魅惑の産婦人科医5

お出かけお出かけ、らんらんらん(o‘∀‘o)*:◦♪

お出かけバージョンです。







魅惑の産婦人科医 5





日曜日、天気は快晴

キョーコの自宅まで蓮が愛車で迎えに来た。
外国製のSUV…車に関心がないキョーコだけれど、その車が高そうだと言う事だけは分かる。
蓮は隣の実家に顔を出し、愛想よくできた息子ぶりを発揮する。
お見送りつきのデートなんて居心地が悪くて仕方がないが、その颯爽とした立ち姿につい見とれてしまう。

「今日はお母さんいないんだね」
「うん、また大阪に出張ですって。最近多いみたい」
「何だ…残念。ポイント稼ごうと思ったのに」
「お母さんはもう知ってる。…だって、言われたもん。“あら、やっとなの?”って、お母さんにもおじさんにも」

キョーコが口を尖らせてそういうと、ははっと軽快に笑う。
母には“あんまり蓮君の趣味にとやかく言って、愛想を尽かされないようにしなさいよ”なんて言われたことは言わない。
一体母はどこまで掴んでいるのやら…。

乗り心地のいいシートに身を沈めると、超・安全運転で走り出した。

映画を見て、お茶を飲んで、ショッピングをして…
いつもの細いノンフレームのメガネではなく、太目のフレームの眼鏡もまた違った雰囲気でいい。やっぱり格好いいなあとキョーコはやっぱり見とれてしまう。
街を歩けば、背が高い蓮は注目を浴び、振り返る女性達。それを知って知らずか必ず歩くときにはキョーコの手を繋ぎ、指を絡める。
さりげなくレディファースト、のどが渇いたなと思う前に飲み物が出て、お洒落なお店も知ってる…本当に紳士過ぎて、普通にしていたって十分モテモテなのに、何で私なんだろう?と思わなくもない。

日も暮れて、街行く人の流れも変わったころ、ふいに蓮が食事に行こうと言い出した。
いつもはお腹が空いてないというくせに、珍しいなとキョーコが思っていたら、「だって、食べないとキョーコが怒るでしょ?」なんて言うから、可笑しくなった。
クスクスと笑いながら店の前に来ると、ふいに鳴った蓮の携帯。

「ごめん、先に入ってて」

キョーコの入店を促され、蓮は電話を取る。
中に入り、人数を告げると奥の座席に通され、そこで一瞬キョーコの足は止まった。

(なんでここで会うかな~…)

多分相手も気まずいだろう。
隣の席に陣取っていたのは、敦賀クリニックの『超・反対派』看護師の佐藤さんと、これまた『反対派』の鈴木さんだった。

キョーコがペコリと挨拶して席に座ると、ワインを片手に意地悪そうな眼差しで佐藤さんが会話を始めた。

「あぁ~、もぅ、がぁっかり~。敦賀先生、超イケメンだからさぁ、狙ってたのに、女の趣味わるすぎぃ~」
「あんたさ、聞こえるって」
「鈴木もさ、敦賀先生がいいって言ってたじゃん。アタシ、折角総合病院やめてこっちに来たのに、何か騙された感じぃ~」
「まあ、騙されたと思わなくもないけどね。ついこの間までフリーだった筈なんだから」
「本当よねぇ。なぁにが良くてあんな素うどん記者。華も何にもないわよぉ」
「何?佐藤は美人だったら納得するの?」
「う~ん、微妙~…でも素うどんはないわ~釣り合ってないの自覚なしなの?」
「だから聞こえるって。」
「聞こえたっていいのよぅ。どうせ、敦賀先生も婦長も居ないしさ。あのレベルで、敦賀先生とお付き合いなんてさぁ、ずうずうしいにも程があると思うわ~」

そんな事を言いながら、これ見よがしに声をかけて来た。

「あらぁー、最上さんじゃないのぉ、今日は敦賀先生はぁ?デートじゃなかったのぉ?」
「…もうすぐ来ますけど」
「ねぇ、最上さんって、敦賀先生と幼馴染って本当?」
「はあ、まあ…」
「えぇ~?それだけで、こんなに構ってもらえるのってぇ、狡くな~いぃ?弱みでも握ってるとか?」
「・・・」

何かいやだ。佐藤さんって、こんなに間延びした喋り方をする人だったんだ…。

「あのさぁ、こんな事言って悪いんだけど、うちら敦賀先生がいいと思って採用面接受けたのよね。大学病院でも評判だったしさ。」
「そうそう~めぇっちゃ、格好いいのよねぇ~」
「だから正直、最上さんがいる事に面食らったのよ。佐藤なんかさ、敦賀先生のためにこう…いろいろ努力も苦労もしてるんだわ」

そんな事はキョーコの知った事じゃないと思うのだけど、アルコールが少々回っているのか、妙に突っかかられてしまう。

「付き合ってるんだよね?二人…いつから?ごく最近よね。」
「・・・」
「えぇ~だんまりぃ~?ねぇ、最上さん。どうやって敦賀先生たらしこんだの?ねえ!ねえってばぁ!」

急に店内がざわついた。
視線を入り口に向けると、蓮が店に入ってきたところだった。
キョーコの座る席に迷うことなくやってきて、やはり隣を見て少しだけ底意地の悪い笑みを漏らした…様な気がした。

「ごめん、お待たせ」

キョーコの真正面に座ると、キョーコの手をとり指を絡める。

「ああ、佐藤さんと鈴木さん、こんばんは。偶然ですね」

煌びやかに営業スマイルで、さも今気が付いたように挨拶を済ませた。


「蓮兄…、仕事の電話じゃなかったの?」
「ああ、大丈夫だよ。それより、何か頼んだ?」
「ううん、まだ。」
「そう、何にしようか…何が食べたい?」
「う~ん、任せる」
「じゃあ、適当に決めていい?」
「うん」

メニューを見ながら、オーダーしていく。
オーダーを終えると、不意に蓮は佐藤さんと鈴木さんのほうを向いた。

「佐藤さん、さっき君がキョーコに聞いてた事だけどね」

ぎょっとしたように佐藤さんが目を見開く。

「キョーコのことをずっと好きだったのは俺。俺のほうが先に好きになった。まあ、それも君たちにどうこう言われる筋合いないと思うんだけど?」

眼鏡越しの目線が、一瞬だが女性に向けられる目ではなかった。
だがすぐに、春の日差しのような眼差しをキョーコに向ける。そして、絡めた指先をすっと持ち上げ、口元を近づけた。
“ちゅっ…”
ゆっくりと離すと、神々しいキラキラスマイルを炸裂させる。

(これは…反則よ…ね…)

キョーコが赤面するまでもなく、その甘々な行動は蓮の行動に注目していたギャラリーを赤面させるには十分すぎた。
そして勿論、隣の佐藤さんと鈴木さんが『ぐっ…』っと食事をのどに詰まらせたのは言うまでもない。

「それと…、面接で言ってたことと本心と大分違うみたいだけど、恋愛のための就職なら他を当たってくれる?俺が欲しいのは信頼に足る看護師。今なら紹介状書くから」

まさか、自分がキョーコに絡んでいた事など、蓮に見えているとは思わなかったのだろう。ちらりと佐藤さんを見たとき、佐藤さんの顔がさっと赤くなるのが見えた。

「看護師に手を出した事は今まで一度も無い。これからも絶対に無いから、君たち、安心していいよ」
「「なっ!!!」」
「うん。じゃあ、お疲れ様」

さらりと言い終え、後はガン無視。
蓮が視界に入れないことを悟った二人は、店を後にした。




(続きます)
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