Beachに行こう!3

いつもどおりのあのお方。

今回は、攻め蓮にもかかわらず、ずっと紳士?







Beachに行こう! 3





那覇市内から北へ約30分、目的のホテルへと到着した。
ホテル専用のプライベートビーチが堪能できることで有名なそのホテルは、平日だと言うのにかなりの人気のようだ。

「最上さん、一応スーペリアツインを二部屋予約しているんだけど、それでいいかな?」

(…は?今なんて?)

「ス…スーペリアツイン?めめめ、滅相もゴザイマセン!私はシングルで!」
「残念、このリゾートホテルにシングルはないんだ。」
「でも、もったいないです!普通のツインは…」
「俺の脚がはみ出ます」
「では、私だけ普通の…」
「そんなこと出来ないよ。」
「で、ででで…でもベッドがもったいなくて無駄使い…」
「じゃあ、一緒の部屋に泊まる?」

至極真面目なような、それでいて誘うような表情で問いかける蓮。
キョーコはその提案に、うッと喉を詰まらせた。

「それもどうかと…」
「んー…、ああ、ベッドルームが二つある部屋もあるみたいだね。それならいいかな。うん、それにしようか?」
「そんなお部屋があるんですか?」
「うん、団体・ファミリー向けの」

(あ、じゃあ少しはお安いかも?)

「じゃあ、それでお願いします。」
「了解、ちょっと待ってて」

すっと蓮がフロントで受付をしている間に出された、南国トロピカルなウェルカムドリンク
サービスがいいなあと思っていたところに、ボーイが荷物をお持ちしますとやって来た。

「じゃあ、行こうか?」

すっとにこやかに笑う蓮は、この高級ホテルになんて似合うんだろうと、キョーコは思った。

優雅な蓮の歩みと、南国の雰囲気にぼんやりと流されて、最上キョーコとした事が、部屋に案内されるまで、うっかりしていたのだ。
 …エレベーターに乗っていない事に。

案内された先は、エクゼクティブ・スイートと言う名のコテージ…
それこそ、コテージ専用の小さなプールと、コテージ専用のビーチがあるお部屋なんて、贅沢の極み。

まさに、サンセット・ビーチが部屋にいながら楽しめるそのロケーションに、キョーコの口はあんぐりと開いたまま…

(だ…騙された?)

呆然と立ち尽くすキョーコの背後で、蓮は何事も無かったようにボーイから荷物を受け取り、足元に置く。

メインのベッドルームには、それこそ巨大なベッドが鎮座しており、これならば、蓮一人と言わず、キョーコが一緒に寝ても有り余るほどで…いやいやいやいや、何を考えているの、最上キョーコ!と一人突っ込む。

「最上さんは、こっちを使う?それとも、あっちの部屋?」

ドアを開いて案内された先の部屋は、これまた南国ムードたっぷりの、ハイビスカスがあしらわれた可愛らしいツインのお部屋で、キョーコは思わず「こっちにします!」と目をキラキラさせて答えたのだった。

夕食までに着替えるといいよと、先ほど購入していただいた水着&ドレス一式を手渡され、ベッドの上に広げた。
ご丁寧にタグは切り取られて入るが、キョーコにとって決してお手ごろとは言えないお値段だったに違いない。まるで、グアムで着る服に悩んだあの日のように腕を組んで、服とにらめっこした。

確かに自分の持ってきた服はこの部屋の雰囲気にはそぐわず、やっぱりワンピースかな…と思える。
申し訳ない気持ちでいっぱいで着替えを済ませると、華やかな柄はキョーコに意外と良く似合い、一気にバカンスに来た様な気持ちになった。

半ば、やけくそな気持ちでダイニングに行くと、涼しげなシャツを羽織る蓮がそこにいて、テーブルの上にはディナーが準備されていた。

「準備できたね。良く…似合うよ」

さらりと褒められ、俯いて赤くなるキョーコ
そんな甘い言葉をかけられると、必死で顔を作らなければばれてしまう。

「食べようか?」

珍しく蓮のほうから食事を食べようかと言われたら、キョーコは喜ばざるをえない。
並べられた料理の数々は、今まで食べた事がない食材もあり、キョーコはとても興味津々で、そして興奮状態でテーブルを囲んだ。

程よく太陽が沈み、空は赤紫とも茜色ともつかぬ色味に染まる。

「綺麗…」

うっかりぼんやり呟けば、すうっと蓮が手を差し出した。

「ビーチに行こう」

差し出された手に少し戸惑ったけれど、照れくさそうにキョーコはその手を取った。
ワンピースの裾が風に揺れる。
サクサクと鳴る砂浜を、手を繋いで歩く二人。
徐々に夕焼けが海に吸い込まれ、煌々とした月明かりが、海に反射するまで夕焼けを見送った。


「夜の海は初めて?」
「はい。初めてです…」
「入ってみようか?」

「…え?」

そういうと、蓮はおもむろにシャツを脱いだ。
鍛えられた胸筋が、腹筋が…まだ暗くなりきってない空間に浮かぶ。どこに目をやればいいというのだろう?

「折角のプライベートビーチだし、夜の海も楽しんでみよう。おいで。」
「え!?でも、敦賀さん、服!服が濡れます!」
「気にしない」

そう言って、蓮はキョーコをざかざかと海の中に引っ張っていく。

「ひゃうわ!波が動きます!」
「当たり前だよ」

遠浅の海だが、徐々に深みを増していく。膝、腿、腰、胸…波に身体が押され、足がつかなくなりそうで怖い。

「わっぷ!ぎゃーーー!こここここ…怖い!」

ワンピースが波に攫われそうで、予想外に強く身体に当たる初めての波の感触に、キョーコは怖くなった。

「大丈夫、摑まってていいよ」

そういって、蓮の腕が腰を引き寄せ、キョーコの手を首に回した。

ーーードクン…!

直接肌が触れ合う感触。そして、一気に跳ね上がる鼓動。
潮のにおいに混じって、蓮の髪からほのかにいつものいい匂いがする。

 (あ…敦賀セラピー…)

肌を伝わる体温で、一瞬でも怖いと思った夜の海が、不思議なくらい怖くなくなる。

キョーコを首に纏わりつかせ、蓮はゆらりと肩まで浸かってキョーコを波に漂わせた。

「最上さんは泳ぎは得意?」
「水泳の授業で、辛うじて25mは泳げます」
「怖い?」

そう聞かれて、困った。

「今は、怖く…ありません」

蓮はにっこりと笑うと、ゆらり、ゆらりとキョーコを波に泳がせる。時に早く、時にゆっくりと…波と戯れるように、キョーコを引いていく。
波間に漂う楽しさは、海ならでは。それが蓮と一緒なのだから、楽しくないわけがない。
楽しくて、楽しくて、時間がたつのを忘れる。

そろそろ、キョーコの腰の辺りだろうかと思われる深さまでたどり着いたとき、蓮がキョーコを手放し、急に海に沈んだ。

「わっぷ!つ、敦賀さん!??」

キョーコも勢いで頭までずぶぬれ。でも、すぐに足がついたので、慌てなかったが、蓮の姿が見えない事に慌てた。

「つ…敦賀さん?どこ?どこですか?」

暗い海面を、満月が照らす。
ぐるりと見渡しても、蓮の姿は見えなくて急に不安になる。

「敦賀さん!敦賀さん!」

夜の闇に吸い込まれていく声…、砂浜に戻る事も、そこより深みにも行く事はできない。

“ザバァッ!!”

突然、キョーコの少し離れた目の前に現れた蓮
それはまるで、グァムで見た光景…

あの時、陽の光に透けたのは金の髪の妖精。
今、目の前に現れたのは、満月に照らされた漆黒の麗人…

キョーコは呆然と見つめた。

(コーン…みたい)

前髪を両手でかき上げると、蓮はニコリと笑った。

「ごめん、心配した?」

それでも尚、固まったように動く事もできず、呆然と見つめるキョーコの頭をゆっくりと撫でた。





(続く)



今回は桃なしよ?
何もありませんからね?
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