She is mine !(後編)

5000拍手記念リクエスト 第1弾 

魔人さまリクエスト【リク罠184】です。

皆様、彼…もう、お分かりですね?

続きもどうぞお楽しみください


(2016/12/20 一部修正)








She is mine! (後編)




“コンコン”
「最上さん、いる?」
「あ、敦賀さん、おはようございます!」

ドアを開けた先はラブミー部の部室。
ふわりと蓮に笑顔が戻る…が、一瞬でその背中が、見るも無残に気落ちするのが分かるようになってしまった。

「今日もいるんだね…」
「はい!パートナーですから!」

にっこりと微笑む彼女の足元には、マキシムが端整に伏せ、膝の上にはシーザーが鎮座する。
キョーコはシーザーの白く美しい毛並みを撫で、時にマキシムの長い鼻先を撫でる。

「最上さん、いつも膝の上に抱いていたら、疲れるだろう?代わろうか?」

手を差し出すと、シーザーはふんふんと蓮の匂いを嗅いで、そのままふいっと顔を背けた。

「ごめんなさい。どうも飼い主のママさんと私以外は、抱っこされたくないみたいで…時々はスタッフさんでも大丈夫なんですけど…」
「そうなの…」
「はい。すみません」
「いや、大丈夫。ところで、仕事中はこの二匹はどうしてるの?」
「あ、スタジオの隅にいます。シーザーはケージに入れて。二人ともとってもいい子なんですよ?」

そう言って二匹を撫でると、満足そうにしている。

…そう…動物二匹との共同生活が始まってから、約10日。蓮のキョーコ欠乏症はピークに達している。夕飯のお願いが出来ないどころか、こうやって部室に訪れても必ず二人の間には、マキシムがいて、シーザーがいる。

先日、LMEで偶然この番組を見たが、入浴・頬ずり・グルーミング、添い寝に顔ペロ・身体ペロ…。顔で笑っていながら、手にしたグラスを割りやしないかと、社がひやひやするほど、手に力が入っているのが見て取れた。

そんな状況を打破しようと、珍しくヘタレを返上しかけた蓮のチャレンジも虚しく空ぶった…。

いつもの車内近距離タイムが得られるどころか、送迎タイムも一切なし。
収録終わりの一人の隙間に…と思って颯爽と大きなストライドで近寄れば、寸前にするり…とマキシムが間に割って入り、その大きな身体を巧みに使って、ケージの中のシーザーへとキョーコを誘導する…。
それでも構うものか!と意を決して話題を触れば、シーザーがやたらと鳴き始めて、あれやこれやとキョーコの世話を強請る。


「キョーコちゃん…大変だね」
「いえ!大変なんて、とんでもない!毎日が楽しくて仕方ないんです。ね?シーザー」

ニコニコとシーザーを持ち上げて、顔にすりすりとやり始める。
頬ずりされるシーザーの顔が、猫のくせにまんざらでもないように見えて、これまた恐ろしい…。
担当俳優のご機嫌が気になって、社は隣を見た。

(……チラリ…)

「何ですか?」
「…何でもない…」

最近は蓮の高性能キョーコちゃんレーダーがやたら滅多ら高性能さを発揮し、ビビッと瞬時に部室の様子を察知。社がスケジュール確認しなくても、部室の前を通るだけで寄るか寄らないかを決めると、恐ろしい事に、在室率は100%。

…なのに、あえなく撃沈。

きっと今日だって相当なダメージだろうに、そんな感情の破片を微塵も出すまいと、ニコニコと笑いながら、涙ぐましくもキョーコの隣に腰掛けようとパイプ椅子を引いた。

“のしっ…”

「あら?どうしたの?マキシム…疲れた?」

その時、蓮が引いた椅子に“お手”の姿勢で座面を押さえるマキシム君…。
ついでに長い顔まで置いたもんだから、それ以上はいくらなんでも椅子を動かしようがない。

「…そうか…椅子、使うの…」

蓮はそう呟くと、反対側の椅子に回った。

“ふみっ…”

まさに椅子を引こうとした瞬間、さっきまで膝に乗っていたシーザーが、その椅子に移動するべく手を置いた。

「………」

「あら、シーザー、椅子の上に移動してくれるの」

仕方なく蓮は、キョーコの向かいのパイプ椅子を引いた。

“ぱたっ…”

座面に置かれたのは、身体の長いマキシムの尻尾。パタパタと座面の上を長い尻尾で打ち付ける。

「………………」

仕方なく、蓮は斜め向かいのパイプ椅子に腰掛ける事になった。

(ぶふっ…いつもは、隣をキープできるのに…!ぶ…)


「………社さん?(ニコリ)」

(ひぇっ…すすす…すみません!!怖ぇ~~~)

「あ、敦賀さん、丁度良かった。お茶入れますね?」

膝からシーザーが降りた事で、自由になったキョーコは、伸びをしていそいそとお茶の準備を始める。

「キョーコちゃん、手伝うよ!」

社が近付いて、こっそり耳打ちをした。

「(キョーコちゃん…やっぱり、ロケの間は食事のお願いは…無理かなあ?)」
「(う~ん…お弁当…って言っても、カメラさんが入るので、無理かもしれません。)」

なにやらポットの前でコソコソと内緒話をしているうちに、蓮が痺れを切らしたのか「最上さん、手伝うよ…」と席を立とうとした瞬間…

“するり…”と、マキシムが突然立ってキョーコの後ろに纏わりつき、シーザーはいきなり蓮の膝に飛び移った。

(ぶっ…!ぶふっ…こいつら!分かってる!絶対分かってやってる!俺がキョーコちゃんに近づいても動きもしないくせに、蓮がキョーコちゃんに近づこうとしてると…邪魔してる!)



「…………………………」

「あ!シーザーが敦賀さんのお膝に乗ってますね。珍しい!」

それを無邪気に喜ぶキョーコちゃん…何気にえぐるよね…君。

キョーコちゃんが蓮にお茶を出そうとしても、くるり…くるり…と纏わりつくマキシム。

「もう…マキシム!敦賀さんにお茶が出せないでしょ?」
「あ…キョーコちゃん、俺が出す…」
「すみません、社さん…」

「…………………………………」


そんな蓮の様子を見て、マキシムはにたっ…と笑ったかと思うと、ぐぅん!と前足を上げ、キョーコの肩に手をやった。その犬の身長たるや蓮の背丈に匹敵するほどで、とにかくでかい。そんなマキシムがキョーコの顔をこれでもかとばかりにベロンベロン舐めて、愛情を精一杯に表現する。

「ちょっ…マキシム!家じゃないんだからやめて。もう…!」

「……………………………………………」


「みゃぁ…」
やがて、何かをお強請りするように鳴き始めたシーザーは、蓮の膝を降りて、キョーコの元へ向かう。そして、キョーコに抱っこしてもらい、これまた顔を舐め始める。



「……………………」

「…………………………」


無言を決め込んでいた蓮が、あごに手をやったままボソッ…と呟いた。



「………………………………………………………sit…」



突然響いた恐怖の低音ヴォイスに、マキシムがびっくっと反応した。

最も恐れ戦く、恐怖の瞬間がやってくる…
ひぃっ…!っと社もキョーコも縮み上がり、その空気は二匹のチャレンジャーにも伝播する。


蓮は仄暗い空気を纏わせて、ゆらり…と立ち上がる


「Sit」
その厳しい声に、マキシムは垂れ気味に後ろに反り返った耳の根元を精一杯上げて、姿勢を正す。

「Lie down」
慌てたように、ピシャッと伏せ…

「Stay!」
首筋をピンと伸ばし、まるで冷や汗をかくほどに動かなくなった


そしてもう一匹は…
すうっっと伸ばされた右手に、キョーコと同じく“ひぃぃぃぃ~”って顔をして、毛を逆立てる。

蓮はシーザーの首元をむんずと掴むと、部室の隅においてあるケージにぽいっと放り込んだ。


「……She is mine………OK?」



手をはたきながら、怒りを孕んだその言葉に、二匹がコクコクと頷いたかどうかは知らない…。
だが、はっきりと告げたあまりに流暢な英語は、勿論、社のみならずキョーコにも聞こえたわけで…

真っ赤になったキョーコを横目に、カニ歩きでそそくさと部室を壁伝いに出て行く社。
だからその後、二人と二匹がどうなったのかを社は知らない。
だが、禍々しいほどの独占欲をその場で垂れ流した事には変わりない。




“キョーコ…であった瞬間にビビッと来た。お前にこれほど惹かれるのは、何故なんだろう…?”


…数ヵ月後…優秀な血統書つきのお猫様、シーザーが胤付けた白い子猫にアレクサンダーと名がつくことなど…まだ誰も知らない…。



(ちゃんちゃん!)




・・・デジャブ?

魔人さま~いかがでしたでしょうか?
まさかの強引持ち込み!楽しんでいただけましたでしょうか?

このあと、
アレックスと俺。→ 俺様とその男。→ 大きい猫と私。
と進んでいきます。
もしよろしければ、こちらもご覧くださいませ。





関連記事
スポンサーサイト
コメント

完結おめでとうございます!

うふふ、マキシムとシーザーはやりすぎちゃいましたね。

天然甘えっ子レベルなら、まだ蓮さんは涙ながら(?)に耐えてくれたんでしょうけど・・・「羨ましいだろ〜、俺たちのキョーコちゃんだぜ」と煽っちゃまずいですよねー。

結果、大魔王降臨でキョコさん独占されちゃいましたねー。( ̄ー+ ̄)フッ

キョコさんを独占した蓮さんが、しっかり告白できたかどうかは謎ですが、抱きしめたり頬ずりしたりは確実にしてそうですね。(*´∇`*)ハハハ

未来のライバル白い子猫アレクサンダー登場までの短い王座・・・・にならぬように、しっかりキョコさんを口説き落とせていると良いのですが。(笑)

今回も楽しいお話をありがとうございました!
またのドボンをお待ちしてます!

Re: 完結おめでとうございます!

> まじーんさま

実は、始めに降りてきたのは、まさにアレックスのリベンジお話だったんです。
パワーUPしたアレックスが、更にバチバチやる感じで。
けれど、うぬ?時系列が・・・と思い直して、シーザー君登場。
アレックスパパという設定に。

結果、あんなにアレックスに腹を立てる蓮さんは、ここに原点があったのね~。と思っていただけると、嬉しいな。

今回も、素敵な罠を張ってくださって、ありがとうございました。

はなぢ 出る

おおぅっっ(* ̄∇ ̄*)!!
かっこええ!めちゃかっこええで、蓮さん!!好きや、わて、めっちゃ好きや、この蓮さん( ̄□ ̄;)!!
ネイティブイングリッシュ〰〰!!

……sit…

She is mine.OK?

出た!きた!たまらん、私の乙女心臓鷲掴みや!惚れ直した!文句ナシの、「私の好きな蓮さん」や〰(//∇//)

ごちそうさま〰
ごちそうさま〰
ごちそうさま〰ヾ(///∇///)

Re: はなぢ 出る

> ぽてとたべたい&ぽてとあげたい 様

お召し上がりくださり、ありがと-
鷲掴みにしちゃった?
くふ、嬉しいな。

静かに怒る蓮さん、大好きなのね。
楽しんでいただけて何よりです。
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する