しみにしている。
そして、次々と楽屋に押し寄せる女性たち。

内心、今日のこの日に会いたいのは、だだ一人に違いないだろうが、そんなことはおくびにも出さず、笑顔で対応して、本当に蓮は偉いなと思う。
このような行事は、勿論例年通り。
だが、今年の俺には使命があった。

恋する男、敦賀蓮を
最上キョーコに逢わせてやる!という使命が。

特に今年は、誕生日なのに、午後の便で北海道に移動しなければならないような撮影日程となり、スケジュールを空けてやる事が出来なかった。
だから、昼の一時間だけ確保したんだ。せめて、お昼が一緒に食べられる様に。
キョーコちゃんが午前中オフなのをいい事に、お弁当を頼んで!

なのに…よりによってキョーコちゃんが、椹主任から直接、仕事を依頼されて、昨日、突然、沖縄に飛び発った。

なんてこった!

これではどう頑張ったって、弁当は無理。
おまけに、精一杯頑張っても、彼女が東京に帰るのは、昼過ぎだという…。
絶望的…。

案の定、昼には間に合うはずもなく、蓮の出発時間ぎりぎりまで待ったけれど…。
その日は二人を合わせることが出来なかった。

「社さん、あからさまにお客様の顔を見てがっかりするの、やめてもらえませんか?」

「だってさ~、お前の落胆を思うと、俺ががっかりするしかないだろう?」

「いえ、でも、皆さんに失礼ですし。」

「また、お前はそんな優等生発言を…。もうそろそろ、ワガママ言っていいのに…。」

「困りましたね…。」

空港に向かう道すがら、そんな会話をした。今思えば、その時点で既にギリギリの精神状態だったのだろう。
半ば作り笑いともいえる薄ら寒い表情は紛れもなく予兆だったに違いないが、俺は無理をしているだけだと思っていたのだ。

羽田のターミナル前を通過した時、眼の端に映ったのは、リムジンバスに乗り込もうとする茶髪の頭と、近くでもめる、嫌~な後ろ姿。

“やばい!何でここに!??”

と思った時既に遅し、闇の国のお人が降臨された。

飛行機の中は私語厳禁。
脂汗をかき、痛む胃を押さえながら、ロケを終え、金曜日に東京に戻った。

戻ったら戻ったで、土曜には『最上キョーコの最強レシピ』なる企画コーナーで、簡単チョコレートレシピを紹介するだけでなく、周囲の馬の骨予備軍に配って回るなど、爆弾を投下する。

とんでもない精神的砲撃を一気に浴び、そして、今日に至る…。



キリキリと痛む胃を押さえ、次々に押し寄せるお客様をお迎えし、敦賀蓮宛に持参された甘い匂いの“愛の証”を、代理で受け取らざるを得ないマネージャーとしての……俺。
どんどん状況が悪化する中、俺の胃袋がそろそろ悲鳴を挙げ始めた頃

ようやく姿を現した救世主…。いや、女神!



「敦賀様には、ご機嫌麗しく、本日はお日柄もよく…」

「うん?いいから、座って?」


無駄にキラキラした笑顔を向けられて、蒼白の顔をして佇む少女。
その少女が何か言いたげに口を開く。


「…た…。」


キョーコちゃんが蒼白な顔をして俯く。


「た…?」


「大変申し訳ございませんでしたぁぁぁぁ~~~!!!」


キョーコちゃんはへしゃげる様に、泣いて地面にひれ伏して、蓮と俺をぎょっとさせた。

「敦賀様への贈り物を、またしても当日お渡しする事が叶わず、2年連続でこの日にお贈りするなどという、大失態を犯してしまいました~~!!!」

慌てて、地面に這い蹲るその身体を起こすように近寄る蓮。

その慌てようから、やっとこさ闇の国のお人がなりを潜めたようだ。

床に打ち付けた赤いおでこをさすりながら、涙目で蓮を見上げるキョーコちゃん。
きっと、今日は誕生日プレゼントと、バレンタインのWプレゼントを用意してくれているのだろう。
小さな紙袋と保冷バッグがそれを物語る。

去年と微妙に同じだが、“今日、君に逢えたことが、俺にとっての幸せだよ”
なんてアレな台詞が蓮の頭によぎっただろうと思いつつ、
若干(?)甘いにおいに辟易としながら
俺は控え室を後にする。


遅ればせながら、蓮に届けられたプレゼント。

きっと来年、再来年とパワーアップしていくに違いない。
いや、そうでなくては困る。

そのときには、出来る限りの協力をしよう。
それが俺の使命である。




(END)



社さん視点の成立前妄想…。
がっかりでイライラの蓮さんにしてみたかったけど、本当になぜこれが降りてきたのかしら?不明です。
関連記事
スポンサーサイト

Pagetop

Trackback

Comment

ガッカリしまくりな上に、ヤキモチでイライラな蓮さんも、キョコさんに泣きながら当日渡せなかったと謝られたらもう怒ってられないですね。

特別なお祝いをしてもらった後には、嬉しくて顔がゆるみまくることでしょう。Ψ( ̄∇ ̄)Ψ

それにしてもヤッシーは大変ですね。(笑)

バレンタインも素敵なお話での参加をありがとうございました!
  • 2016-02-15│23:32 |
  • まじーん URL│
  • [edit]
Re: タイトルなし
>魔人様

また、引き受けて下さって、ありがとうございます。

> それにしてもヤッシーは大変ですね。(笑)

そうなんです!
うちの一番の働き者は、ヤッシーなので。σ(^_^;)

本当に、なぜ、上手くいかなかったバージョンなんて降りてきたのかしら?

まあ、基本的にヘタ蓮が好きだからかなぁ?
  • 2016-02-16│07:42 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]

Post a comment

Secret

Pagetop


プロフィール

かばぷー

Author:かばぷー
ス/☆ビ大好き!
脳内妄想☆大暴走中
思いついた言葉を書き連ね
作品置き場にしています。

☆当サイトはリンクフリーではありません☆
ルールを守っておられる「ス/☆ビ」二/次サイト様、お付き合いあるマスター様と相互リンクさせていただいています。お手数ですがリンクを貼られる前に必ずご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト様からのリンク、多くのサイトを無断で紹介されているサイトは固くお断りさせていただきます。
(リンクはトップページにお願いいたします)

ようこそ

最新記事

リンクご案内

ちょび様
陽のうらうらと
ピコ様
sei様 風月様
popipi様
ちなぞ様 ぞうはな様