セキュリティー強化

防犯対策の続き的なもの。
なりふり構わない蓮さんになったかな?







セキュリティー強化




『ねえ、最上さん。いつになったら引越しをするの?』

こうやって問いかけるのは芸能界一抱かれたい男 “敦賀 蓮”

問いかけられたのは、現在住所不定、マンションに帰れない女タレント “京子”こと “最上キョーコ”だ。

そう、ついこの間、キョーコの『防犯対策』にかこつけて自らのボクサーパンツをキョーコに渡し、引っ越したばかりの自宅マンションにしばらく帰ることを出来なくさせた。
その間、キョーコはだるまやに寝泊り。大将と女将さんの監視付きなので安心安全な生活。

そう、まんまと『防犯対策』に成功したわけである。

だが、やはりパパラッチの目はごまかせないようで、キョーコが蓮のボクサーパンツを持っていることはやはりばれてしまっていたから、だるまやも既に安全な住まいとは言えなくなっていた。
こうなると、頼りになるのはセキュリティーのしっかりした蓮のマンションが一番いいのだが、キョーコはなかなかうんと言わない。

―――で、冒頭の台詞である。

ラブミー部の部室で待ち構えたように言葉を発する蓮。


「だ…だから、敦賀さんのマンションは、ちょっとお高いんです。」
「そうでもないと思うけどね。」
「それは敦賀さんの金銭感覚でございまして、私のようなペーペータレントには過ぎた物件と申しますか、何と申しますか…。」
「今の物件と変わらないって椹主任から聞いてるけど?」
「そんなことないです!お家賃含めて敷金礼金、途中解約は違約金がございまして、お財布事情は厳しいんです!!」
「だったら、敷金礼金、違約金…必要なければいいの?」

頬杖をついたまま、キラキラと作為的な笑みを漏らす。

「そんな美味しい物件は、この世の中にはありません!あったとしたら詐欺です!詐・欺!!」
「んーー…、あるんじゃない?」
「…どこにですか?」
「3LDK+トレーニングルーム付き、広々占有バストイレ、セキュリティーもばっちり、見晴らしのよい最上階で家賃は格安。」

キョーコは蓮の顔をまじまじと見た。

「それって、敦賀さんのお宅って言ってます?」

「ばれたか。」

「敦賀さんのお宅なんて滅相もありません。格安だなんて大嘘つきです。」
「格安で困るなら無料って言う手もありかな?」
「ソレこそ詐欺です。」
「だから、下の階にもいい物件があるからって言ってるのに…。」
「堂々巡りですよ。それ。」
「最上さんがうんって言わないから仕方ないでしょ?」

(はあ…もう、敦賀さんてば…)

最近、蓮の言動に翻弄されてしまう。誤解してしまいそうになるのだ。

「あの~~、キョーコちゃん?取り敢えず蓮のマンションでもいいんじゃないかな?」

申し訳なさそうに、言葉を発する社。
どうにもこうにも、強引に話を進めようとする蓮と、かみ合わないキョーコの会話に痺れを切らしたらしい。

「社さん、なんてことを仰るんですか!?」
「そうそう、社さんもそれがいいと思いますよね。」
「う~ん、今のマンションよりも絶対に蓮にマンションのほうがセキュリティーはしっかりしているのは確実だし、その…精神衛生上ね…。」

ちらりと蓮を見るが、そっぽを向いている。

「社さんまで…、でも、確かにだるまやにはご迷惑になってしまってるんですよね。もう、敦賀さんがあんな限定の下着を下さるからこんなことに!」
「ごめんごめん、それについては謝るよ。手っ取り早く新品を持ってたから、つい…。許して?」

眉を下げて、キョーコを見つめる。

「もう!そんな顔されたって、困ります!…仕方ないですね。実は解約手続きを進めていたところだったんです。椹主任にも勧められて、敦賀さんのマンションの3階が空いていることもわかりましたし、そちらにします。」
「ほ…ホント?キョーコちゃん!そうしてくれる?」
「はい。って、社さんはどうしてそんなにホッとされているんですか?」
「イヤ、だから精神衛生上って…「社さん。引越しは是非お手伝いしましょうね。」」

(ひぃっ!蓮君…怖いよ!笑顔が刺さるから!)

「じゃあ、最上さん、是非引越しの日は教えてね?手伝うから。」
「いえ、お忙しい敦賀さんのお手を煩わせるわけには…。」
「でも、男手が必要でしょ?…ね?社さん?」

(あー、はいはい。ちゃんと調整しますから…、そんな目で見るな。)

「そうだね、そうしてやって?スケジュールのことは心配しなくて良いからね。キョーコちゃん。」
「分かりました。お言葉に甘えます。」

うんうんと頷き、社はホッと胸をなでおろした。


引越しの当日も、甲斐甲斐しく蓮は動き、キョーコの荷物を新しい部屋へと運び入れる。
そこは当然のように蓮のマンションの下層階…
だが、キョーコが希望したお値段相当の3階ではなく、さらに上の階。
部屋数も少なく、さらに安心。

そして、また、しばらくして、周囲の馬の骨がキョーコの住まいを気にし始めるころ、キョーコを傍に置くことにかけては、ヘタレのくせになりふり構わないこの担当俳優は呟き始めるのだ。


『ねえ、最上さん。いつになったら俺の部屋に越してくるの?』

さあ、キョーコ周辺のセキュリティーレベルは上がる一方だ。




(終わり)
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

楽しいお話でした。

なるほど。
一般男性(馬の骨)へのセキュリティーは上げる一方で、蓮さんに対してはセキュリティーを・・・・完全に解除させたいのですね。
それも、ヘタレたままで。←
セキュリティー解除が成功したとして、告白と理性のヒモが切れる日はどちらが早いのでしょうね。(*´∇`*)ハハハ

Re: 楽しいお話でした。

まじーん様

コメント、ありがとうございます!
楽しいお話といっていただける事が何より嬉しいです。

セキュリティー解除、ヘタレたままでできるんでしょうか?
させてみたいですね~~~。

> セキュリティー解除が成功したとして、告白と理性のヒモが切れる日はどちらが早いのでしょうね。(*´∇`*)ハハハ

ははは!告白より先にヒモがぷちっと切れたりして…
そうなったらキョコさんはどうすんだろ?

プロフィール

かばぷー

Author:かばぷー
ス/○/ビ大好き!
脳内妄想☆大暴走中
思いついた言葉を書き連ね
作品置き場にしています。

☆当サイトはリンクフリーではありません☆
二次ルールを守っておられる「ス/◯/ビ」二次サイト様に限り、相互リンクさせていただきたいです。お手数ですがリンクを貼られる前に必ずご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト様からのリンクは固くお断りさせていただきます。
(リンクはトップページにお願いいたします)

ようこそ
最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンクご案内
ちょび様
陽のうらうらと
ピコ様 Bubble Shower
sei様
風月様 popipi様 ちなぞ様 惣也様