Beachに行こう!2

これはすばやくアップせねば。







Beachに行こう! 2




最上キョーコは現在、機上の人となっていた。


「じゃあ、早速準備しようか?最上さんも今日の午後から、明日丸1日オフだよね?」
と、しれっと言う敦賀さんの向こうで社さんの眉がピクリと引きつった顔が見えた。

「今からだったら、サンセットに間に合うかも」
と、だるま屋までの送迎付きで、てんやわんやで準備をして、空港へ向かった。

(ええ~~??く…空港?飛行機?つ…敦賀さんはどこへ!?)

有無を言わさず、乗せられた飛行機の行き先は『沖縄』
その飛行機はエコノミーではなく当然のようにファーストクラス。
カチンコチンで機内サービスを受けること、約2時間半。

「社さんは?」と問えば、「俺のオフはマネージャーもオフだよ?一緒に来てもらったら、社さんだけが仕事になっちゃう」とのたまう。『じゃあ、私のオフは…』なんて頭の隅でほんの一瞬考えるが、こんなにいい待遇で、しかも憎からず思いを寄せる敦賀さんと二人っきりで、しかも一度でいいから行ってみたいと思っていた海水浴に連れて行ってもらえることに文句を言えるはずがない。
文句をつけるとしたら、おそらくバカ高いであろうこの旅費をどう捻出するかと言う事だ。

「あの、敦賀さん…この旅行代金は…」
「ん?社さんから聞かなかった?いつも君に美味しい食事を作ってもらっているお礼。」
「いえ、でもその都度、食材費は頂いておりますし、これほどの贅沢をさせていただくようなことは…」
「食材費に人件費は入ってないだろう?勿論それで君のくれた貴重な時間に感謝ができるかと言うと、そうじゃないから」

それは分かる。

社さんからも「料金の事は心配しなくていいからね?本当ならいつものお礼に、俺が君に出してもいいくらいなんだ。キョーコちゃんは、今回いい物を知る旅と銘打っておけばいいから、必要なものは全部蓮に言って。絶対欲しいものを我慢するんじゃないよ?ここは俺を助けると思って!素直にすべて受け取って!!!」と意味不明なことを重々言われて、送り出された。

社から代金を支払ってもらうなんて、それこそお門違いだ。だからといって、蓮に出してもらうのも違うような気がするが…。後で分割にしてでも支払えばいいから、あえて聞くまい。

「あの、敦賀さん、言いにくいのですが、もう一つ…」
「何?」
「あのですね、いきなりのお誘いでしたので、私、スクール水着しか持っていないんです。」
「スクール水着?」
「はい、すみません」
「それ、どんな水着?」

(…は?スクール水着をご存じない!?え、ちょ、ちょっと待って!スクール水着ですよ?)

キョーコの顔を見て、ちょっと思うところがあったのか、蓮は続けた。

「ごめん。俺が通っていたところには無かったんだ。その…スクール水着。だから、どんなものかと思って」
「あ、そうなんですか。スクール水着とはですね、各学校で形状を指定して体育の水泳時に児童生徒が着用する、主に紺色をベースとした水着です」
「ふ~ん、それじゃダメなの?」
「だっ!ダメに決まってるじゃないですか!小学生じゃあるまいし。いまどき小学生のほうがきっとカラフルでフリフリな水着を着用していると思います。」
「そんなものなの…分かった。じゃあ水着は現地調達しよう。他に必要なものとかない?」

そんな問いさえも申し訳なくて、「ありません」と答えるしかなかった。

そんな感じで沖縄・那覇空港に到着したのは五時過ぎ。
まだ、夕暮れの時間には少し早く、空港近くのショッピングモールに寄った。
キョーコが選んだのは、少しさびしい胸元をカバーするように、大きなフリルがついたワンピースタイプだった。流石に蓮に見立てて貰うのも恥ずかしくて、遠くで待っていてもらった。
軽く変装をしているとはいえ、敦賀蓮が女性用水着を購入するのはいかがなものかと配慮した結果だったが、こんな風に一緒にショッピングをするのはカインとセツカ以来のことだったので、繋がない手が少し寂しい。
セツカだったら遠慮なく甘え、手を繋ぎ、『兄さん、これどう?』なんて派手な水着を選んだ事だろう。

(私ったら!なんと言う贅沢を覚えてしまったの?)
レジ手前でぶんぶんと頭を振っていると「最上さん、支払いは済んでるから」と、蓮はいきなりキョーコの背後で至極スマートにのたまったのである。

ショッピングモールを出て、ホテルへと向かうタクシーに乗るとき、自分用のものでも調達したのだろうか?蓮の持っている袋が若干大きい事に気がついた。

「敦賀さん、すみません。その…水着を買って下さってありがとうございました。でも、あれは自分用で私が買う予定だったので、御代は後でお支払いします。」
「いいよそんなの。気に入っているようだったからプレゼント。他にもいくつか見繕っているから、気分に合わせて着替えて」

「…は?」

(いいいい…今、なんて?)

「他にも来る途中で、可愛いって見つめてたワンピース。あれも買っておいた」
「はぁ?ちょっ…!敦賀さん!カインと同じ事してるじゃないですか!散財はやめてくださいってば!」
「うん、ごめんごめん。つい買っちゃったんだよ。俺が着る訳にも行かないし、今更どうしようもないから、最上さんが着るといいよ」
「う…」
「女性物を着る俺が見たい?」

  …ぽわん…

「見…見たい訳ありません!でも、本当に無駄遣いはやめてください!全くもう、(ぶちぶち…)」
「無駄遣いなんかじゃないよ。最上さんが着てくれるなら。」

(ソレハ…ドウイウ意味デスカ…?)

蓮に見つめられて、ただでさえ心臓がバクバクなのに、カインがセツカにするように甘やかされると、勘違いしそうになる。

ホテルまでのタクシーの中、ドライバーさんの親切な観光案内だけが、唯一の救いだった。




(続く)



これは策士というのだろうか…?

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

かばぷー

Author:かばぷー
ス/○/ビ大好き!
脳内妄想☆大暴走中
思いついた言葉を書き連ね
作品置き場にしています。

☆当サイトはリンクフリーではありません☆
二次ルールを守っておられる「ス/◯/ビ」二次サイト様に限り、相互リンクさせていただきたいです。お手数ですがリンクを貼られる前に必ずご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト様からのリンクは固くお断りさせていただきます。
(リンクはトップページにお願いいたします)

ようこそ
最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンクご案内
ちょび様
陽のうらうらと
ピコ様 Bubble Shower
sei様
風月様 popipi様 ちなぞ様 惣也様