疑問符の行方 1

こんばんは〜
かばぷーでございます。

この春は忙しいのは分かっていたので、しばらくは予約投稿していましたが、あっと言う間に時間が空いてしまいました。

これからは、このようなペースになりますが、どうぞお付き合い下さい。








疑問符の行方 1





ーーートントントントンーーー


ようやく浮上し始めた意識の隅
何処か遠くでその軽やかな音を感じていた


(…いい匂いがする)

今日は朝から、なんと幸福な夢だと思った。

(いつかはこんなふうに最上さんの気配を感じて目覚めたいなんて、都合のいい事を考えていたら…都合のいい夢を見るものなんだな…)


ーーートントントントン…


(ああ…包丁の音がする。)


ーーーカチャ …カシャン。


(匂いといい、今日はやけにリアルに……って、ええ!?)


蓮は一気に意識を浮上させ、慌ててその身を起こした。
咄嗟に周囲を確認する。
確かに一人で眠ったはずだ。
…なのに、何故かシーツの上には誰かが眠った名残りがある。

(な…どういうことだ?)

蓮は必死に自分の記憶を手繰り寄せた。

昨日はロケが長引き、てっぺん越えて帰宅した。

『明日はキョーコちゃんにお弁当を頼んでおくからな~』

なんて、ニヤニヤしながら自分を揶揄う社を途中で降ろし、急いで帰宅したはずだ。
モーレツな睡魔が襲う中、おざなりにシャワーを浴びて、ふらふらになりながらもベッドに潜り込み、確かに最上さんの食事が食べたいなんて思いながら眠りについたけれど…

(なんで…、誰がいるんだ?まさか、最上さん?)

どう思い出そうとしても、さっぱり記憶がない。

(まさか、彼女以外の誰かがこの部屋に入るなんてありえないし、そうかといって、最上さんがここにいるなんてありえない…。まさかとは思うが、記憶のない状態で誰かと一緒に眠るなんて…)

蓮は恐るおそるブランケットを上げて中を覗き込み、下半身を確認する…。

(…だよね。ふつうだね。)

ちゃんとアンダーを履いて、反応もいつもと同じ。
内心、最近のストイックな生活がたたり過ぎて何か粗相をやらかしてしまったのではないかと不安になるがその心配はなさそうだ。

(…だとしたら、誰だ?)

キョーコであって欲しいと切に願いながら、
呼吸を整えて、リビングに向かおうとしたそのときだった。

“コンコン…カチャ”

「あ…、おはようございます。敦賀さん。今起こそうと思っていたんです。」

突然開いた扉から笑顔を覗かせたのは、可愛く愛しい思い人
蓮はキッチンの音の主がキョーコでよかったと心から安堵しつつも、驚きが隠せなかった。

「…敦賀さん?」
「あ…おはよう、最上さん。あの…」
「朝ごはんできていますよ。どうぞ。」
「ああ、うん。」

キョーコに言われるがままに、テーブルにつく。
テーブルには和食の朝ごはんが少しずつ並び、朝は簡単に済ませたい蓮でも食欲をそそる。

「昨夜食べずに寝ちゃったでしょう?しっかり食べて欲しかったので、今日は和食です。」

「-----え!?」

「え?って、何かおかしい事言いました?」
「いや、だって…最上さん、いつ来たの?」
「いつって、ずっと居ましたけど?」
「いや…、それは…」

(どういうことだ?なんだ?ドッキリか?)

まさかと思って部屋を見渡すが、カメラが仕掛けられた気配はない。
仮にも毎日住んでいる部屋だ。おかしいところがあれば気付くはずだと蓮は焦る。

(ちょっと待て、昨日は俺、一人だったよね)

困ったように眉根を寄せて天井を見上げて考えるけれど、どう考えても昨日のスケジュールはさっき反芻したとおりだ。

「さっさとご飯食べちゃってください。」
「~~~~。最上さん、今日…何日?」
「え?4月15日、金曜日ですけど?」
「…うん…、そうだよね。」

(…やっぱりあってる。寝過ごしたということはない。寝過ごしたら、社さんがいくらなんでも起こしに来るし、いくら疲れているからって、寝過ごすなんてありえない。)

「敦賀さん、冷めちゃいますよ?」
「ああ、うん。」
「さっきからそればっかり。」
「…はい、…そうだね、いただきます。」

動きの止まった蓮を心配するように、問うキョーコ。
そんな心配は無用だと示すように、一口含んだ味噌汁はやっぱり美味しくて、小鉢に少しずつ盛られたひじきや豆腐も美味しくて仕方ない。
けれど、朝からキョーコの美味しいご飯を食べることが出来るどころか、キョーコの顔を見るだけでも嬉しいのに…、嬉しいはずなのに喜べない。
複雑な面持ちでご飯を食べる蓮を怪訝に思ったのか、キョーコが声をかけた。

「敦賀さん、もしかしてお口に合いませんか?」
「あ!いや、そんなことないよ。凄く美味しい。」
「そうですか。でしたら良いんですけど。難しいお顔をされているので、もしかしたらと思いまして。」
「いや、美味しいから大丈夫。」

キョーコに困った顔をさせたいわけではないのだ。
蓮は慌てて、箸を進める。

(あぶない、あぶない。せっかく最上さんが作ってくれたのに、考え事しちゃだめだ。)

やっぱり美味しいキョーコのご飯を残さずに頂いて、キョーコが片づけをはじめたのを見計らって、蓮は洗面台に向かった。そしてまた、ある一つの物体に驚く。

そこに見えたのは、自分のものの隣に並んだもう一つの歯ブラシ…
おそらくキョーコのものだろう。
それは今まで出していた来客用ではなく、明らかにキョーコの私物と思われるもの。

(---え?歯ブラシが…ある??)

蓮はしばしその歯ブラシの存在を見つめ、喜びとも驚きとも言える複雑な気持ちに翻弄されていた。




(続く)

はじめは少し短めでごめんなさい。
タイトルの通り、疑問符だらけの敦賀さんの始まり始まり~~。
なんでこんなの思いついちゃったんだか?

のんびり更新します。

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