Beautiful Vampire 2

二話です
今回も出てきたオリキャラ、山崎氏です。
蓮さん、ヤキモチ焼きですね。






Beautiful Vampire 2




『実録!吸血鬼に魂を啜られた男たち』

週刊誌の見出しは、そうなっていた。
京子がBeautiful Vampireで共演した男と、夜な夜な夜遊びに出かけ、毎晩のように甘い汁を貪っていると言うゴシップ記事。
それが担当俳優の控え室に置いてあるなんて最悪だ。
社倖一は胃を押さえながら、週刊誌をゴミ箱に放り込む。

「社さん、それは局のサービス品なんですから、そんな扱いしちゃいけません。」
「お前なあ…いい加減その紳士面、やめろ。俺に偵察行かせといて、週刊誌で腹立てないってどういうことだよ?」
「それは、彼女がこんな遊び方をしないのは当然なので、週刊誌は信じてはいませんけど、実物を見て判断するのは大事だと思っていますから」
「そろそろ現場も俺の姿を見て違和感を抱いているかもしれないぞ?」
「大丈夫でしょう。社さんが時折京子のマネジメント業務もしている事は公然の事実ですから。」
「そりゃまあ、そうだけど…だけどな、蓮。この相手になっている男たちって、本当に共演者だぞ?しかも現在進行形のモテ男たちだ。お前、平気なのか?そのうち嘘から出た真なんてなったりは…」

スーッと蓮の周囲の空気が冷える。
社は(しまった…!)と思ったのだが、それは後の祭り。

「平気な訳ないでしょう?この件でこれ以上刺激しないでもらえます?」

(ひえええぇ~~~!!来たっ!久々に闇の国のお人がっ!!)

青い顔をしながら、もうその一件には触れまいとする社だった。だが、翌日の別の週刊誌の記事を見て、社の胃袋は更に悲鳴を上げた。
…そこに写っていたのは、キョーコを抱きしめる男…山崎幸太郎だった。





7話目の撮影中、山崎は予告どおりアドリブを仕掛けた。
『絢子』に熱烈に愛を囁いたり、そうかと思えばお前なんか興味がないというふうにあしらってみたり…新進気鋭の女優・京子がどう切り返すか楽しみであったという面もあるし、それ以上に京子自身に興味が湧いたからだと言っていい。
どちらにしても、京子が吸血のために自分を誘わなければこの作品は成立しない。

---と、山崎は思っていた。

が、結果は散々足るものだった。
演技に自信が無かったわけではない。主役も張れるだけの実力がある。
だが、京子の切り返しは全く自分に興味が無く、誘う気もない。
無表情のまま、妖しいほどの色気で見つめるだけの女。それはまさに『絢子』なのだから仕方がないのだが、どんどん彼女を引き寄せたいとのめり込んでしまい、逆に素気無く扱われる展開で収録を迎えたのだった。

「お疲れ様でした。あのっ!山崎さん、本日はありがとうございました」

キョーコがメイクを落とした姿で、楽屋に挨拶に訪れた。
そんな姿を見て、山崎とそのマネージャーは顔を見合わせた。

「京子さん、こちらこそ勉強になったよ。どうもありがとう。ところで…随分と役を離れると印象が変わるんだね」
「ハァ…よく言われます…」
「いやー、ちょっと吃驚した。ところで、今日の収録がもう終わりなら、一緒に食事でもしない?」
「いえ!大変申し訳ございません。お誘いは嬉しいのですが…」
「ガードが固いって本当だったんだね。」

キョーコはきょとんと山崎を見た。

「誰かと約束?それとも、事務所の方針?俺と一緒じゃいやかな?」
「めめめめ…滅相もゴザイマセン。」
「じゃあ行こうよ。そんなに遅く帰らせる気はないから。江藤マネージャー、LMEに断りいれといてくれる?」
「ああ、ちょっと待ってくれ」
「いえ、山崎さんのお時間を私ごときに使われるのは時間の無駄だと思います」
「俺が誘いたいって言ってるんだから、素直についてくればいいのに。演技の話なんかもしたいしね」
「演技の話…ですか?」
「うん、それも駄目なのかな」

最近、こうやって共演者から誘われる事が多くて実は困っていた。大概はこの後用事があるといえば、気を聞かせてくれる男性がほとんどだったので、事務所を通してでも食事にといわれたら、どうやって断ったらいいのか、キョーコにはまだ分からない。事実今日はこれから仕事の予定は入っていないのだから、嘘はつけない。

「幸太郎、確認取れたよ。タレントセクションの椹主任が、OKだって」
「あれ?京子さん、俳優セクションじゃなかったの…まあ、いいけど。OKが出て、よかったね?」

(椹さ~~ん!!何で許可出しちゃってるんですか~~~!!??)

キョーコの心の雄叫びを気にする事も無く、山崎は続けた。

「京子さんって面白いね。噂には聞いているけど、敦賀君とも仲が良いんだって?」
「や…仲がいいなんて、そんな罰当たりな。崇拝しております!」
「何それ。まあいいや。じゃあ、行こうか」
「その、どちらへ…ですか?」
「ああ、食事でいいかな?マネージャーも一緒だけど」
「でも、その…本当で申し訳ないのです。私のようなペーペーが…」
「口説いてるんだけど分かんないかな?」
「口説く…?」
「全く京子さんは噂に違わず鈍いね。だから余計にもてるんだね」
「もてる…それは、からかって遊んだら楽しいという意味でしょうか?」
「あははははっ!いつもそうなの?男たちは君に掛かったら形無しになるんじゃない?」
「?????」

クスリと笑うと、山崎は先に歩き始める。

「荷物を取って来たらいいよ。この先で待ってるから」
「す…すみません」

キョーコはこの後どうやってお断りをしようかと考えて、楽屋の荷物を運び出す。いつもと同じ、代わり映えしないバッグを持った。

「京子さん、可愛らしいバッグだね」
「これですか?使い勝手がいいので、随分前から使っています」
「そういうのが好きなんだ。今度プレゼントさせてよ」
「いえ!欲しい物は自分で買う主義ですので、お断りします!」
「君にはプレゼントを贈るのも大変そうだ。彼から貰ったりしないの?」

ふっとキョーコの脳裏に、美麗な先輩俳優の顔が浮かぶ。それを否定するように、ぶんぶんと頭を振った。

「彼なんて、いません!わたくしは全力で愛を否定する一人です」

そう言いながら廊下を歩いていると、京子の携帯が鳴った。
携帯の着信はいまだに慣れない。今脳裏を掠めた男かもしれないと、一瞬期待した自分を呪う。

「すみません」
「どうぞ」

画面を見ると社さんからだった。キョーコはペコリと一礼すると、廊下の隅に寄った。

「はい。最上です。社さんどうなさったんですか?」
『あ、キョーコちゃん良かった!ちょっとこれから頼みたい事があるんだけど、今いいかな?』
「はい…あの、実は今日のドラマで共演させていただいた山崎さんに、食事に誘われたんですが…」
『そうだったの。急にお断りしちゃう事になって申し訳ないね。ごめん、もしキョーコちゃんがOKなら、いつもの…お願いできる?』
「はい!分かりました。社さん、ありがとうございます」
『えーっとね。10分後にそっちに着くから駐車場付近で待っててくれる?』
「分かりました。こちらこそお願いします」

キョーコはホッと胸を撫で下ろした。


(続く)
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