看病してもいいですか?(前編)

5000拍手記念リクエスト 第5弾!

saku様リクエスト  
熱出したキョーコさんを蓮さんが看病!的なもの。

さて、こんな感じになりましたがいかがでしょう?

9/16修正





某月某日
現在時刻は午前1時30分

蓮は仕事の終わりにLMEに寄り、ふとラブミー部室の明かりに気がついた。

(あれ…まだ電気がついている。誰かいるのか?)

この時間帯ならばいつもはもう通らないはずの場所。なのに、今日に限って部室前を通りたくなった。
扉についている明り取りの小窓は、煌々と光っていて、まさかと思う気持ちは止められない。

「社さん…ちょっと、部室に寄っていいですか?」
「ん?何か忘れ物か?」
「いえ、明かりがついているので気になって」
「え?あ、ホントだ。消し忘れかな、珍しい。」

そう言って、ラブミー部の部室をノックした。
勿論、返事などあるわけない。
ドアを開くと、目に入ったのは…

 「最上さん!?」「キョーコちゃん!!」

 …ロッカーの前で倒れているキョーコの姿だった。



 看病してもいいですか?(前編)



キョーコを担ぎ上げ、すぐさま事務所懇意の救急病院に搬送する手はずを整えた。抱き上げたキョーコの体は熱く、グッタリして息も荒い。

「原因は不明です。血液検査の結果から感染症ではなさそうですし、おそらく過労によるものでしょう。消化が良くて、栄養がある物を食べさせて、ゆっくり休ませてあげてください。」

どうして、夕方に会ったときに彼女の様子に気がつかなかったのだろう。あの時も、調子が悪かった筈だ。それなのに、見過ごした。
点滴を受ける青白いキョーコの頬を撫でながら、ホッと息を吐いた。

こんな時、社さんの有能振りには頭が下がる。どうしようと考える隙も与えず、病院の手配から搬送時間の通知、社長への連絡とだるまやへの連絡まで、蓮の気付かぬ間に段取りを終える。

「蓮、病院に確認したら今日はベッドが空いていないそうなんだ。とりあえず緊急入院の必要はないから、自宅で安静にしてゆっくり休ませてやってくれと言う事だ。」
「そうですか…」
「…で、どうしよう?だるまや…には連れて帰らないほうがいいかもな。この状態だとかえって心配をかける。」
「そうですね。他に…というのも心配ですし、俺が連れて帰ります。」
「それが一番いい気がする。…けど、別の心配もあるんだけど…」

さっきまでの有能ぶりはどこへやら?急に不安そうに呟く社さん。

「?」
「だってさ…仮にもほら、お前、キョーコちゃんだしさ。その、着替えとか何とか心配だしさ。それにお前、お粥とかって作れないだろう?」
「着替えは最上さんのストックがありますし、お粥…そんなに難しいものではありませんよね?」
「や…まあ、そうだけど…」
「まだ何か?」
「う~…」
「じゃあ他にどこに泊めたらいいんですか?俺が連れて帰りますよ。ちゃんと看病できますから、ご心配なく。」
「分かった。信用する。」
「何ですか?その信用って…」

この非常時に何を言っているんだと、半ばイライラしながら、蓮は点滴が終わってもまだ目覚めないキョーコを抱き上げ、車に乗せた。



点滴が効いてきたのか、呼吸が少し穏やかに感じられる。
わずかに安堵するも、まだまだ熱は高いままだ。
蓮はゲストルームではなく、自分のベッドにキョーコを横たえた。

一ヶ月ほど前に付き合い始めた二人。長年の片思いを経て、ようやくOKを貰った。

キスはした。ハグもようやくキョーコが固まる事が減ってきた…が、実はいまだにキス止まり。
しっかり確実に段取りを踏んで、キョーコを怖がらせないように、キョーコに嫌われないようにと努力している真っ最中。
少しずつ彼女との間合いをつめて、三日前にも夕食を一緒に食べて、キョーコを泊めたばかりだ。
自分の家に彼女の物が当たり前のように増えていくのは嬉しいもので、ゲストルームは既にキョーコ専用になっている。

だが、そんな自分を社が心配するのも無理はなく、キョーコにばれないようにはしているが、相当煮詰まっているのは確かだ。

かといって、調子の悪いキョーコをどうにかしようと思うほど鬼畜ではない。
そして、容態を心配するならば、自分の隣に寝かせておいたほうが安心に決まっている。

薄らと眼を開けたキョーコが、小さい声で告げた。

「すみません…ご迷惑をおかけして…」

こんな状態で、謝る君。
きっと小さい頃からこうやって遠慮してたんだ…もっと甘えたらいい。

「大丈夫。心配しないで?最上さんはゆっくり休んでいいから。大丈夫だよ。」
「…はい…」

か細い声でそう呟くと、また目を閉じる。
汗ばんだその額に無意識に口付けた。

まだ熱は高い。

以前彼女が買ってきてくれた氷嚢を取り出し、氷を準備する。
氷だけ入れたらいいのか、水も入れるべきなのか…とりあえず、水も少し入れてみた。
折りたたんだタオルの上にセットする。

しばらくすると、キョーコが身じろぎを始めた。

「寒い…寒いです…」

これは…額を冷やしたから寒いのか…?
熱が上がるときには寒気がするのは体験済みだ。
けれど、再び上がりかけた熱をどうにか下げなければ…

(頭を冷やしながら、体を温める…?)

蓮は、キョーコの隣に滑り込み、キョーコの熱い体を抱きしめた。

「大丈夫…すぐに温かくなるよ」

震える熱い体を抱きしめ、背中をゆっくり撫でた。


ふと気がつくと、蓮もしばらく眠っていたらしい。
腕の中のキョーコの呼吸は、ようやく落ち着きを取り戻した。
…けれど、問題はこの汗。
自分はシャワーを浴びればいいが、キョーコの着替えは…今更ながら、社さんに大見得を切った手前、きちんと看病するつもりだが、悩まないわけではない。

蓮は理性を総動員してゲストルームに向かった。けれど、流石にキョーコの下着を漁るのは気が引ける。
罪悪感いっぱいで寝室に戻り、結局自分のTシャツを引っ張り出した。

蒸しタオルを準備し、いざ彼女を脱がそうとするとやたらと緊張した。
出来るだけ目に入らないように衣服を脱がせるが、ボタン一つ外す事さえも、今まで経験してきた情事を鮮烈に思い出し、自分でも呆れた。
汗で張り付いた下着を取り払うと、目に見えるのは柔らかい肌。

(ゴクリ…)

待て、待て、俺は鬼畜じゃない筈だろう?煩悩退散、理性よ戻って来い。
とわけの分からない呪文を口にしながら、ようやく体をさっと拭き、Tシャツをかぶせた。
脱がせた服は絞れるんじゃないかと思うほどに濡れていた。

(これ…水分補給が必要だよな)

少し体に掛けるブランケットを薄くして、洗面器の水替えと同時に、スポーツドリンクと水を持ってきた。

「最上さん、水、飲める?スポーツドリンクがいい?」
「…ん……お水…下さい」

返事があるような、ないような状態。辛うじて聞き取れる声を拾った。

上半身を起こしても、まだ意識がはっきりしないようだ。これだと着替えた服に溢してしまいそうで、蓮は水を口に含んだ。

---コクン…。

口移しで水分を与え、キョーコの喉をそれが通っていく。
ドサクサに紛れて口付けるなんて、紳士の風上にも置けない。
勿論そのまま舌を入れて彼女を味わいたいのは山々で、せめてそれをしなかったのは、何とか理性が働いているからだと己を信じたい。

何度か口移しで水分補給をすませ、ようやく蓮もまた、再び浅い眠りについた



(後編に続く)

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