Peach Time 7

ええ!?サロン…行っちゃうのでしょうか?
あ~あ、どうしよう。





結局蓮は、SMサロンの取材を社に頼む事にした。

「なあ、本当にいくのか?」
「ええ、行きますよ?」
「行ってらっしゃいませ!!」

「ね?彼女もこう言ってることですし、行きましょう?」
「おい…蓮…」

玄関先でなされるこんな会話
のんきに笑顔で送り出されようとしていたその時

「で、先生と社さんは今日はどちらへ取材にいかれるんですか?」



Peach Time 7



「えぇぇぇぇ~~~!??キョーコちゃん!れ…蓮から聞いてないの!?」

蓮は気まずそうに顔を覆う

「はい!社さんと取材に行ってくると昨日伺ったのですが、行き先までは…」
「ちょ、まずいって!」
「社さん、もう行きましょう」
「お前!ちゃんと言えよ」
「はい?どちらまで?」

「……」

チロリ…と蓮が社を見る。

(い…言うのか?俺が?)

「あ、あ、あのね、今日は…SMサロンへ行くんです…」
「はあ。それは、どんなお店ですか?」

(きっ!聞くなぁ!)

「もういいでしょ。社さん、行きましょう。」
「う…うん、じゃあ、キョーコちゃん、今日は遅くなるから、でも、しっかり送り届けるからね?じゃあね?」

「行ってらっしゃいませ」

深く腰を折ると、戸は閉まった。
それを見届けると、元気良く伸びをする。

「さて!今日は早めにお仕事終わったし、のんびりするか~!!」

蓮のところに来て3週間が過ぎた。
毎日の炊事、洗濯、掃除に加えて、最近はフィギュアの洋服を縫う事もさせてもらっている。蓮の作った人形たちは、ビックリするほどセクシーで、本来なら服などは要らない。だが、たまにオールヌードの着せ替えタイプを作っては、高額で販売しているらしい。今までは別注で洋服作家と連携していたのだが、キョーコの手先の器用さをいつ知ったのか、「これ、作れる?」と示された洋服を作り上げてしまった事から、こっちのアシスタントもすることになった。
はじめは、あまりのいやらしい人形の姿に悶絶したのだが、しばらくすると慣れた。作り始めると夢中になってしまい、今では暇な時間は全部それに費やし、製作料も頂いている。

(はて…ところで、SMって何かしら?)

社の言った言葉が急に引っかかって、インターネットを調べた。

SM:加虐行為(サディズム:Sadism)と被虐行為(マゾヒズム:Masochism)を性行為として楽しむ事

…え?これ?これって…

そう。画面に見えるこれなんて、つい先日完成させたばかりの衣装に良く似ている。
まさかとは思うが、これ…こんな服を着たお姉さんがいるお店にいらしたの?

くわわぁ~んと頭に衝撃を食らったみたいだった。





取材先の薄暗い店内に社と蓮が座っていた。
薄いレースのカーテンで仕切られた個別のスペース。高級そうなソファーの上に怪しい照明が下がり、店の中央には丸いステージがあるのに、なんとなく各テーブルごとにプライバシーに配慮された店内。
勿論取材用の予約を取り付けてあったから、店で人気No1と言われる女性が接客をしてくれていた。

「樋摺先生はどちらがお好み?S?それとも…M?」
「どういった場合が多いですか?」
「そうね…文化人、知識人の方って意外とMの方が多いの。ここでもMの方が多いわね。実際男性はMっ気のほうを隠したいみたいだから。ご自分の性的傾向は分からないものだけど…例えば…」

女性は、膝に馬乗りになって、ぐっと蓮の顔に胸を押し付けた。

「これ、どう?こうやって見下ろされると、ドキドキする?」

「…いいですね。でも…」

蓮は女性の腰を持ってくるり、と身体を反転させ、ソファにトスッと押し倒した。

「このほうが好きかな」
「そう、見下ろしたいのね…じゃあ、あなたは多分Sよ」
「ふ~ん、そうなんだ。」
「あら、髪を上げるといい男ね。前髪で隠してるなんてもったいない。貸して。」

女性は身を起こし、ヘルプからカチューシャを貰うと、蓮につけた。

「あなた、男前だからあげるわ。似合うわよ、顔は出してなさいな」
「どうも」

(蓮っ!その場慣れした感じは何なんだよ~。取材なんて必要なかったじゃないか)

「じゃあ…これ見て?」

すっと女性が自分のジャケットのジッパーを蓮の眼前で下げる。
黒い皮のぴったりしたジャケットを広げた下に現れたのは、紐で縛られた裸体…

「クス…やっぱりこっちのほうが好きみたいね。」
「そのようだね」

その中身を見た瞬間、身体が固まったのが自分でも分かった。

「どう?チャレンジしてみる?」

女性が蓮の手を取り、自分の胸を縛っている縄の上をなぞらせる。

「そうだね、是非…と言いたいところだけど、欲しい情報は手に入ったから、やめておく」
「そうなの?残念」
「その縛り方とかはどこから?」
「そうねぇ、今はインターネットにも載ってるわ。興味があるなら教えるけど?」
「じゃあ、調べてみるよ。お姉さん、実は結構Sでしょ?俺の事、慣らす気?」
「ふふん、ばれちゃった?どっちもするわよ?お仕事ですもの。」

色っぽい話題に、はらはらしながら二人のやり取りと見ていた社。

「社さん、そろそろ帰りましょうか?十分見せていただきました」
「そうか?これでいいのか?」
「いつでもいらして?彼女と一緒でも、こちらの編集さんと一緒でもいいのよ?たくさん教えてあげるわ。何なら3○もいいわよ?」

蓮の顔を見てきっと気に入ったのだろう。女性はかなり乗り気で名刺を滑らせてきた。勿論、社にも。

「どうもありがとう、じゃ」

そういって、二人は店を後にした。





帰り道のタクシーで、社が急に口を開いた。

「なあ、蓮」
「何ですか?」
「今日のこと、本当に良かったのか?」
「何がです?」

「キョーコちゃんにはっきり言わなかった事。」

「………いきなり何ですか。別に彼女はそんなんじゃないって言ったでしょう。いつもは、強引に連れ出すくせに、なんで今日に限って…」
「今の間は何だよ。いつもはそうだけど、お前、あえて言わなかったんだろう?」

確かに…言いたくなかったのは事実だ
だが、何故言いたくなかった?
どうして言う事が躊躇われた?

苦虫を噛むように窓の外を見つめる。

「それとさ、本当に良かったのか?」
「次は何ですか?」
「だから、今日のこと、そのまま遊んでもよかったんだぞ?料金はこっち持ちだし」
「それは別にいいですよ」
「ほら即答した」

「・・・・・・」

参った…。どうしてこの人は、こういうことに敏感なんだろう?

「この仕事をしていて、その貞操観念は天晴れとしか言いようがないけど、もうちょっと自覚持ったら?そろそろ、試用期間も終わるだろう?実際どうなんだよ。上手くいっているみたいじゃないか」

実際そうなのだ。
彼女には、ずっといてもらいたいと思っている自分がいる。
側にいて邪魔にならないどころか、食事も、小説も、そして、フィギュアのアシスタントとしても優秀だ。

「俺もなあ…胃袋従順だからさ、あれは毎日食べたいと思っちゃうんだよ。お前が遠慮してるなら貰っちゃうよ?職探しなら、俺のほうがたくさん世話してあげられるし…」



それは困る。

…困る?
今…それは困るって思った…。
何が困る?
就職の世話?
それとも…社さんが…彼女を貰う…って言った…事?


蓮は、いきなり両手で顔を覆って、思わず「はぁぁぁぁぁぁぁ~~~っ」と大きく息を吐いた。




「じゃ、お先に失礼します」
「お疲れ」
タクシーが家に着き、蓮が先に下りた。
そのまま玄関に入ると、廊下の明かりがパッとついた。

「お帰りなさいませ!」
「…ただいま」

パタパタと玄関にかけてくる彼女。
どうしよう、自分でも頬が緩んでいくのが分かる。

「あっ!先生カチューシャ!!やっぱりお顔が出ていたほうが素敵ですね」
「そう?」

そんな何気ない一言に、気持ちが上がる。

「最上さんは、ゆっくり出来た?」
「はい!あの…実はちょっと勢いで、新作を作ってみました」
「ん?衣装?」
「はい、その…、これなんですけど…」

キョーコが握り締めていた小さな布を広げ始めた。
その服を両手で広げた様子に、蓮はあっけに取られて言葉も出ない。

「先生、私ではお役に立てませんか?」

そこには、いわゆるボンデージといわれる衣装が人間サイズで目の前にあった。



 8話に続く)
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

えええーっ!!(笑)

ボンテージってあれ?あーゆーやつ?黒いのとかの?
着ちゃうの!?自らっ!?Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)

いやーん(*/ω\*)♡
次はえしゅえむぷれいってコトねヽ(*≧ω≦)ノ♪←喜んでるww

何気に蓮サン自覚の回……でしたね?(/ω・\)チラッ

たのしーなー♪
一度に3つもお話が楽しめるのもとってもお得だしっ(*´∇`*)

次も3つに別れるのかな?o(*゚∀゚*)oワクワク
楽しみに待ってまーす!!

Re: えええーっ!!(笑)

> popipiさま

そう、ボンテージってあれ。皮っぽい黒いの。
そして着ちゃうの。( )バージョンの方で。
(あ、ばらしちゃった・・・)

> 次はえしゅえむぷれいってコトねヽ(*≧ω≦)ノ♪←喜んでるww

う~ふ~ふ~
こっちは通常コースだから、プレイは限定コースなの。

あくまでも通常コースは爽やかな微桃だから安心してね?


困っちゃってください

こんばんは。更新楽しみに待ってました。

社さんのアプローチですね。是非とも蓮さんには焦ってもらいたいものです。

手先が器用なキョーコちゃん、変な衣装を身に付ける覚悟は?な状態ですね。萌えます〰。

Re: 困っちゃってください

> harunatsu7711 さま

期待させちゃってますね~。
着るの?着ないの?その時の蓮さんの反応は~?ってとこかしら?

今回のヤッシーのお役目は、もちろん煽りです。
決して心の広いお兄さんではない!…と思います。
奪っちゃえ!でもやだ!させないもん!(←我儘なかばぷー)




プロフィール

かばぷー

Author:かばぷー
ス/○/ビ大好き!
脳内妄想☆大暴走中
思いついた言葉を書き連ね
作品置き場にしています。

☆当サイトはリンクフリーではありません☆
二次ルールを守っておられる「ス/◯/ビ」二次サイト様に限り、相互リンクさせていただきたいです。お手数ですがリンクを貼られる前に必ずご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト様からのリンクは固くお断りさせていただきます。
(リンクはトップページにお願いいたします)

ようこそ
最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンクご案内
ちょび様
陽のうらうらと
ピコ様 Bubble Shower
sei様
風月様 popipi様 ちなぞ様 惣也様