煽る彼女と凹む彼2

はい、かばぷーです。

ちょこっと強引な敦賀さんの台詞に、ドキドキしたいがために(私が!!)
書いてみました~的なモノです。
紳士な敦賀さんは“お前”って言わないよね…。うん。言わない。
分かってて書いてるんだもん。


では、どうぞ~。(^-^)/










煽る彼女と凹む彼  2





さっきよりも激しく、口腔内を熱っぽく這い回る舌の動きに、キョーコは意識が朦朧としてきた。
酸欠ではなかろうかと思うほどに、息が出来なくて苦しい。
蓮の指先がいつの間にか背中のホックを外し、控えめな自分の胸の上に服越しの熱い手の平の温度を感じる。やがてその手がニットの下から滑り込み、薄いわき腹を撫でられてキョーコはビクッと体を震わせた。

唇を少しだけ離すと、蓮はキョーコの瞳を見つめて低く囁く

「もう、我慢しない…できない…」

黒目の深い色合いに見つめられ、ぞくりと背中に何かが走る。
首筋からゆっくり下に向かって降りていく唇が、いつのまにか服ごとたくし上げられ、顕わになった胸の頂に到達した。

恥ずかしさのあまり、身を硬くして蓮の肩を力の抜けた手で押し戻す。

「敦賀さ…」
「待たないよ」
「や…恥ずかしい…」
「キョーコ…君の全部が…欲しい」

“ああ…敦賀さんだ…”と思った瞬間に、キョーコの心臓がぎゅんっ!と締め付けられた。

「ダメ…」
「待たないって、言っただろう?」
「お願い…敦賀さん…カインで無くなってます…」
「知らない…」
「演技してくださいってば…」
「しない…って…どうして今、そういうことを言うかな?この口は」

そう言って、苛立ちを隠せずに胸から顔を少しだけ上げると、

「ダメです…死んじゃいます…」

はらはらと、涙をこぼすキョーコがいた。

あまりに突然の事に蓮の脳がプチ・パニックを起こす。
これから痛い思いも一瞬してもらわないと困るのだが、まだ段取りとしてはずっと先の筈なのに…とか、久しぶりで強く噛みすぎたのか…とか、キョーコの苦しそうな顔を見て咄嗟に聞いてしまった。

「いっ…痛かった!?」
「ちが…。心臓が…」
「心臓…?」

キョーコが上目遣いに、しかも恨めしそうに呟く。

「心臓が痛くて…死んじゃいます…」

蓮はその可愛らしくも、悩殺モノの台詞に完全に思考が停止した。



* * *



(…我ながら、良く踏みとどまったもんだよ…)

キョーコが泣きながら申告した心臓の痛み…
ソレは絶対にキョーコを殺したりはしない。寧ろ逆だと思うのだが、今日はそれ以上進むのは憚られた。泣きながら、更に申告したことは蓮を意気消沈させるには十分すぎるほどで…、こう、何と言うか…そう来るか…と思うような告白だったからだ。

「あの…カインさんだったら、現実が現実として直視できるかな…と思いまして」
「何…?それ」
「敦賀さんは、とても優しくしてくださるじゃないですか。でも、内心それって誰にも一緒な様な気がしてたんです。」
「名前呼び?キョーコ以外にはしてないけど」
「勿論分かってます!そうじゃなくて、優しい問いかけとか、気遣ってくださるところとか」
「…?」
「その…こんな事を思うのは私だけだと思うんですけど、“お前”って絶対呼ばないでしょう?私のささやかな人間関係の中では、親しくなるとお前って呼ぶ方が多くて、敦賀さんはそうじゃないのかな?…って思ったんです」

それは、あいつも含んでいるのかと頭の隅でチリッと苛立つ。

「キョーコはお前って呼んで欲しかったの?」
「だって、カインさんもセツにお前って…。だから、最上キョーコに対してはどうなのかなって思っちゃったんです。それに…」
「それに?」
「やっぱり、カインさんはお前って言ってくださるし、とても愛情表現が直接的なので、うっかりときめいちゃったんですよ」
(は?うっかりときめく?うっかり…!?)
「だから…キスしたいなって思っちゃって…えと…その…」

そこからはもう、しどろもどろだ。

「…じゃあ、何かな?キョーコは俺に愛されていないような気がして、お前呼びしてもらいたかった。そこで、カインの台詞ならいいだろうと思って俺に頼んだけど、お前って呼ばれたら、俺にはときめかないけどカインにうっかりときめいたってことなの?」
「えー、いやー、あう~」
「それで、うっかりときめいた挙句に、キスして俺を煽っといて、俺の言葉に戻ったら心臓が痛いってことになって…?」
「ううう~~」
「…凹むよ。それ」

ムスッと拗ねたように頬杖を付いて、窓の外を見る。ああ、もうこんな筈じゃなかったのに…と苛立ちだけが募る。

「…だって…、言葉が敦賀さんだと思ったら、急に心臓が痛くなっちゃったんです…」

しょんぼりと口を尖らせて下を向くキョーコを見る。
ちらりと蓮を見ると、あからさまに不機嫌オーラを出す男に臆したのか、更にいじいじと指先を弄びながら、下を向いてしまった。

「…カインさんはぶっきらぼうですけど、ストレートに言葉をくれて…、凄く嬉しかったんです。セツカのときも、今も…。敦賀さんは言葉は優しいんですけど、誰にでもこうなのかなって思わせる節があって…勘違いだろうと…ずっとそう思っていた時間が長かったので…。あの、私…自分だけの特別な言葉が欲しい…みたいです…。だから…だからカインさんみたいな言葉をくれたら、敦賀さんを凄く信じれるのかも…、もっと好きになるのかも…って。」

「…‥」

くそっ…!何なんだ?この可愛さ…。俺を殺す気か?
そう思ってみても口には出さない。そう、それが敦賀蓮だからだ。けれど、そう思うと更に凹む。
人当たりが良く、春風のようだと言われる自分を演出して数年。確かにキョーコにもそんな風に接して来たが、キョーコに対する気持ちは本心だ。独占欲の塊と社さんに言われすぎるほどなのに、それが万人に向けてのものだとキョーコに思われていたとは、反省せざるをえない。

もうこうなったら仕方が無い。

ちょっとだけ浮上できる材料は貰う事ができたから、この止め処なく溢れすぎて、収拾もつかないこの気持ちをキョーコにどうにか信じて欲しい。この凹んだ気持ちのまま、明日を迎えるなんてごめんだ。

「キョーコの言いたい事はなんとなく分かった」

キョーコがパッと嬉しそうに顔を上げる。
だから…それは反則だって…。にやけそうになる表情筋を精神力でキープして、キョーコに告げる。


「俺もキョーコと特別…な関係になりたい。正直、もう待てない。これが本心。だから今日、君を貰う。だけど君を抱くのはカインじゃない…俺だよ」


蓮はキョーコの手を握りしめた。





(続く)


げ…限定!!きゃ=(〃ノωノ)
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