20XX 4

最終話です。
本当に、初めてかもしれないけど、バカショーが登場した今回のお話。
やっぱり悪役よね。何でだろう?







「やめろ~!!!蓮!ストップ!社さん、許して~~~!!」

またまた九竜組に響き渡る京の声…石橋三兄弟を始めとする若き組員は、その瞬間を今か今かと待ちわびた。



20XX 4



「だから…これも仕事だって言ってるだろう?」
「分かってるよ」
「分かっています、だね。」
「うっせーな」
「京、いくらなんでも組長に恥はかかせられない。言葉使い、即刻改めよ」

社が銀縁の眼鏡の奥でブリザード発生の予兆をひけらかした。

「は~い…」
「間延びしない!」
「…はい、はい。」
「はいは一回!」
「へ~~~い」
「京!!!」

ブォォォォォッと風が唸る

「…はい。」

京は小さく返事をした。

着替えを済ませて蓮の部屋から出てきた京に、組員は皆引いた。それはそれは盛大に引いた。いっそのこと笑ってくれたらよかっただろう。…だが、笑えないのだ。

組の誰もが奇怪な女装を望んだ。
…が、蓮と社にとっては当然の成り行き、京にとっては不本意な姿、組員にとっては青天の霹靂。
着飾って出て来た京の姿は組員の想像の範疇を軽く超え、絶対的に女だった。

360度、どこからどう見ても女にしか見えない女装。
いや、それは女装ではないのだが、周囲にとっては女装。

ロングウィッグをつけてドレスを着た京は、CGかと思うほどに輝くばかりの出来…
若衆はあんぐり口を開け、重鎮は口を噤んだ。





「おい…蓮、俺、そんなにおかしいのか?」

いつになく京をじっと見つめる蓮の視線が気になって、たずねた。

「いや?全然。寧ろ凄くき…」
「言うな!黙ってろ!今、気色悪い言葉を言おうとしたな」
「何でだよ。心配しなくても綺麗だよ。」
「うぎゃ~~~!!!気色悪っ!!ぞわぞわする」
「嬉しくて?」

京は一瞬動きを止めた。

「煩い。そんな訳ない。お前、黙ってろ。」
「はいはい。」
「はいは一回!…って社に言われなかったか?」

「(クスクス…)京、怖いな」
「…」
「女言葉、使えよ?」
「…分かって…る。久しぶりで緊張するだけだ…です。」
「じゃあ、行こうか?」
「おう。」

クスクスと蓮が笑う。

会食場で京は言葉を発する事もなく、側に控えるのみ。
蓮と話をしている政治家のオヤジは、でっぷりと太った体の割りに小心者らしく、汗かきだ。
だが、コイツは狸だ。
そうすると蓮は狐…ということになるだろう。

九竜組の好き勝手にはさせたくないが、実際治安維持のためには組の存在は必要だ。
政治家としては麻.薬.密売に関する美味しい汁が吸いたいだろうに、九竜組は頑として麻.薬には手を出さない。だから、建前上おいそれとは九竜組を切り捨てられない。
己の利益のためならば、国民や都民の生活など範疇になく、利潤欲しさにどうにか、もっと乱暴で激しい組と手を結びたいと思っている、つまり…九竜組の失墜を望む大胆不敵な政治家も中にはいるのだ。
狐と狸のままで、蓮は無事に取引を終えた。

その帰り、不穏な空気を察知した。
周囲に群がる数人の男が、殺気を纏い蓮に近づく。

「来やがったな…」

京は、スカートの中に隠された武器を取り出した。
次々と襲い掛かる若い男たちは、京の敵ではない。あっさりとなぎ倒していく。また、蓮も確実に仕留めていく。だが、人数の多さに息が上がる。
一人だけ、手強い奴がいた。
ドレスの裾がうっとおしくて、うまく立ち回ることができない。しかし、応援が駆けつけるまで持たせなくてはならない。

「くっ…」

防戦一方のその時、聞きなれた声が聞こえた。

「キョーコ、お前のその格好…今日こそ俺の勝ちだな。」

「!?バカショー!?」

ばっと飛びのいて、体勢を整える。

「…ふん!もう力は残ってないらしいな。今回ばかりは俺の勝ちだな」

ショータローが口の端でニヤリと笑う。
その、振る舞いに腸が煮えくり返る思いがして、頭に血が上った。

「かかって来いよ…」

挑発するショータローに向かって殺気とともに飛び掛っていった。
流石に、何人かと戦闘した後だ、いつもは勝てるはずの勝負の決着がつかない。その時、はじめに倒した一人の男が動き始めるのが目の端に映った。

(不味い!)そう思った瞬間、男はよろよろと京に向かって突進する。
その時だった。

「キョーコ!」

ショータローが持ち上げたナイフがキョーコの頬を掠め、身を硬くした瞬間、蓮の声が耳を掠めた。

「蓮っ!!」

背中合わせの二人は互いに自分の目の前の敵と対峙する。背中が守られている安心が、力をくれる。
あちらこちらから複数の攻撃を受けながらも、ぎりぎりでかわす攻防戦

「負けて…たまるかぁ~!!」

キョーコは力の限り戦った。ショータローに瀕死の一撃を食らわしたと安堵した瞬間、ずるり…と背中の熱が解けた。

「蓮!?」

振り返ると、そこには蹲る蓮がいた。
腕と…わき腹から出血している。

「蓮!!どうした!?怪我か?」

自分を庇ったのだ。そう思った瞬間、京はドレスの裾を裂き、蓮の傷口の上部を縛る。

「蓮!しっかりしろ。」
「ぐぅっ…大丈夫だ。なんともない」

なんともない訳がない。
わき腹からは、ドレスシャツに赤黒い染みが、じわじわと広がっていく。
傷口を押さえる指の隙間から血液が流れ、蹲る床に血だまりを作り始めた。

「すまない。俺がついていながら!…ボディーガード失格だ。」

ぼろぼろと涙を流しながら、必死に傷口を押さえ、止血する。


「泣くな…大した事ない。お前はよくやった…」
「煩い!黙れ。泣いてなんかない。お前は喋るな。もうすぐ社さんが来るから、我慢しろ…!」

「泣きながら言うかな…」
「煩いって!黙ってろって。」
「うん…やっぱりプロテクターがないほうがいいね、柔らかい」
「お前…!この非常時に何を言って…」
「うん…綺麗だよ。ありがとうキョーコ」
「!!」

蓮の右手が京の頭を撫で、自分の胸にキョーコの柔らかい体を押し付けた。

間もなく応援が来た。二人で倒した人数の多さと血を流す組長に驚き、二人を収容した。勿論近くに待機はしていた。しかしながら、応援部隊への妨害工作により、出遅れたのは事実だ。

「京…よく持ちこたえてくれた。」

社がキョーコに声をかける。

「社さん…俺…どうしよう、俺…無傷なのに…蓮が、蓮が俺を庇って…」

呆然とするキョーコに、社はいたわりの言葉を発した。

「大丈夫、あいつはこれくらいで死んだりはしない。応急処置も適切だった。」
「…」
「それより…京…いや、もうキョーコと呼ばせてもらうけど…凄い格好…」

ドレスはビリビリ、裾はボロボロ、綺麗な太腿をさらけ出し、ささやかな胸の谷間もはっきりと見える…。
当然周囲の組員の目も、それに釘付けな訳で…
キョーコは、はっと気がつくと、自分のあられもない格好を手で覆った。

「貴様ら!!見るんじゃねえ~~!!!!」







その後、傷もさほど深くなかったためか、蓮は驚異的な回復力を示した。入院の間もキョーコを筆頭に、病室の回りは完全警護の体勢を敷いた。
まもなくの退院、屋敷に戻った蓮はいつもどおりの生活を始める。
毎日朝にはキョーコをベッドに連れ込んで、悲鳴を上げさせ、それを見て笑う。

だが、九竜組の4代目が男色家疑惑だけは無事に払拭され、次の疑惑は姐さん疑惑…

「おい、蓮」
「何だいキョーコ。」
「何で俺はお前のボディーガードを続けてるんだ?普通はクビだろう?」
「別に…借金が完済するまでは、働いてもらうけど?」
「…借金…借金ね。ソレ、普通にするといつまでだ?」
「いつまでだろうね」
「お前、十イチみたいにぼったくるんじゃねえぞ。」
「これが女性の使う言葉かねぇ。」
「煩ぇ。今頃女扱いするなって!」
「何を今更…あの時点から女でしょうに。」
「くっそ、むかつく」
「だから忘れるなって言っただろう?」
「忘れてないし!」

「どうだかねえ…」

相変わらず、あっという間に蓮に組み敷かれてぐうの音も出ず、反撃もままならぬ態勢のままで、威勢よく言葉を返すキョーコ。

「これが、怪我した俺を見て可愛く泣いた女とはね」
「お前!それは言わない約束だろう?俺は泣いてない!却下だ却下!」

真っ赤になって、否定するキョーコは見ていて楽しい。

「さて…今日はプロテクター…またつけてるのか。折角柔らかいのに…」

残念そうに胸の辺りを触る蓮。

「おっ…前ぇぇぇ~~~!!!何てことしやがるーー!!」

そして、蓮はまた笑う。

「ん…?何するか?当然いいこと♡」


屋敷中に耳を劈く叫び声が響いたのは言うまでもない。




(おしまい)



こんなのになっちゃいました~。
harunatsu7711さま、いかがでしたでしょうか?
これは、きっとクレパラじゃないよね?
本当にごめんなさいしか言えません。・゚・(つД`)・゚・

はじめから違いさえ分からないかばぷー。なのにやっちゃった感満載…
どうしよう、どうしようと思いながら書き始めたんですけど、意外と楽しくてワルノリしちゃいました。
この妄想でも大丈夫って場合は、ぜひ、ポチッとな?(古!)



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非公開コメント

ポチっとな、は普通に言ってしまいます(〃∇〃)

ポチっとな、致しました(・∀・)ノ

ぽてと、大変感服致しました。わたくしめにも、それとなくリクエストくださる方もいらっしゃるのですが、残念ながら、自分の興味のある分野にしか妄想脳が働かず…。

「わからない」とおっしゃりながらも、きちんとお話をまとめなさってすごいです。

かばぷー様は相変わらず描写が的確なので、情景が浮かんできてわかりやすかったです( ☆∀☆)

守られるばかりじゃないカッコいいヒロインは大好きなので、強いキョーコちゃんも新鮮で楽しかったです(*´ω`*)

Re: ポチっとな、は普通に言ってしまいます(〃∇〃)

> ぽてとたべたい&ぽてとあげたい

あは、あははははは~(^▽^;)
またまた褒めてもらっちゃった。
お褒めの言葉は単純に嬉しいです。…照れくさいけど。

何とか仕上がりましたが、本当にコレでよかったんでしょうか?
ちゃんと蓮キョで、クレパラ的なものになってたのかな?

うん、でもまあ、書いていて楽しくなってきたのは間違いないです。油断すると、どんどんお話長くなりそうな気配はしてました。( ̄□ ̄;)!!(←こんな中途半端で何言うか!?)

今回、リクエストを沢山書かせていただいたのですが、やっぱり戦闘シーンがあるものは難しいジャンルです。
にやキュンとか、でろ甘とか…そういうのは書きやすいことが分かり、とても貴重な経験でした。
意外と?ポチッとなしてくださる方もあり、皆さん寛容なんだわ~と、そっちも感心したりして…。
とにもかくにも、こうやって皆さんのリクエストにお答えできたことが、とても嬉しいです。

戦闘シーン

ありがとうございました。大満足でございます。

クレパラには戦闘シーンがたくさんありますが、リクエストにもそんなシーンがあって、情景が思い浮かんできました。クレパラになってます!

女装?の京は、コスメマジックでとってもきれいだたでしょうね。

リクエストに応えていただけて、とてもうれしく思っています。
ありがとうございました。

Re: 戦闘シーン

> harunatsu7711 さま

きゃ~~~こちらこそありがとーです!!

> 大満足でございます。

嬉しいっ!喜んでいただけてよかった~。
クレパラになってました?
やった~、ホッとしましたよ。最後のほうは完全に蓮キョでしたけれども…(えへ?)
今、お越しくださるお嬢様方の中に、クレパラ信者が多いことに吃驚しました。
なんだかハードルがどっかんとあがってしまって、真剣に焦りました。

難しかったけど楽しかったの。
本当でうっかりすると長くなりそうな気配が漂ってきていたのです。
かばぷー的クレパラ世界+蓮キョ。
お楽しみいただけて本当に良かった!!

リクエストしてくださってありがとうございました。


プロフィール

かばぷー

Author:かばぷー
ス/○/ビ大好き!
脳内妄想☆大暴走中
思いついた言葉を書き連ね
作品置き場にしています。

☆当サイトはリンクフリーではありません☆
二次ルールを守っておられる「ス/◯/ビ」二次サイト様に限り、相互リンクさせていただきたいです。お手数ですがリンクを貼られる前に必ずご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト様からのリンクは固くお断りさせていただきます。
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