20XX 2

第6弾 2話です。





20XX 2




「社さん、そろそろ良いでしょう」

蓮が不意に話を切り上げた。

「ああ、すまん。ちょっと喋りすぎたな。」

「ちょっと…なんで、組長が敬語なのよ?」
「我々にとってはいつものことだが、何かおかしいのか?」
「だって…組長が執事にさん付けって…へんじゃないの」
「そう…?意識したことなかったな。」

「京、口を慎みなさい。組長の前だよ。」

社はぴしゃりと京を制した。

「何でさっきから、私に命令口調なんだ?偉そうに組長、組長って!私はまだ、ここに就職すると決めたわけじゃない。」
「それは君の解釈が間違っている。君が決めるのではなく、決定権はこちらにあるんだよ。それにね最上君、既にもう決まったの。君の借金は九竜組、いや蓮様名義で立て替えて返済完了。さっきもう処理が済んじゃった。だから、うちの組所属は既に決定。もう、君はうちの雇った人間になったの。」
「はぁっ!?何で急にそれ…返済済み!??」
「よって、君は蓮様を組長と呼ぶ必要があるし、俺の指示に従ってもらう。」

「じゃあ、どうしてそれがあいつじゃなくて私なのかを説明してくれ。」
「簡単だよ。君が蓮様…いや、うちの組長のボディガードをする上で適任だから。」
「だから何でッ…」

「分からない…?」

静かに低い声で蓮が言う。

(くそっ…どうしていちいちこの男の声は、耳に響くんだ?)
頭を殴られるみたいで、がんがんする。そんな事を意識せざるを得ない響きが、キョーコの神経を逆なでする。

「採用の理由はただ一つ…君が男を演じる事ができる女だからだ。」

「…っ!!!」
静かに蓮に言われ、キョーコは息を飲んだ。
養成所でも紹介所でも、戸籍は『男』。どこにもばれる筈はなく、女である事を補って余りある身体技能を有し、うまくやってきた。
勿論、男として。

「女であること以上に、その身体能力は評価する。だからこそ…君を採用した。」
「確かに、女であるような容姿をと思ってたら、実際女だったわけだからな。」

何だ!?こいつら舐めてんのか?
イラつき始めた瞬間、耳の奥でパラパラと異様な音を聞いた。その音の危険性を感じ、瞬時にキョーコは身を翻した。

「危ない!!」

ドン!という衝撃音と防弾ガラスに当たる無数の銃弾。
咄嗟に蓮の身を庇い、入り口のおそらく鋼鉄の入った木製ドアに注意を払う。しばらくして、銃撃の音とともに呻き声があがる。

「突破されたようです」
「そのようだな」

「何!?何をのんきな…」
「蓮様は待機を、ここは食い止めます。京、補助を。出来るだけ発砲させるな。」

社の有無を言わさぬ戦闘モードの指示に、キョーコのスイッチが入る。

「了解」

キョーコが指示に頷くと、社は薄らと笑う。

敵の襲撃は一瞬だった。内通者によって入手したのか、ドアの鍵を使って正攻法に入ってきた。相手は三人、まず一人目はキョーコがドアの上部からワイヤーを使って締め上げ、その隙に反動を利用して二人目を蹴り上げる。社は鮮やかに腕関節を外し、銃を取り上げた。

「内通者がいた模様です。ここから移動します。」
「分かった」
「京は組長の側に」
「了解」

相手から奪った銃を肩に持ち、弾数を確認する。

廊下に出て、残りの襲撃がないか確認しながら慎重に外にでた。
多くの組員が、倒れている。
キョーコには誰が敵で誰が見方かは分からない。ただ言える事は蓮に刃と銃口を向けるものを排除するだけだ。

「あまりに襲撃が急すぎる。何があったのか…」

そういうと、社は思い当たる節があった。

「最上君、君の幼馴染…不破君だったっけ?彼が情報漏えい者だね。おそらく彼は向こうの組織の人間だ。危ない危ない…きっと玄関先の情報なんかもさっきいろいろやってたんだろう。」
「そんな事ない!あいつは…」

そう言葉と切ろうとしてやめた。
そう、あいつはそういう卑怯な事を平気でやる人間だ。
どこかで信じさせては平気で裏切れる奴。
小さい頃から、ショータローが大嫌いだった。

「行くぞ」

小さく蓮に言われ、頷くキョーコ。
その後、襲撃者全員を排除確認するまで、そう時間はかからなかった。


襲撃は10人で行われた。
始めの5人は他の組員で処理した。その内熟達した者が3人、連の部屋にたどり着いた。
残りの二人は潜伏していたが、部屋を移動するタイミングを見計らって、襲撃。一人は京に、もう一人は蓮によって仕留められた。
キョーコにとっては不覚だったとしか言いようがない。慣れぬ屋敷の中、社と二人で相手と対戦している間に知らぬ間に背後に忍び寄られ、それを蓮に助けてもらった。
だが、それは言い訳に過ぎない。
その攻撃力たるや、やはりボディーガードなぞ不要なレベル。

鮮やかに侵入者を長い足で蹴り上げたかと思うと、トンッと静かに気を失わせた。

キョーコは悔しさのあまり歯嚙みをした。だが、それ以上踏み込むのはまだキョーコの領域ではない。
後は、組員が襲撃者の身元を割り出すだろう。





「そこにいろ、眠くなった」

ようやくドサクサを終え、社が残務整理に退席したあと、蓮が居室でごろんとベッドに横になる。

「何だ?その仏頂面は」
「…別に…」
「別に、という顔じゃないだろう?」

キョーコは不機嫌な表情で、どかっと椅子に腰掛けた。

「何で私が女だと都合がいいんだ?」

「…その事か…」
「だって、私、戸籍まで男なのに?養成所の皆も俺が男だと信じて疑わない。告って来る女の子だっていたのに、何で…」
「別に?知っていただけさ。見たら分かる」
「どこが?見た目まんま男だとおもうけど?言葉だって、普段は男言葉を使ってる。」

「…そう思うか?」

意味深に蓮に問いかけられ、キョーコは言葉に詰まった。

どこの誰がどう見ても男だというだろう。
確かに細身で男としては小柄だが、女性としては長身のほうだ。しかも残念な事に胸はない。それを更にプロテクターで保護しているのだから、女性らしい膨らみ等皆無なのに…。

「まあいい…女である事は普段は気にするな。いずれそれを役に立ててもらう。」
「役立てる…って意味が分からない。」
「今は気にするな。お前の役目はこれからだ。明日からは、“俺”って言えよ?」
「おい!」
「それと、言葉使い、振舞いは今まで以上に気をつけろ。何しろ、借金返済の必要があるだろう?」
「・・・・・」
「とりあえず寝る…が、どうだ?一緒に寝るか?」

「バッ…!!?寝ないよ!!バカ!」

「馬鹿というな、仮にもお前の雇い主だ。そうだな…組長様、もしくは、蓮と呼べ。」

そういうと、蓮は笑いながら布団にもぐりこんで目を閉じた。



(3に続く)




もしかして…クレパラって、飛び道具とか出て来たりするのかな?
銃とか、銃とか、銃とか・・・?
うーん、難しい。
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コメント

ありがとうございます
こんばんは。

組長 蓮と、ボディーガード 京が、これからどのように甘々になっていくのか…むふふふ 気分でお待ちしています!
  • 2016-09-26│19:15 |
  • harunatsu7711 URL│
  • [edit]
Re: ありがとうございます
> harunatsu7711 さま

むきょー!?大丈夫ですか?こういうのでも?OK?
今回ばかりは自信100%ナッシングなの。

あまあま…になるといいんですけど…
しぶ甘?な感じかも…。

  • 2016-09-26│20:19 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]

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