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疑問符の行方 3

疑問符の行方  →  に続くお話。
行き当たりばったり出始めてしまったので、ゆっくり更新ゆっくり混乱、どこで終わるんでしょう?
多分10話以内には収まります。(文才がないので、長い話は難しいの…(;д;))

週1更新な上にまだるっこしい展開です。どうぞ懲りずにお付き合い下さい。





疑問符の行方 3




「おはようございます、社さん。何か俺に言うことがありませんか?」

真面目な顔で蓮は社に問いかけた。

キョーコに言われるがままに、制服姿のキョーコを最寄り駅まで送り、振り返ってお辞儀をするキョーコに名残惜しい感じもしながら見送ったその足で、社のマンションに向かった。
社の顔を見て、至極真面目な顔で問いかけたその瞬間、鳩が豆鉄砲を食らったように、社は目を見開いた。

「何だ?やぶからぼうに、朝からスケジュールの再確認でもして欲しいのか?」

(あれ?こんな反応…?)

社の淡々とした反応が返ってきて、やや吃驚する。

「それとも何か?朝からのろけ話でも聞いて、からかって欲しいのか?」

一瞬にして社の眼差しが、青色をした大きなネコ型ロボットの“(生)暖かい微笑み”に置き換わる。

「・・・」
「何だよ?そっちから振っといて、だんまりか?」
「…いえ、社さん…実はうちに最上さんが来ていて、さっき駅まで送ったところです。」
「うん、それで?」
「あの…、それで…って…」
「うん?だから、それで?」
「いえ、その…驚かないんですか?」
「なんで?」
「いや、何でって…」
「どうして今更、お前がキョーコちゃんを送ることに、俺がびっくりするのかな?」
「いえ…、びっくりしないんだ…。」
「しないね。それとも何か?喧嘩したとか、そんなことじゃないだろうな。」
「してませんよ。何故、喧嘩なんかするんです?」
「そりゃ、アレだ。お前が(ごにょごにょ)に夢中になりすぎたとか、軽蔑されるような事をしたとか?」
「(!)してませんよ!そんなこと!」
「ほ~んとかな~?まあ、確かに純情乙女にあれやこれやの手練手管を見せ付けた日には、瞬殺されそうだよな~」
「なんですかその手練手管って、まるで人をどこかの女タラシみたいに…失礼な。」
「んふふ~。まあ、そういうことにしといてやる。」
「酷いですね。ですが…その、本当に何も隠し事していませんよね?」
「だから、何をだよ?」

(本当に何なんだ?)

きっと社なら、自分が混乱している姿をチラッと出も見せたら、芝居とか出来そうにないと思っていたのだが、どうも一筋縄では行かないらしい。

今の話の流れでいくと、自分がキョーコを学校まで(正確には最寄り駅だが)送って行くのは日常あることらしく、気にも留めていない設定という事だ。そして、朝から一緒にいたということにも過度に反応しない。社がグルになっていたのなら、それもありかもしれないが、反応を見て面白がるだけなら、“ぐふふふふふ~”と昨日のキョーコちゃんのご褒美はどうだった?なんて聞いてくるはずだと思う。
おまけに、自覚はないにせよ、どうも今回の社さんの設定の中では、キョーコと自分は既に成立しているかのごとき発言…。

「あの、社さん…昨日、俺たちはてっぺん越えましたよね?」
「超えたよ?」
「俺、一人で家に帰りましたよね?」
「そうなんじゃない?」
「最上さんと会う約束…、社さんがしてくれたんじゃ…」
「してないよ?お弁当作ってもらおうねって言った気がするけど。」
「…で、最上さんがうちにいるんです。」
「うん、それがどうしたの?」
「あの…、最上さんがうちにいるんですよ?」
「何?やっぱりのろけたいの?も~蓮君、朝からお兄ちゃん困っちゃうな。」
「イヤ、そこは『まさかお前、何もしてないだろうな?』なんて釘を刺されるんじゃないかと…」
「…何?今更言う?」
「今更って…」
「だから、今更。」
「・・・・・・・・・・」

(やっぱりおかしい…)

「蓮、お前どうしちゃったの?朝からホントにおかしいよ?」

本当に自分がおかしくなってしまったのだろうか?
最上さんが家にいるのは『当たり前』で、何かしらしているかもしれないのは『今更』な事らしく、社さんにそれを咎める気配はなく、寧ろ好意的な状況…
ついこの間まで、ヘタレな自分をからかって遊んでいませんでしたか?と言いたくなる。

(どうしよう、俺だけが混乱しているのか?ありえない異次元パターンが、存在するのか?)

キョーコのみならず、社にまで煙に巻かれてしまった。
クツクツとハンドルの上に置いた手の甲におでこをぶつけてみる。

「蓮、何してるんだ?そろそろ出ないと遅れるぞ。」
「あ…はい。すみません。」

狐につままれたという言葉を反芻しつつ、納得できない思いを抱えたまま、蓮は車を走らせた。



*   *   *


ドラマの撮影と雑誌のインタビュー、CM撮りを終え、久々に蓮の仕事は早く終わった。
8時に帰宅できるなんて、最近ではありえない時間帯だ。
仕事の合間に何故キョーコが自分の家にいて、何故全く記憶が残っていないのかという事を考えなかったわけではないが、それ以上に早く終わらせる事に専念しすぎていた。

なぜなら、蓮の脳裏には、(早く終わったら最上さんとゆっくり過ごせるかも…)なんていうお花畑な願望が渦巻いていて、いそいそと帰り支度を急いだのだった。

「蓮、お疲れ。」
「お疲れ様です。」
「あのさ、今日ちょっと一つ打ち合わせをしてから帰るから、お前は直接帰ってくれないか。」
「打ち合わせはどこですか?送って行きましょうか?」
「いや、いいよ。それより早く帰って休め。随分と疲れが溜まってるんだろう?」
「大丈夫です。」
「強がらなくて良いよ。実際ここの所、休ませてやってないから、すまん。」
「いえ…ではお言葉に甘えて帰ります。」
「ああ、そうしてくれ。じゃ。」

特に朝の話題に触れるでもなく、現場をあとにした社を見送り、蓮は車に乗り込む。

社の予告どおり、今日の昼はキョーコの作ってくれたお弁当を食べ、ひとしきり幸福を味わった。

そして、家に帰った“その時”を想像する。
夢であったなら覚めるだろうし、現実ならばまだ家にいるはず。

内心、夢であっても覚めないで欲しいなんて、またまた都合のいい想像を膨らませ、期待している自分が愚か過ぎて笑える。

(相当重症だな…ドキドキする。)

実のところ、朝から時間が経つにつれ、キョーコがどんな理由であれ自分の近くにいる事を嬉しく思い始めていた。
勿論、蓮にとっての“いいこと”の記憶はないにせよ、間近にキョーコがいる事には変わりない。
しばらくカインとセツで一緒にいた時間が余りに満たされていたから、撮影も終わり、最近一緒にいられなくなった事で、キョーコ欠乏症になっていた感は否めない。そんな折に降って湧いたようなキョーコとの時間。

それは心が待ち望んでいた時間であった事を、まじまじと実感させられる。
セツカが待つ控え室にそそくさと引き上げたカイン・ヒールのように、蓮は自宅マンションへとハンドルを切った。



(続きます)


やっしーターンも修了。
さて、そろそろ何故こんな状況に陥ったか、皆さんは妄想していらっしゃいましたかね?
あ、別にそんな小難しいお話ではございませんのよ?
私の妄想の範囲内ですから~。(うふん)
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Comment

ありがとうございます。
今日は。
連休の中更新公開ありがとうございます。
田舎と予定のない自分には寂しい連休なので
素敵な作品を拝見して癒しを求めてしまいます
ので作品を拝見出来る喜びに悶えております。
始まりから面白い内容ですが悩みすぎる蓮さんが
禿げない様に気をつけてあげてくださいませ。
それではまた続きを楽しみにさせていただき
いただきます。ありがとうございました。
  • 2016-04-30│12:54 |
  • みえぶた URL│
  • [edit]
Re: ありがとうございます。
みえぶた様

悩みすぎて禿げる蓮さんも良いかも…と思ってしまった私って、何なんでしょう?
大丈夫!なんだかんだいって、順応性高い蓮さんですから!
この状況を喜ばないはずが、あ~りません!

私も連休の予定はゴザイマセンのよ?
子供の部活の送り迎えに忙しく、待ち時間の間に仕事して…まあ、なんて不毛な連休でしょう?
高校生って活動範囲が広いくせに自分で活動場所まで行けないって不便なの。
(うちが山奥過ぎてバスがないのが原因なのだけど)
だから、ちょっと妄想を書き溜めています。
連休中に何作かアップしたいですね。

また来てくださいね~~i-239
  • 2016-04-30│22:16 |
  • かばぷー URL│
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