Peach Time 1

皆様こんばんは かばぷーでございます。

夏休みに書き溜めたパラレル連載をお送りしたいと思います。
ええ、桃前提のお話でございます。

長編ではなく、全10話のお話なのですが、かなり長くお送りする予定となっております。
(実は路線変更を含め、内容が二倍となっております)←???ですよね。

結構アイデアは温めていたのですが、ようやく形になりました。
どうぞお楽しみくださいませ。






Peach Time 1



某マンションの一室の前で、最上キョーコは大きく深呼吸をした。

“ピンポーン”

扉の奥から、人の気配を感じる。

『どなた?』
「おはようございます!ニコニコ配送センターの最上です。集荷に伺いました!」
『ああ、はい、ちょっと待っててください』

カチャ…

玄関から顔を出したのは、前かがみになった見上げるほど背の高い男性。
大き目の段ボールを片手で軽々と持って出て来たその姿は、ボサボサの頭に、目が隠れてしまうほどの前髪。
けれど、小汚い感じはあまりなくて、いつも清潔そうだし、髪の隙間から見える眼鏡の奥に、寧ろ知的な印象を受ける。

「じゃあ、これ、お願いします。」
「はい!承りました!」
「いつもありがとう。」
「あ…いえ。どういたしまして。」

(覚えて…下さってたんだ)

ゆっくり閉まっていくドアを、段ボール箱を抱えて会釈したまま、足元で見送る。

顔を上げて見る先の表札は“TSURUGA”
段ボール箱にいつも貼り付けられる伝票には、“敦賀 蓮”
初めてここに集荷に来た時、強く印象に残ったのは、その声だった。
伸びやかな低音、耳元を甘く擽るその声に、一瞬でキョーコは“あ、好きな声…”と思った。
“お願いします”
“ありがとう”
いつも、たったそれだけの受け答え。だが、密かに心をときめかすには十分だった。

キョーコがこれから向かう先は、秋葉原のフィギュア専門店

そう、彼はどうやらフィギュア作家で、作品が出来たら段ボール箱で配送をする。
キョーコは勿論その中身を見たことはなかったが、店内のあちこちにディスプレイされた多くの作家たちのフィギュアを見ていると、夢のあるお仕事なんだなあ…とうっとりしてしまう。

(さ、お仕事完了!次、次)

キョーコは、運送会社に戻った。

「ただいま帰りました。次の配達に行ってきます」
「あ、最上さん、最上さん、丁度いいところに!ちょっとね~…残念なお知らせなんだけど、ちょっと、新しく正社員を入れることになってね。悪いんだけど、アルバイトの更新は今回はなし!だから、今週いっぱいってことで!」
「え…?」
「急で本当に悪いんだけどね?それと…寮のほうも片付け…よろしく!」
「…あ…はい…じゃあ、行ってきます…」
「はい、行ってらっしゃい」

キョーコは、自転車で次の集荷、配送先へ向かった。

(どうしよ…また、お仕事を探さなくちゃ…)

キョーコはアルバイトで生計を立てていた。
元は女子大に合格して、苦学生なりに何とか生活をしていたのだが、時を同じくして一浪の末、大学進学した幼馴染がギャンブルに現を抜かして借金した挙句、キョーコの留守中、有り金全部持って姿をくらまし、学費も家賃も払えず、泣く泣く退学…プラスで転居をする状況に陥ったキョーコだった。
何とかしようにも、キョーコには母はおろか親戚さえいない…。幼馴染の親、つまり母の友人だった旅館の女将が、気の毒に思ったのか引き取って育ててくれた。勿論、バカ息子のこさえた借金だけは、流石に奴の実家に払ってもらったが、京都から東京に出るにあたって、小さい頃から面倒を見てくれた育ての親である旅館の女将に、自分の学費のことまで無理は言えない。
生活費の補填にと始めたアルバイト生活には、自動車免許など夢のまた夢…
暗鬱な気持ちを振り払うように、キョーコはペダルに力をこめた。



仕事の帰りに早速寄った求人斡旋所で、キョーコは一件の募集に注目した。
公的な募集以外も扱うその斡旋所には、勿論夜のお仕事も多い。そんな中で目を引いたアルバイトがあった。

『家事手伝い(調理・清掃・洗濯等)及び作業補助、住み込み可 勤務地:○○区△△二丁目□□、時給:1500円+能力給』

家事手伝いで1500円は破格の値段だ。
しかも勤務地は今日行ったばかりのあのマンションにほど近い場所。近場である事は非常に有難い上に、住み込みも可…今のキョーコにとっては渡りに船。
水商売も考えた事がなかったわけではない。けれど、自分の中の何かがそれを拒んだ。

連絡先は……
 “申し込み番号:△△△△△-2○○○○5 連絡先:敦賀”

キョーコは我が目を疑った。





2話に続く)
 



桃記事前提のあまあまなお話のタイトルを考えた時、これしか思いつきませんでした。
実は、このタイトルでお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、実は私、岡村靖幸のファンでございました(す?)!!(。Д゚; 三 ;゚Д゚)
高校生でド嵌りしまして、今でもシーズンになると、どっぷり靖幸を聞きまくります。(大体秋~冬ね)

因みに、好きになったのはビジュアルではなく曲と歌詞。
初めてアルバムを借りたとき、一度しか聞いてないのに、聞いてすぐに…気持ち悪…!と思った筈なのに~~
翌日…「きっとほんとの恋じゃない穢れてる、僕のほうがいいじゃな~い」と頭の中に曲がかかる!かかる!
それ以降、彼はいろんなことをやらかしていらっさいましたが、当時、真剣にファンクラブに入ろうかと悩んだり、遠くまでコンサートに行きたいと、考えたアーティストは今だかつて彼一人しかおりません。
彼の曲に何故にこれほどまで惹かれたのか、理由は全く分かりませんが、やっぱり何年たっても好きな曲が沢山あります。
この、Peach Timeは長らく目覚ましに使っておりました。(夫には吃驚するからやめてくれ~と言われました。)

一番ときめく曲は「あの娘僕がロングシュート決めたらどんな顔するだろう」(←長いタイトル)です。今思うと、私のエロスとカオスはこの時代に形成されたものかもしれませんね。

4話までは、連続公開となります。
どうぞお楽しみくださいませ。
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