幸せ10個分

GW小さなネタを思いついてしまいましたので、早速UPします。

どこの観光地なのかは秘密…ってことで。(←妄想世界!)
短いのですが、どうぞお楽しみ下さい。





幸せ10個分



ゴールデン・ウィーク…略してGW
それは、世間一般で言うならば、黄金週間。もとい、巨大連休。

それは、勿論世間一般のことであって、芸能人には休みがない!!…かと思いきや、意外と休みが取れてしまうのである。

この連休は撮影所で撮れるものは良いが、ロケは勿論難しい。
そして、最近はTVクルーや撮影隊もきちんと家族サービスにいそしむ人間が増え、結果、海外に脱出する芸能人のみならず、家庭でごろごろと暇をもてあます芸能人がいるのも事実である。

―――で、ここには超が付くほど忙しいはずの敦賀蓮がいて、そこそこ忙しいはずの最上キョーコとの約束のため、都内某所にいた。


* * *

「見つけた。最上さん。」

「はわっ!敦賀さん!おはようございます。」

「しーっ、名前は言わない。」

「はっ、はい!」

ご丁寧に街中で腰を折って挨拶するのは、いつもどおりだが、いつもとは違うキョーコのいでたち。
2割り増し美人なメイクにロングのウィッグ、コケティッシュに帽子をかぶれば、今売り出し中の新人タレント、京子だと気付くものなど、誰もいやしない。

そして驚くべきは、蓮の出で立ち。
流石は今をときめく演技派俳優…。

柄物のTシャツにパーカーを羽織り、ウィッグと思われるつんつんのショートヘア。白いパンツの裾から伸びる長~い素足がまぶしくて、確実にいまどきの大学生に見える。太い黒縁の眼鏡が知的な印象を醸し出していて、普段の色気など微塵も感じさせないその姿は、なんとも真面目な好青年…。

「す…すみません、私の我儘に付き合っていただいて。」
「ん?大丈夫、誘ったのは俺だよ?じゃ、行こうか。こっち。」

何の躊躇いもなく、いとも簡単にキョーコの手を取り、人ごみを歩き出す。
あまりの蓮の突然の行動に「きゃっ」と小さな声を上げるものの、蓮はその声が聞こえなかったように、渋谷の雑踏を進んでいく。

「ごめん、駐車場が駅から遠くなっちゃって。だるまやに迎えに行けばよかった。」
「そんな、MHKのお仕事の後なんですから!大変なの分かってますから大丈夫です。でも、すごい人ですねえ。いつも以上の、渋谷の人の多さにびっくりします!流石ゴールデン・ウィーク!」
「何、変なところに感心してるの?これから行く所も人は多いと思うから、覚悟しなくちゃ。」

そう、これから彼らが向かう先は、某県、某観光地…。

連休前に、たまたまバラエティーで貰った“ご当地ソフトクリーム&ジェラート食べ歩きパスポート”。
それを持って、たまたま(?)訪れたラブミー部室でキョーコが食いついた。

ゴールデンウィーク中に、ひんやりスイーツ10個制覇で、お姫様気分が味わえる“バラ風呂つき・ペア温泉入浴券”を抽選でプレゼントという企画。
パスポートに描かれたバラの花がたくさん浮かんだ温泉もさることながら、その涎が垂れそうなひんやりスイーツの誘惑に負けて、「行かない?」という蓮の誘いに「行きます!」と元気良く応えてしまったキョーコだった。

元気良く応えてしまったものの、心配事は“敦賀蓮”がスイーツの食べ歩きなどしてもいいものか?ということ。
連休中の混雑間違いない場所に敦賀蓮がいるとしたら…?考えるだけでも恐ろしい…。
だが、そんなキョーコの心配をよそに、「変装しておいで?」とさらりと言ってのけた蓮。
…まあ、今日のようにあまりに自然に街中に溶け込む蓮の姿を見ると杞憂に終わったわけだ。

「さあ!10個制覇を目指そうか!」
「はい!よろしくお願いします!」

そう言って蓮は地味なレンタカーを走らせた。



* * *



「おいひ~~い!」
「うん、これは甘さ控えめだね。」
「敦賀さん、始めから二人が一緒の物だと、お腹いっぱいになりませんか?」
「ああ、なると思うけど、心配しないで。次からセーブするから。ヨーグルトアイスって、本当にさっぱりしてるから、大丈夫。」
「敦賀さんは普通バージョンですよね。私のイチゴ味のヨーグルトアイスは、フレッシュイチゴのピューレが乗ってて、酸味と甘みが絶妙です!」
「どれ…?」 

キョーコの持つアイスにその顔を近づけて、ぺろりとなめる蓮。

「うん、美味しいね。」

見上げる瞳にキョーコは一瞬“ひゅっ”と息を呑んだ。…が、蓮はそんな様子を気にするでもなく、楽しそうに微笑む。

「ん?最上さんも味見する?」

なんてのんきに差し出すから、キョーコはたまったもんじゃない。

(全くもう、無自覚天然タラシ!)

心の奥底で呟きながらも、キョーコの天然振りにも拍車がかかる。

「敦賀さん、食べたいときにはちゃんと言ってくださいね。いつでも味見はOKですから!」

(全くもう、無自覚にどれだけ煽ってくれるんだ?)

“君のその唇が食べたいよ”なんて、無表情のうちに恐ろしい妄想を抱えていることなど露知らず、そのうち、「はい、あーん。」なんてやりだす始末。

こうやって二人は各地を転々と回り、胡麻アイス・抹茶アイス・塩アイスなどの和風アイスにとどまらず、ピーナッツ味、しょうゆ味、唐辛子味などの一風変わったアイスたちを堪能し、見事に10個目のスタンプを押し終えた。

「うう…、流石に10個目は、ちょっと胸焼けがします。」
「無理するからだよ。次に来たときにすれば良いのに…。」
「でも、今日しか空いてないじゃないですか。後半は敦賀さんも手伝ってくださったので、何とかいけましたが、敦賀さんもしんどくないですか?」
「や、まあ大丈夫だよ?ほとんど最上さんが食べたじゃない。あ、ちょっと待って…」

蓮はキョーコの口元についているクリームを指先で拭うと、間髪いれず指先をペロリ…と舐めた。

「ひゃわっ!」
「あ…ごめん。つい。」

慌てるキョーコに動じることもなく、事も無げに告げる。

「ごめん、つい…。今日はいっぱいスプーン共用しちゃったから…。」
「スプーン…。」
「そう、スプーン。」
「そッ…それは、か・かかか・間接キッ…」
「間接キス?そうなるね。」
「そそそそそ・・それは!」
「大丈夫。俺は嬉しいから。」

なんてことをさらりと言う。
真っ赤になったキョーコはふるふると震えだす。

蓮はすっとキョーコの頭に手を伸ばし、ゆっくりと撫でなでしていく。

「うん、ちょっと意識してくれると良いな。」
「~~~~!(なんでそんな誤解するようなこと!)」

眼鏡越しに感じる視線は、いつもの帝王がお出ましになったご様子で、キョーコは真っ赤になって俯いた。

「最上さん、今日はありがとう。とても…とても楽しい時間だった。」
「はわ!いえ、こちらこそ運転などもしていただきまして、誠に有難うございました!」
「また…、次も行こうね?」

微笑む蓮に見とれて、うっかり答えてしまう。

「…は…い。また。」

そう答えたキョーコに、敦賀蓮は神々しい微笑を湛える。

「うん、また。」

10個の甘い幸せを堪能した二人は、また次なる10個の幸せに思いをはせるのであった。




(終わり)




はーい。
糖分補給完了。
 
お粗末さまでした。



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