かばぷりん ~ほろ苦い情熱 ローストカカオ味(前)~

かば、かば、かば、かば、かばプリン
かばぷりんったら、かばぷりん
“王子も騎士(ナイト)も腰砕け”
~ほろ苦い情熱 ローストカカオ味~
か~~ば~~ぷ~~り~~ん~~~~(期間限定☆)


かばぷりん ~ほろ苦い情熱 ローストカカオ味(前編)~



「巷で大人気のスイーツ”かばぷりん“に期間限定商品が誕生しましたね。その名も~ほろ苦い情熱 ローストカカオ味~!この冬一番の売れ筋だそうです。王子も騎士(ナイト)も腰砕けなんですって。」
「なんですかソレは?腰砕けって、すごいネーミングだねえ~。」
「今日のゲストはまるで王子様のような敦賀さんですが、どうですか?敦賀さん、召し上がってみませんか?」



ゲストに呼ばれた番組中に流れる、かばぷりんのCM
番組内でも紹介され、あろう事か試食を求められた。

かばぷりん~ほろ苦い情熱 ローストカカオ味~

それは口に入れると、甘さより先にふわっと薫り高い洋酒の匂いがする。
甘さを抑えた成人男性向けの商品なのだろう。
かといって苦味が強いわけでもなく、やはり口当たりが良かった。

「美味しいですね。香りがとても良いです。食感は…ゼリーに近い…かな?」

敦賀蓮に食品の感想を求めるなんて…とスタジオの隅で見ていた社は思うのだが、やはりそこは敦賀蓮。
空腹中枢は壊れていても、味覚中枢は健全だと信じたい。

「どうですか?腰砕けな感じ、してきました?」
女性アシスタントが頬を上気させ、いささか興奮気味にコメントを求める。
「さすがに、それはないですよ(にっこり)。口当たりが良くて、大人向けという感じがしますね。」

敦賀蓮らしい(?)無難なコメントを残し、今日の収録を終了した。




「敦賀君、お疲れ様。」
「お疲れ様でした。」

今日のメインキャスターが声をかけた。

「かばぷりん、どうだった? あれ、俺も食べたんだけど、うまいよねえ」
「そうですね。美味しかったです。」
「スポンサーからの差し入れで、いくつか楽屋においてあると思うからさ、マネージャーさんも一緒に持って帰ってね。」
「はい、「ありがとうございます。」」

二人で挨拶して楽屋に戻ると、入り口付近には保冷剤つきの“かばぷりん”が置いてあった。

「お♪ これが噂のかばぷりんか~。蓮、本当に美味しかった?」
「ええ、美味しかったですよ。何ですか、その本当にって。」
「いや、あまりに無難なコメント過ぎて、ちょっと半信半疑で…」
「信用ないですね。嘘はついていませんよ。社さん、コレ持ち帰りますか?」
「良いのか?」
「ええ、どうぞ。」
「でもなあ、二個あるぞ。キョーコちゃん、今日もお前のところに寄るんだったら、持って帰る?」

無邪気に社が聞いてくるが、蓮には若干素直に喜べない理由があった。

「…いえ、俺はもう食べちゃいましたし、社さんどうぞ。」
「そうか?う~ん、でも一個で十分なんだよね。どうせなら蓮、お前食べろよ。これカロリー少ないんだろう?昼もロケ弁半分だったし、キョーコちゃんが来るまでのつなぎにどうだ?」

ほいっ と投げてよこす。

「二個目…ですか?」

いやに歯切れが悪い。

「大丈夫、これくらいのデザート、敦賀蓮のボディーには響かないだろ。」
「ハァ…」

(確かに口当たりは良いんだよね。口当たりは…。)

前回のキョーコの姿態を思い出して、少しだけ心が疼く。
隣でほくほくと美味しそうにプリンを食べる社を見ながら、どうしようかと悩みつつ、二個目を食べてしまった。



夕方から別の収録を終え、後一つ雑誌のインタビューが入っていたが、急遽先方の都合で延期となり時間が空いたため、今日の終わりは9時といつもより若干早めに上がることができた。

「早く終わってよかったなあ。今日はキョーコちゃんはいつごろ食事の準備に来てくれるの?」
「さぁ、どうでしょう?」

(ぐふふ・・・どうでしょうなんて、今日はキョーコちゃんも9時上がりだよ。)
社がにんまりと横目で見ていると、蓮の携帯がメールの着信を告げた。

「あれ?キョーコちゃんからじゃない?」

信号待ちの間にいそいそとメールを確認し始めたが、なんだか空気が怪しくなってくる。

「蓮?…キョーコちゃん、何だって?」

ふぅ…とため息をつく蓮を見やるが、どうも闇の国の蓮さんがちょっぴり顔を出したみたいだ。

「収録がはねた後、プロデューサーのお誘いで断れず、打ち上げに行くそうです。」

ぴりりと眉間に力が入り、いささか不機嫌な様子で車を発進させる。

「えぇっ?あのプロデューサーって…(はっ!しまっ…)」

すうっと凍る空気。社が口に出しかけた噂を蓮も知っていたらしい。

「…そうですね。危機管理が甘いですね。ただ、他の出演者も一緒だそうなので、付き合いもあるでしょうから、頃合を見て連絡とってみますよ。」
「ウン。そうだな。それが良いよ。」

(やばい、やばい。ほんっとこいつの機嫌はキョーコちゃん次第だな。あぶないやつ。キョーコちゃん、早めに帰るんだよ~)…と、社は心の中で呟きつつ、気まずい空気に出来るだけ触れない様にして帰路に着いた。



(どうしよう。敦賀さん、まだお仕事中よね。今日は遅くなるって社さんが言ってらしたけど、メールしとけば大丈夫よね。)
一抹の不安が残る。
付き合い始めてからというもの、スケジュールが許す限りキョーコは蓮と一緒に食事をとるようにしていた。
今日もきっと一人でいると食べないだろうなと思いつつ、メールの着信がないので、キョーコは蓮が仕事中だと確信し、そのまま打ち上げに出ることにしたのだが、打ち上げが始まってしばらくして、女の子たちと一緒に楽しくおしゃべりをしていたところへキョーコの携帯に着信が入った。

“すぐに帰ってきて”

いつもとは違う、そっけない内容すぎる。

(アレ?仕事、終ワッテラッシャル?)

携帯のメールにさえぴょこっと反応するブラックアンテナ、怨キョ。ビミョーに文面から怒りの波動がクツクツと…。
キョーコは引き止めるプロデューサーへの挨拶もそこそこに済ませると、急いでマンションへ向かった。




超高級マンションの最上階にあるトレーニングルームで蓮は自分の苛立ちをもてあましていた。
キョーコから届いたメール。
“プロデューサーから出演者全員が打ち上げに誘われました。もしかすると、今日はお邪魔できないかもしれません”
と、それだけでイライラしてしまう。
車の中で返信はしなかったけれど、帰宅してすぐにぶっきらぼうな内容を送ってしまった。
付き合ってはいても、キョーコには帰る家もあるし自分だけの時間も必要だと思っている。
なのに、キョーコをいつも束縛したくてたまらない自分がいて、蓮の独占欲は膨らむばかりだ。
最近キョーコは女優としての地位も確立しつつあるため、多少女癖が悪いと噂のプロデューサーであっても、天下のLMEが売り出し中のキョーコへの仕事を請けるくらいだ。当然腕もセンスもよく、上手に付き合えば必ずキョーコのプラスにはなる筈だった。

(俺、余裕ないな…。)

トレーニングを終え、水分補給しようと部屋を出たところでロック解除の電子音とともに玄関のドアがカチャリと開いた。



玄関のドアを開けてすぐ、蓮の姿を見かけたキョーコはドキッとした。

首からタオルをかけ、スウェットをはいただけで上半身をさらす芸能界一抱かれたい男“敦賀蓮”
均整の取れたプロポーション、盛り上がる胸筋、美しく割れた腹直筋と腹斜筋が眩しい。
トレーニング直後なのか、その少し汗ばんだ肌に男の色気が匂い漂う姿を正視できない。
逸る鼓動を抑えつつ、キョーコは平静を装った。

「…ただいま戻りました。敦賀さん、お食事は召し上がりました?」

いつもと同じ、礼儀正しいキョーコの挨拶。
付き合ってからもソレは変わらない。
なのに、今日はやけに癇に障る。
眉間をうっすらと寄せて冷蔵庫へと向かった。

「敦賀さん…?」

“お帰り”の声もかけられないのは初めてだった。
自分の前を通り過ぎて、ミネラルウォーターを冷蔵庫から取り出す。
かろうじて怨キョは発動していないのだが、醸し出す雰囲気がいつもの蓮ではない。
なんとなく、カインの雰囲気に似ている気がする…。
(どうしたのかしら…いつもと少し違う)

戸惑うキョーコの様子にジリジリした心の奥を隠しながら、ミネラルウォーターをゴクリと飲んでキョーコをちらりと見る。

「キョーコは食事はとったの?」
「あっ。いえ、はい…。」
「どっち?」
「…いえ、まだですが、少しつまみましたので、あのっ、すぐに準備しますね。」

あわてて吊戸棚に手を伸ばすと、背後に蓮の気配がした。
後頭部に感じる蓮の胸板。上げた手に沿う様に伸ばされた逞しい蓮の腕。
服を着ていないせいかトレーニング後のせいなのか、匂いたつような体温を肩越しに感じて、心臓がドッドッドッと早鐘のように打ち始めた。

「そう。…俺は要らないけど?」

取っ手に届きそうで届かないキョーコの右手を握ると、耳元で囁く。いつの間にか左手はキョーコの腰元にするりと回されて、背中に蓮の素肌が密着している。
(うひゃぁぁぁ~~。帰っていきなりこれえぇ~~~???)

「キョーコ、何ですぐに帰ってこなかったの?」
「は…はひ。すみません。その、メールでお知らせしたとおり…。」
「無防備すぎるでしょ?ただでさえ、あのプロデューサーは女の子にすぐ手を出すって有名なんだから。」
「でも、皆さんも一緒だったので…その…」
「うん。分かってる。分かってるけど、俺の気持ちも分かって?」
(ぎゃー!!ナニ?何プレイですか?心臓持ちませんけど!!!)

すっぽりと後ろから両腕に包まれて、いい匂いと体温と囁く声とその内容でキョーコは頭が沸騰しそうだ。
「は…い。すみません…。」


蓮の鼻先がキョーコの髪にうずまる。

(タバコのにおい…)
ふっとまた、ジリジリした気持ちがこみ上げる。

「……キョーコ、一緒にお風呂に入ろう。洗ってあげる。」
「ふぐっ!(ぼひゅん///)」
(ちょぉっとーー!!どうしちゃったのよぉ~~)

「つ…敦賀さん、どうしたんですか?何かありました?」
「…呼び方、違うでしょ。」
「(!)…はわ。れ、蓮さん、何かありましたか?」
「んーん。何もない。キョーコとお風呂に入りたいだけ。」

妬いてみたり、拗ねてみたり、甘えてみたり…これはコレでかわいいが、キョーコには蓮が不機嫌なんだか、機嫌がいいのか今日に限ってはまったく判別がつかない。さっきのカインとも違うみたいでキョーコの心臓が忙しい。ただただ、いつもと違う蓮に戸惑いが隠せなかった。
“あー”とか、“うー”とか言いながらもじしているキョーコの返事を待たずに、蓮はキョーコを抱き上げてバスルームへ向かった。





(後編に続く)



あら?長くなってしまいましたので二つに分けます。
次は、限定です。
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