疑問符の行方 9

限定にする予定だったけど、ちょこっと修正。
通常版でUPします。

今回は短いですが、ご容赦下さい。






疑問符の行方 9




キョーコは蓮の腕の中でぎゅうぎゅうに抱きしめられていた。

ようやく手に入れたキョーコを手放す事ができず、片時も離れたくないとばかりにその腕の中に囲い込んだ。
額に、瞼に何度もキスを落とし、優しく…でも誘うように耳元で囁く。


「最上さん、今日も、…一緒に寝よう?」

「は…はいぃぃぃ?」

「だって、昨日も一緒に寝たじゃない。朝起きたら逃げられてたけど。」
「スミマセン…モウシマセン。」

小さく片言で謝るキョーコにクスリ…と小さく笑ったあと、ふいに意地悪をしたくなった。

「そうじゃないと困るね。いないと分かった瞬間、真剣に焦った。どれだけ衝撃を受けたか、分からないだろう?かなり傷ついたんだけど?」
「本当に!…………すみません…」

「この傷ついた心をどう癒してもらおうか…?」
「あの…できる事なら…」
「できる事なら…?」

「その…何でも…」

蓮が思わず眼を見開く

意地悪をしたくなっただけだが、上目遣いにこんな台詞を吐かれては、理性に蓋をするどころか、導火線に火をつけたようなものだ。

「全く…君は、困った事に無自覚に俺を翻弄するんだね。本当に…。」

ーーー本当に、どうしたもんだか…。

さっき社長に釘を刺されたばかりなのに、やはり最近のキョーコ欠乏症に加えて、一週間の幸せ生活で随分と我慢が効かなくなってしまっているらしい。


「あの…。」
「ん?」

「逆に質問なんですが、ある日突然私がいて、ビックリなさらなかったんですか?」

「んー…したけど、嬉しいほうが勝ちました。」

「その…、不自然じゃありませんでした?」
「大丈夫。俺の恋人役だという事はちゃんと分ったよ。微妙だったのは、関係かな?」

「関係…?」
「そう。まあ、それも最上さんがやたらと避けてたから、身体の関係はまだなんだと理解できたけど。」

“カラダの関係…”と聞いて、キョーコの顔がぼふっと一瞬で赤くなる。

「…破廉恥~~~!」
「そう?俺にとってはかなり重要なポイントだったからね。」
「むう~~(///)!」
「ごめん、ごめん。純情乙女にする話じゃないか。」

「あの…いつごろから、演技に気がついていました?」
「始めから…って言ったら怒る?」
「やっぱり不自然だったんじゃないですか…。」

クスリ…と蓮は優雅に笑みを漏らす。

「不自然…とは違うかな。社長の仕業だろうと気がついていたけど、あまりに最上さんが自分の傍にいることが、俺の気持ちの中では当たり前になっていたから、欲望を優先させただけで…。」

“ちゅ…っ”と再び額に口付ける。

「ひゃ!」

「今回は固まらないでね?もっと凄い事するから。」
「すっ…すすす、凄い事?」
「う~~ん…」

眉間に皺がよるほどに眉を下げて、考え込む蓮。

「どうしよう…。本当に困った。」
「な、何に?」

「手をつないで眠るだけじゃ、やっぱりもう足りないかも」
「たっ…たたたた足りない!?もう十分です!」

「…意味分かってる?」
「…へ?」

「こういうことしたいって、言ってるの。」

急に“夜の帝王”の顔をしたと思うと、するっと蓮の手のひらが、キョーコの背中を撫でる。


「ひょあぅっ!!」

「なんて声出すの…(ちゅ)」

「ふわぁぁぁ!クビッ…首は!」

くすぐったくて首をすくめると、夜の帝王がさらに怪しげな雰囲気を撒き散らしながら…指先を絡める。
その絡めた指先は、ゾクゾクとキョーコの背中を震わせ、いきなり心臓が破裂しそうにバクバク言い始める。


「最上さん…、ごめんね?止まらないかも。」

「とととと…とめてくださ~~~い。」
「うん…泊めてあげる。やめてはあげない。」

「やややや…やめ…」




「やめて欲しい?」


試すように聞いてみると、上目遣いに見上げるキョーコ。
眼には涙をうっすらと浮かべて、それは昨日までの愛しくて可愛いキョーコではなかった。




「…やめ…なくていいです…。」



そこには既に“女”の顔をしたキョーコがいて、いつの間にこんな表情が出来るようになったのだろうと蓮を驚かせた。

そして、その表情は蓮の中の“男”を誘い出す。

もう、さらさら我慢する気もなかったが、こんなに急速に“女”の表情をされると、やはり戸惑ってしまうものだ。
猛烈にキョーコに感じる可愛さ…かなり、グッと蓮の心を揺さぶる。


「全く…困ったね。急に可愛らしくなって…本当にどうしたもんだか…。」


キョーコの手を握り、見つめる。
社いわく百戦錬磨のはずが、キョーコを前にして自分の鼓動を早鐘のように感じるあたりに、キョーコへの想いは真剣な気持ちなのだと今更ながら確信する。
のどから心臓が飛び出しそうだ。

ゆっくりと髪を漉き、頬を撫で、ほんのり染まる頬に口付ける。


(ああ、初めて最上さんにキスしたときも、頬だったな…)


そんな事を思い出しながら、ゆっくりと唇を重ねる。
少し震えるキョーコの唇を啄ばみ、角度を変えながら、深く、深く味わうように舌を伸ばす。
初めてのキスに、ぎこちなく答えようとする唇。
逃げようとする舌を追いかけ、重ね、吸い付く

やがて、息が出来ませんとばかりに浅く呼吸を始めたキョーコ。
それでも唇を離せずに貪り続けると、やがてくったりと手が離れた。



「やれやれ、お姫様には刺激が強すぎたか…。」

ようやく与えられた喜びに破顔しながら、己の中の熱をどう処理しようかと悩む。

きっとキョーコは緊張しすぎた1日だったろう。
昨晩も蓮が眠った後で荷物を運び出したはずだ。
今なら分かる。あの猛烈な睡魔は、社長の指示だったに違いない。

理由はどうあれ、こうやってキョーコを己の腕の中に抱きしめる事ができたきっかけになったのは勿論だ。

(社長に感謝せざるをえない…かな。)

酸欠で眼を回したと思われるキョーコだったが、もうすやすやと寝息を立てている。
なんとも無防備な姿に“クスリ…”と笑みが零れる。
飢えに飢えた狼がここにいるとは知らないで…。



「参った…一緒には眠れそうにないな…、次、覚悟しておいて?」



すやすやと寝息を立てるキョーコにそっと口付けた。





(最終話に続く)



この後は、是非、皆さんの想像力で~~~!!!
関連記事
スポンサーサイト

Pagetop

トラックバック

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

Pagetop


プロフィール

かばぷー

Author:かばぷー
ス/☆ビ大好き!
脳内妄想☆大暴走中
思いついた言葉を書き連ね
作品置き場にしています。

☆当サイトはリンクフリーではありません☆
ルールを守っておられる「ス/☆ビ」二/次サイト様、お付き合いあるマスター様と相互リンクさせていただいています。お手数ですがリンクを貼られる前に必ずご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト様からのリンク、多くのサイトを無断で紹介されているサイトは固くお断りさせていただきます。
(リンクはトップページにお願いいたします)

ようこそ

最新記事

リンクご案内

ちょび様
陽のうらうらと
ピコ様
Bubble Shower
sei様

風月様
popipi様
ちなぞ様