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看病してもいいですか?(後編)

sakuさまリクエスト。
さて、発熱キョコさんを家に連れて帰ってきた蓮さん、良く我慢しましたね。

この先、間違いが起きませんように・・・。
(ソッチの間違いは起きないから!期待しちゃいやん!(*ノェノ))






看病してもいいですか?(後編)




翌朝、蓮の目が覚めると、隣に眠るキョーコの寝息は穏やかなものに変わっていた。

(ああ、これが普通の朝だったらどんなにいいか…)

邪な願望を胸に体を起こし、そっとキョーコのおでこに手をやる。

(良かった、下がってる)

昨晩はあまりの熱にどうしようかと焦ったが、平熱近くまで下がったようだ。
じっと閉じられた長い睫毛を見る。
細い体で随分と無理をしたのだろう。
毎日の仕事に、蓮の食事の世話もこまめにしてくれていた。いつも、笑顔の裏でどんなに頑張っていたのだろうと思うと、愛おしさが込み上げて仕方がない。

整った呼吸に安心した蓮は医師の言葉を思い出し、キョーコにブランケットを掛けなおして、キッチンへと向かった。

「えと…栄養がつく消化のよいもの…」

やはり、社さんの言うようにお粥がいいのだろうか?
インターネットで作り方を検索すると意外に簡単。これなら出来そうだが、栄養…となると、急に不安になる。だって、炭水化物だけだろう?と思い、同じようにページをめくると…
…見つけた。おじやのレシピ。

これなら食べた記憶もあるし、卵が入っている。それにお米から焚かなくても、キョーコの用意してくれた冷凍御飯が使えると、蓮は早速準備に取り掛かった。

「御飯、卵…でも、これだとたんぱく質と御飯だけになっちゃうな。栄養、栄養…にんにく?ビタミンもいるよね。野菜…あ!あれがあった。」

蓮が冷凍庫から取り出したのは、まずは御飯。次いでホットミルクを注げばあっという間にグリーンスムージーになるという、キョーコお手製の冷凍スムージーの元。
他には、卵とにんにくを取り出した。

今回ばかりはレシピにそってちゃんと水をはかり、冷凍御飯を入れる。…が、スムージー入りのおじやのレシピなんてどこにもあるわけはなく、当然そこから先は創作料理だ。

「出汁…コンソメでいいかな?にんにくを一片、いや二片か。スムージーの元も入れて、卵は後でいいよね。」

なにやら怪しい手つきで、なべに材料を投入する。
包丁は勿論いらない。放り込むだけ。

だが、煮るにしたがって、異様なにおいを発し始めるそれ…

どうしよう…と不安になったところで、かすれた声が聞こえた。



「敦賀さん…何を…されているんですか?」

「もっ…最上さん、起きたの?寝てなくて大丈夫?」

そこに現れたキョーコは、蓮の大きなTシャツに身を包み、裾から綺麗な足を伸ばしている。

「おはようございます。すみませんこんな格好で…あの、まだふらふらするんですけど、とりあえず、(おトイレ…///)そうしたら異様な匂いがして、来て見ました。」

「ごめん、消化が良くて栄養のあるものと言われて、おじやを作ろうと思って」

「私に…ですか?」

「…そう、君に…です。」

しどろもどろの俺に、キョーコは頬を染めて近づいてきた。

(近い、近い!そんなしどけない格好で近寄られたら、朝から爆発するじゃないか!?)
すすすっと近くに寄ると、キョーコはなべを覗き込んだ。

「ありがとうございます。味見をさせてくださいますか?」

「…!ッ…どうぞ…」

味見用のスプーンに少量すくって差し出すと、キョーコはフーフーっと息を吹きかけて、蓮の持ったスプーンを口に入れた。

「…ごめん…美味しくない…よね?」

「美味しいです。」

「いや、だってこれ、本当に変なにおいがするから作り直すよ。ごめん、しんどいのに味見させて」

「いえ、とっても美味しいです。敦賀さんが私のために作ってくださったんです。美味しくない訳ないでしょう?」

にこり、と柔らかい顔で微笑んでくれるキョーコ。まだ熱があるのだろうかと勘違いしてしまいそうなほど、その表情はいつもより頼りなくて、可愛い。

「……以前、私が敦賀さんに作った、一杯で何倍も美味しいスタミナドリンクよりも、ずっと美味しいですよ?」

まだ気だるさの残る潤んだ瞳で見つめられれば、そこでもう理性の紐なんてプチっと切れて、紳士の仮面もカパッとはずれてしまう。
蓮は、思わずキョーコを抱きしめた。

「敦賀さん…?」

「ごめん、最上さん…俺、役に立たないみたいだ。ろくに看病できずに、本当にごめん。」

「そんな事…氷嚢、敦賀さんでしょう?それに、着替えも…(///)昨日寒かったときに、暖かくして下さったのも分かりました。ごめんなさい、迷惑をかけて。」

「迷惑なんかじゃない。君を、君の側で看病したかったんだ。」

キョーコの顔がみるみる赤く火照っていく。
まるでまた熱がぶり返したみたいだ。

「…ありがとうございます。敦賀さんのおかげで熱も下がりました。」

やがて、俯いたキョーコの両の手がゆっくりと、躊躇うように蓮の背中に回された。
きゅっ…と服を掴む手が、愛おしい。

「でも、敦賀さん、敦賀さんも召し上がるなら、少しだけ美味しくしませんか?」

「そんな事、出来るの?」

「はい、出来ます。」

「でも、君はゆっくり…」

キョーコは見上げてにこっと笑った。

「座って見てますから、言うとおりにしてくださいますか?」

蓮はキョーコのいうとおり、新たな食材を準備した。
トマトケチャップ、数種類のチーズと豆乳…

それをちゃんと軽量スプーンで量って入れる。
卵を割りいれ、仕上げに粗挽きの黒胡椒を振りかけた。





「美味しい…これ、なんで、いきなりリゾットになったの?」

「だって、コンソメもにんにくも入ってたでしょう?アレンジは簡単ですよ。でも、使ったのがグリーンスムージーの元でよかったです。もしフルーツスムージーの元をお使いなら、修正は効きませんでした。ん!美味しい。」

パジャマに着替えを済ませたキョーコが、美味しそうにリゾットを頬張る。


そこへ来客を告げるチャイムが鳴った。
出迎えると、当然社さん。

「おはよう、蓮。キョーコちゃんは…」

言いかけて、目を擦る。

「おまっ…まさか、病身のキョーコちゃんに御飯を作らせたのか?」

「違いますよ、人聞きの悪い。そりゃアドバイスは貰いましたけど、ちゃんと自分で作りました。」

「はい、私は見てただけです。社さんにもご心配をおかけしました。」

「そうか~熱下がったんだ、ホッとした。今日はもう休むようにキョーコちゃんのスケジュール調整はしてあるから、安心して休んでね。」

「ありがとうございます。何から何まで、本当にすみません。」

「うん、大丈夫。元気なのが何よりだから!蓮、お前も午前中はオフにした。ちょっとは寝たのか?」

「ええ、まあ少しは…。」

「それじゃあ、とりあえずキョーコちゃんの様子を見に来ただけだからこれで帰る。後で現地集合な。」

そう言って、部屋を出て行く社さん。その心遣いが有難い。

社さんを見送り、改めてテーブルに戻るとなんだか空気がさっきと違うようで、違和感を覚える。
それを、できるだけ気に留めないように最上さんに声をかけた。

「最上さん、今日はもう少し休んだらいい。まだ疲れが取れきってないと思うから。」

「…はい。」

パッと、目を逸らす最上さんがなんだか不自然だ。

「どうしたの?」

「いえ…その…」

いや、おかしいだろう?明らかにさっきと違うぞ?

「何?困った事?」

じりじりと間合いを詰めると、じりじりと後退する彼女。

「ねえ…本当に、調子は戻ったの?大丈夫?」

「ほッ…本当に大丈夫ですから!」

顔を赤らめて、目線が合わない。

「まさか…また熱がでてきた?」

不安に駆られて彼女の前髪を上げ、おでこに自分の額をあてると、ぼひゅっ!と凄い勢いで赤面する。

(え…何?この夢のような反応…さっきまではなかったぞ?)

まさか、まさか、もしかして、どうして…昨日のアレ…気がついていたとか?今更、思い出したとか…?
むくむくと湧き上がる嗜虐心をどうにか押さえ込んで、蓮はキョーコの頭に手をやった。

「あの…本当に、何でもないです。その…看病してくださって、あり…あり…」

「…ん?大丈夫。最上さんが元気になる事が、俺にとっては一番大事だから。」

「~~~!!!おやすみなさいっ!!」

真っ直ぐにゲストルームに駆け込んだ彼女。
もしかしたら、これを切欠に少しずつ関係性が変わっていくのかもしれない…と、淡い期待を隠せなかった。





(おしまい)


でも、おまけ

キョーコ談:「だって、敦賀さんがあんまり寝てないって…看病してくださってたなんて…。一緒のベッドに寝てた事も恥ずかしいのに、あの水分補給を敦賀さんがしてくださったんだと思うと、急に恥ずかしくなって…おまけに着替えまで!!ししし…しかも社さんにまでしっかりばれちゃってるし、もう、どうしていいか、どんな顔していいか、急に分からなくなっちゃったの~~~!!!」

…だそうですよ?意識してもらえてよかったね。蓮さん。
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Comment

にゅふふー(〃艸〃)♡
可愛いなぁー(〃艸〃)♡
付き合いたての看病もイイもんですねぇ♪

ところで、、、
これって蓮サンに移りますよね?風邪(笑)
てことは、続編はキョコたんが看病?
看病してもらってもいいですか?とかで(*´艸`)
蓮サン脱がせるのにワタワタとか(//∇//)
本誌のときは蓮サン自分で着替えたけど、今度は、、ね?(///ω///)んふー♪←何気にリク増やしてるww
Re: にゅふふー(〃艸〃)♡
> popipiさま

ホントだ!何気にリク、増えてる~(//∇//)

確かに、付き合いはじめで看病するキョコさん、メッチャ可愛いかも。
おや?既に脳内妄想開始中?

風邪じゃなく、疲労かも…と思ったけど、やっぱり風邪だよね。
今、コメ返してる間にも、ぶばばばば~って絶賛妄想中
ちょこっと?しばし?お待ちください。

  • 2016-09-18│08:31 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]
むふふ
蓮さんの創作強烈料理・・・・キョコさんが修正できるもので何よりでした。

しかし蓮さん、途中・・・だいぶ危険でしたね。笑
関係前に、承諾なしでセクハラする鬼畜にならずに済んで何よりでした。

ヾ(๑╹▽╹)ノ"
  • 2016-09-20│15:34 |
  • まじーん URL│
  • [edit]
Re: むふふ
> まじーんさま

ふふふ・・・理性のなせる技ですわよ!
「紳士!敦賀蓮」ですからー。(くふ)

ですが、きっとキョコさんが回復なさってからは密かに煩悩処理に悩んだのではなかろうかと推察するかばぷーです。
ああ、不憫だわ、不憫だわ。
  • 2016-09-20│20:25 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]

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