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爪痕(前編)

アナウンサーシリーズ
「ハレの特異日」の番外編的なもの。

なんだかもう、子供の日だというのに脳内桃畑が展開されておりまして…(お恥ずかしい)、アナウンサーの二人に収穫作業に突っ走ってもらうことにしました。
前・後編で、後編は限定行きとなっております。






爪痕(前編)
 ~ハレの特異日 番外編3~



“こんにちは。皆さんのゴールデンウィークはいかがお過ごしだったでしょうか?高速道路では、今日から帰省ラッシュが始まっています。既に高速道路は込み始めていますので、道路交通情報なども参考になさってください。また、今日は高気圧に覆われて全国的に晴れ、気温がぐんぐんと上昇します。急な暑さに身体が慣れず、熱中症が心配です。お出かけの際には水分補給と紫外線対策もどうぞお忘れなく。では、各地のお天気です。”


LMEテレビ局のモニターに映るのは、結婚して1年になる彼の妻、キョーコ。
今日の蓮は政治・経済討論番組のキャスターとしてLMEの番組に出演し、さっき生放送が終わったばかりだ。
憂いのある表情でモニターを見つめるなんて、付き合い始めのカップルみたいだと思いながら、貴島は蓮に声をかけた。

「あれ~?敦賀君じゃないの!久しぶり!」
「貴島さん、ご無沙汰しています。お元気そうで何よりです。」
「元気、元気~。相変わらずのいい男っぷりだけど…、何?画面の奥さんに見とれてんの?」
「ああ、いえ、そういうわけでは…。」
「何、何?最近キョーコちゃん、女っぷりが上がっちゃって、大変だよね?彼女が結婚してるのを知らない芸能人もいて、ついこの間も誘われてたよ?心配じゃない?」
「そうですね。」
「そうですね…って、心配してないの?流石、敦賀君だね。」
「心配とかそういうのではなくて、何だろう…ちょっと難しいですね。」

貴島のからかいを気にしながらも、画面に映るキョーコが、最近さらに綺麗になったと評判なのを蓮は知っていた。

貴島とは例の番組以来、たまたま通っているトレーニング・ジムが一緒だったこともあり、一緒に飲みに行くなど、実は懇意にしている。
プレイボーイな貴島だったが、意外と貞操観念は強いらしく、キョーコが蓮と付き合っていることを知ってからは、一切ちょっかいをかけて来ない。

「ねえ、敦賀君、これから俺、ジムに行くんだけど、もしよかったらその後で一緒に飲みに行かない?」
「連休ですよ?貴島さんなら、女性と一緒かと思ってました。」
「そんなことないよ!昨日まではちゃんと遊んだから大丈夫。明日仕事の女子もいるから、仕事前は休ませてあげないとね?で、どう?」

ちょっとしたフェミニスト振りが貴島らしくて、可笑しい。

「ええ、いいですよ?」
「じゃ、決まり!」
「今日は俺も上がりなので、ジムにもご一緒します。」
「そうなんだ!こういうときにフリーっていいよなあ。」
「そうみたいです。」

二人は意気投合して、トレーニングジムに足を向けた。


* * *


「はっ、はっ、はっ…、ふぅ…ちょっと休憩…。」

貴島は水分を補給しながら、蓮のトレーニングの様子を見ていた。

(大体、アナウンサーが体力勝負ったって、あの身体はずるいよなあ…、男の俺が見惚れるほどいい筋肉してる…。)

蓮の甘いマスクと、すらっとした体躯からは全く想像できないが、ジャケットを一枚脱ぐと、シャツの上からでもはっきりと確認できる盛り上がる胸筋。
今は汗で張り付いたTシャツが、彼の上半身にある、あらゆる筋肉の存在を主張する。
以前シャワールームでも一緒になったが、見事に腹筋が割れて、不覚にも見とれてしまった。
自分も“魅せる”“撮らせる”仕事だから立場上鍛えてはいるが、あそこまで立派な身体はなかなかお目にかかれない。

(アレでキョーコちゃんを抱くんだろ?かわいそ…いや、羨ましいねぇ?)

キョーコと付き合う以前の敦賀アナウンサーのモテ振りは貴島の知るところで、イケメンアナウンサーといえど、どうしてそこまでもてるのか不思議に思ったことがあった。だが、あのボディーなら納得できる。女の子は目聡いのだ。声と顔だけじゃなく、身体も極上…と来たら、肉食女子が放って置くはずがない。

(そりゃ、女の子はメロメロになっちゃうよな…)

だが、浮いた噂がないから、よっぽど相手を選んでいたと見える。

ふと、一緒にバラエティーをしていたころを思い出す。
貴島がキョーコにアプローチしていたときから、やけに後輩フォローが厳しかった。
何のことはない、蓮もキョーコを狙っていたということなのだが、一足遅かった。
“あの時、酒を飲ませたついでに持ち帰ればよかったかなあ~”なんて、思ってはみても後の祭り。
やんわりと牽制してくる蓮に気付かない振りをして、一歩引いた。

―――だって、修羅場はごめんだ。

面白いくらいにキョーコに振り回されるイケメンアナウンサーを眼にするのは楽しかったし、興味が湧いた。

(まあ、花開くはずだよなぁ…あんなの相手にしてるんだからね?)

みるみる綺麗になるキョーコを見ていると、カラダもココロも良い愛され方をしてるんだろうなあと経験上思う。


「貴島さん、もう終わりですか?」

笑顔で話しかけるその姿は、掛け値なしの“イイ男”だ。
ジムで偶然一緒になって飲みに行ったが、友人としてもとても楽しい。

「うん、疲れちゃったよ。サボってるとダメだね。」
「俺もです。上がりましょうか。」
「ああ、サッパリして、飲みに行くぞ~~!」
「くすくす、行きましょう?」

シャワールームを隣り合わせに使って、どこそこのバーが静かでいいとか話しながら、ふと貴島は違和感に気付いた。今日はキョーコの事が話題になりそうになると蓮はいつも以上に無言になることに。
もともとあまりキョーコのことをべらべら話す男ではなかったが、今日はさらに様子がおかしい。
そういえば、さっきもLMEでも彼女の話題を濁さなかったか?

「なあ…敦賀君?」
「なんでしょう?」
「もしかして、キョーコちゃんと喧嘩でもした?」
「えっ…!?」

凄い驚きようだ。

「えっ…て、したんだ?」
「ノーコメントで。先に出ます。」

(おやおや?さっきはやっぱり何かあってモニターガン見してたんだ~。)

と、ニヤケながら、先にブースを後にした蓮の後を追う。
ふと脱衣室で、貴島は蓮の背中にソレを見つけて、まじまじと見た。

「どうしたの、ソレ…」
「えっ?どれ…って、あ…。」

ポーカーフェイスを若干崩した蓮を初めて見た。
苦虫を噛んだように気まずそうな表情…

「勘弁してください…。」
「ふ~ん、激しいねえ…。」

にやりと貴島の口元が緩む。

背中にも綺麗な筋肉の流れが見え、上気した肌に水滴が滴る中、肩甲骨の下の辺りに見えるソレ…。
昨夜の情事を思わせる赤く引かれた数本の爪痕

うっすらとは言い難い、赤く血が滲むほどに残されたその痕は如何ほどの激しさを秘めたものか…。

「ふ~ん、敦賀君ってば、激しすぎて叱られた…とか?」
「お願いですから、それ以上は…」
「図星?羨ましいねぇ~」
「・・・・」

発見された以上、ニヤつく俺に弄られるであろう事は既に予測済み?

ラッキーなことに、ゴールデンウィークの最後にちょっと楽しいおもちゃが見つかった。

(さあ、敦賀君…存分に弄ってあげようかな?)





(後編に続く)




貴島さん、我が家ではなかなかお出ましになりませんけど、楽しいね。
後編はキョコさんと蓮さんです。
どうしてこうなったか?の限定記事です。
続きだけど続きじゃない、でも続きなの的なものとなっております。

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