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恋する男の10か条(後篇)

後篇です。

実はわたくし、ネズミーシー…約15年前になりますが、オープニング前の招待券に当選して一度行ったきり、それ以降に行った事がありません。
ランドは何度か修学旅行で行きましたが、今どうなっているのか、何がなにやらさっぱりです。
ちなみに、USJにも一度しか…う~ん。○リー・ポッター行きたいなあ。





恋する男の10か条【後篇】



「・・・おはようございます。敦賀さん」
「おはよう、最上さん。ねえ、どうして芸能人がそんなに背中を丸めてるの?」

キュラキュラの笑顔を向けられてキョーコの背中が ビシィッ!と伸びる。

「ハッ!ハイッ!本日も敦賀様にはご機嫌もよく!お日柄もよく!」
「う~ん、硬いなあ。折角のデートなのに…」
「デッ…デデデデデ、デート…」

クスクスとにこやかにお笑いになる様子は至極ご機嫌なようにも感じられるが…

「あの~、敦賀さん…今日、社さんは?」
「ん?お休み。結局この前のオフにも仕事したらしいんだ。だから少しは休ませてあげないとね?」
「はあ…」

これはお仕事だったんではないのか?とふとキョーコは思い返したのが顔に出たらしい。

「大丈夫。これ、持たされてるから。記録に残すんだって」

蓮が取り出したのは、手の中にすっぽりと納まるハンディサイズのビデオカメラ。
キョーコにレンズを向けると、録画スイッチを押した。

「後は…どこかしこにカメラがあるとは聞いてるけど、気にしない。さあ、行こうか」

くるりと入場ゲートに体を向けた蓮の後を追って、キョーコが急ごうとしたとき蓮が立ち止まり、キョーコは蓮の背中に顔からぶつかった。

「わっぷ!」

「手、繋ごうか」

蓮はそういって、左手でキョーコの右手を攫った。


【恋する男の10カ条・その1】
  ~さりげなくスキンシップ、時に手を繋ぐ~

(うわわわわ~!!ぎゃーーー!! 手!手!敦賀さん、手!!!)

「最上さん、凄い顔」

あわあわと挙動不審なキョーコまでビデオに収めると、蓮は笑う。
それは至極…最上級に嬉しそうな、それでいて蕩けるような神々しいスマイル。


【恋する男の10カ条・その2】
  ~蕩けるような眼差しで微笑む~

(こ…この神々スマイルは、蕩けるようなと言うのだろうか?寧ろ、浄化されて干上がってしまいそうになるんだけど…。)

だが、嬉しそうなのには間違いはない。
キョーコのプロテクターも干からびる。

(つ…疲れる…。朝から何のゴーモンですか?)

そんな挙動不審なキョーコにあわせるように、ゆっくりとカメラを向けて歩く蓮。


【恋する男の10か条・その3】
  ~一緒に歩くとき、歩調を合わせる~

そう、もともとコンパスが長いのだから、キョーコと一緒な歩調のわけが無い。
…という事は…まさか、まさかと思ってエリア内を歩いていると、やはり歩調を合わせてくれているらしい。
さらにふと気付いた。



【恋する男の10か条・その4】
  ~車道側を歩く~

エリア内を巡回するバスのための車道側には、常に蓮がいる。
そして、ちょっと男性だけのグループとすれ違うときには、さりげなくカメラを構えながら位置を変えて、男性側に回り込む蓮。

手を繋いでビデオカメラにキョーコを収めながら、周囲からさり気にガードする蓮にキョーコは突然気付いてしまった。
まさかとは思うが、やはりそうであるらしい。

そして蓮のいつもの行動の筈なのに、はっきりと意識してしまった。



【恋する男の10か条・その5】
  ~やたらと構う・からかう~

「ねえ、最上さん。あれ食べよう」

いつもは食に関心がない敦賀さんが、食べ物に関心を示すなんて滅多に無い事。そう思っていると、「ほら、最上さんそっくり」なんてネズミーキャラクターの顔を指し示す。
「どこがですか?」
「え?良く膨れるところ」
なんて、けらけらと笑い出す。
「ひどっ!!どこがですか!?そうやって人をからかうなんて!!敦賀さんのイメージが崩れますよ?」
「大丈夫、誰も気付いてないよ。ほら!あれもそっくり」

敦賀蓮が女の子をからかうなんて、誰も知らないし、見たこともないだろう。
けれど、キョーコをからかうだけからかって、いじめっ子な敦賀蓮・・・果たしてこの姿は?こんな敦賀さんは絶対的に詐欺師で今までも、いつでもそうだった。

でも、確かに…。どうして人気俳優の敦賀さんが、ネズミー・シーで女性と一緒にいるのに、誰も騒がないんだろうとキョーコは不思議がるが、やはり軽く変装しているとはいえ、蓮に気付く人は少ない。

「ね?意外と分からないもんだよ」
そういって、アトラクションの入り口で先に通された。



【恋する男の10か条・その6】
  ~さりげなくレディーファースト~

吃驚するほど自然で当たり前だったのだけど、ゲートを通るとき、ショップに入るとき、アトラクションに入るとき、注文するとき…気がつけばキョーコが先になっている。
歩くときには先導してくれているのに、いつの間に立ち位置が変わったのだろうと思うほど、自然に先に入れてくれるのは不思議だ。
アトラクションの列に並んで振り返ると、「ん?」と気がついてくれて、背後にある大きな身体に安心する。
そして、周囲の喧騒やアトラクションの大音量を避けるかのように、顔が近づく。



【恋する男の10か条・その7】
  ~耳元で囁く~

「(最上さん、どうかした?)」
(ちちちちち!近いです!)

あまりにいきなり顔が近くにあることを意識しすぎて、そしてまた、心地いいバリトンが囁く声を聞いて、ぼふっとキョーコの顔が真っ赤になる。

「(最上さん、顔、赤いよ?大丈夫?)」
「大丈夫です!!」
慌てて大きな声で返事をすると、口元に指先が当てられた。

「(少し控えめにね)」

そういって、蓮の大きな手が、ポンポンと頭を撫でた。



【恋する男の10か条・その8】
  ~視線で追いかける~

その後はショップに入って、しばらく蓮と離れてみる。
キョーコは先ほどの囁き攻撃が恥ずかしくて、しばらく黙ったままだったが、大好きなキャラクターグッズに囲まれてテンションがあがる。

(あ、これ可愛い!)

そう思って顔を上げると、入り口付近で蓮がひらひらと手を振る。
ちらり、ちらりと蓮を見るといつも必ず合う視線。
鏡を見ても、振り返っても、キョーコを見て微笑む蓮の視線がキョーコから外れたりはしないなんて、どうして今まで気が付かなかったんだろう。


【恋する男の10か条・その9】
  ~馬の骨をやたらと警戒する~

遠くでキョーコを見つめる蓮だったが、ショップの中で少しだけ離れていても、キョーコ周辺への警戒は怠らない。
男連れが近づいて来そうものなら、さりげなく間合いをつめて「欲しいものあった?」なんて囁きかける。

その様子を何とも思ってなかった筈なのに、はっきりと守られていることに気がついたのは退園間近の事。
帰る間際になってそわそわしだす人たちがいるのか、キョーコに声をかけて来る男性が増え始めた。

(あれ?今までこんなに声をかけられたっけ?)

と反芻するが覚えが無い。
それもそのはず、ずっとショーを見ている間も、アトラクションの待ち時間も、レストランでの食事中も、ずっと蓮が側にいて、男が声をかけられないようにしてきたのだから。

退園間際になって『敦賀蓮さんですよね?』なんて彼自身が声をかけられて、お断りをするその時間分、ガードが外れたキョーコへの声かけが増えた。
その度に、「悪いね、俺の連れなんだ…」と馬の骨に声をかけ、「どう?そろそろ行く?」と腰に手を滑らせ、カップル抱きにして連れて行かれる。
(これは…守られてる…のかな?)
やはり、どうして、そうらしい…。


【恋する男の10か条・その10】
  ~家の中に入るまで、見届ける~

「今日は凄く楽しかったよ。どうもありがとう」
「こちらこそ。楽しかったです。本当にありがとうございました!!」

きちんと送り届けられた家の前、いつもどおり礼儀正しいお辞儀をして、にこーっと笑うキョーコ。
普段なら気にもしないのだが、流石に奏江や千織から10か条の事を言われて臨んだ今日。
いつものお見送りの際にはキョーコがだるまやに入るまで車は動かない。

「敦賀さん、今日、お疲れでしょう?どうぞお先に車を出してください。」
「え?そんなこと出来ないよ。部屋の明かりがつくまで確認するから、最上さんこそ入って」
「だって!早く帰っていただかなくちゃ、後輩として不義理をしでかす事になります!」
「そんな、大丈夫だよ。寧ろ、俺が早く帰るこの数分が心配だな。」

「・・・なっ!そんな心配はご無用です!ちゃんと撃退できますから!」

蓮は少しだけ困ったような顔をして微笑んだ。

「仕方ないなあ…」

そう言って、キョーコの耳元に囁きかける。




「最上さんが好きだから、ちゃんと見送りたいんだ…」





* * * * *



奏江は、千織に呟いた。

「大体ねえ…、恋する男の10か条なんて、敦賀さんのいつもの行動パターンを並べたら、当たり前の話なのよ。」

ふんふんと千織が相槌を打った。

「いつもキョーコを見るときは『蕩けるような眼差しで微笑む』でしょ?あんな駄々漏れの色気丸出しで見られて御覧なさいよ?明らかに公害よね?
『一緒に歩くとき、歩調を合わせる』なんて、あーんなに長いコンパスでソレやられちゃ、嫌でも分かるわよ。あのコ、気がついてないけど『車道側を歩く』とか、『さりげなくレディーファースト』なんて、温厚紳士な敦賀さんならいつも当たり前でしょうに。おまけにラブミー部室に来ては『やたらと構う』し、いつのまにか隣に座ることも当たり前じゃない?それに気がつかないキョーコがどうかしてるわ。
キョーコの行動の一部始終を『視線で追いかけ』て、もの凄く禍々しい独占欲で『馬の骨をやたらと警戒する』なんて堪ったもんじゃないわね。挙句の果てには、家に送り届けて、キョーコが『家の中に入るまで見届ける』のが定番だって言うんだから…。これで、敦賀さんがあの子を好きじゃないなんてありえないのよ!」

「ねえ、琴南さん…じゃあやっぱり最初の『さりげなく手を繋ぐ』は、今回一番の決め手になりそうね?」
「全くもう…あのヘタレ俳優、ソレ位してくれないと困るわよ。爆弾落とすだけ落としといて、回収できてないんだから。今回はキョーコも多少自覚持って欲しいわね」
「まあ、最後の手段で、『耳元に囁く』なんて、普通だったらありえませんもんね。」
「そうね。やっぱりちゃんとした言葉を囁いて欲しいわよ。ちゃんと囁いてくれたのかしら?あの子が誤解しないような言葉を囁くくらい、朝飯前でしょうに…全くヘタレなんだから」

この二人に掛かっては、芸能界一抱かれたい男も形無し。
だが、仕方が無い。

恋する男の10か条…こんな簡単なルールを無視し続けた最上キョーコと、曲解思考の娘に恋をした敦賀蓮が悪いのだから…。




(おわり)




沖縄、ネズミー・シー…
これだけ旅行だデートだ連れて行ってもらってて、同じ部屋に泊まってもいまだ先輩後輩なんて…惨い…惨すぎる。
今更分かる、社さんと蓮さんの気持ち…うん。拷問だね。


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