思い出は苦くもあり甘くもあり【Doll】

番外編②をお届けします。

時間軸は今より少し遅めです。3ヶ月後…とか、そこらへん。
絶対に待てない蓮君ですから、もう、イベントまでは待てないだろうと言う予測の元に書きました。

もうちょっと時期をあけてからのUPも考えましたが、いいですよね?
(いいよ~と言ってくださると嬉しいな)





「あ…蓮、入籍したんだ。」
「蓮?敦賀蓮!?ウソ!いつ?誰と?」
「なんか芸能ニュースのトップに出てる。4歳年下のパティシエだって。」
「え!?一般人なんだ。へー…ちょっと意外」
「うん、うん、だよね」

にわかに日本のいたるところでなされたであろう会話。
そんなおめでたいニュースが流れたある日、最上キョーコはニュースで話題の人気俳優、敦賀蓮のマンションの一室で荷物整理にいそしんでいた。




思い出は苦くもあり甘くもあり【Doll】
~ボン・ボン・ショコラ番外編②~




「キョーコ、これ、どこに置こうか?」
「あ、ちょっと待ってください。ここに…」

「どこ?」

「その下に…あれ?これ、何の箱?」
「どれ?」


記憶をなくしたキョーコをじっと待ち続け、ようやく再びその腕に彼女を取り戻すことができたのは、最近の事。
記憶がなくなる前のキョーコに渡すことが出来なかった指輪を渡し、同じようにだるまやとキョーコの母に挨拶に行って今日に漕ぎ付けた。

もっと速い段階での“電撃入籍”が有り得る可能性もあったにもかかわらず、とりあえず数ヶ月待ってから入籍の文書報告で落ち着いたのは、やはりキョーコを慮ってのこと。
たとえ最上キョーコがかつての演技派女優「京子」であったとしても、記憶をなくして芸能界を引退したキョーコをマスコミに晒す事はしたくない。キョーコの願いと蓮の願い、社長の意向で会見はしない方向に決まった。
勿論スクープもそれ以上の情報提供もお断りなのだが、事務所を通じたささやかな報告というニュースがトップページになるのは当然の予測で、今日と明日は丸々オフが与えられた。

『一応、入籍報告記念日に丸2日いられるんだから、感謝しろよ?』

日本での入籍ではないから、対マスコミ用の儀礼的な報告になるにもかかわらず、にやっとする社が告げた言葉に有難く感謝する。
そんな幸せの最中、いそいそと荷物整理を手伝う大男が、ゲストルームに置かれていたキョーコの私物が入った箱に目をやった途端、眉をハの字にした。

「それは…ね。」
「はい?私は何を入れてたんでしょうか?敦賀さん、ご覧になりました?」
「………うん、一応…」
「歯切れ悪いですね。えいっ!!」

「「………あ!?(あ…)」」

「…何これ…にっ…人形!!??しかも、敦賀さんの!?うわー!うわー!すごいリアル!超リアル!!えええぇぇぇっ!お面が外れる!!うわー!!何これ!?おすまし仮面?こっちは『君は一体何を驚いているんだい?』って、意地悪フェイスで呆れてるみたい~~!!!」


ぶっ…!!!くっくっくっ…!!!!


「何ですか?敦賀さん?」

「クククク…いや、初めの頃、そうやって俺の声真似してたなって思って。」
「ええぇっ?私が?」
「そうだよ?こっそり隠れて『はっきり言って君は馬鹿だろう?』とか言ってたな。」
「嘘…」
「嘘じゃないよ。上手だったからね。」

楽しそうにお腹を抱える蓮を見ていたら、照れくさくなった。

「はて?でも私、こんなの作って何してたんでしょう?敦賀さんは理由をご存知ですか?」
「……………(まさか土下座しながら、“敦賀さんをぎゃふんと言わせたくて、勝手に作っちゃったんです~~”と号泣されたことは言えないか…)」

そんな事を思い、蓮は些か神妙な面持ちになってしまった。

「これ、一体だけですか?」
「…………いや?マリアちゃんにもあげてたよ。」
「マリアちゃんにも?」
「それはもう、盛大に喜んでいたけど…身売りされてる気分がしたな…」

キョーコがひぃっ!って顔をした。

「すすすす…すみません!勝手に作ったりして!どうせなら捨ててくださればよかったのに!」
「捨てる訳ないだろ、君が作ってくれた俺なんだから」

キョーコが一瞬固まった後、テレッ…と笑う。

(ああぁ~もう、いつまで経っても可愛いな。)

そんな思惑の蓮を知ってか知らずか、箱の中身をまた漁る。

「「…アアァ!?(あ…)」」

「…なんで、ショータロー?…しかも、泣いてるし」

キョーコの眉間にシワが寄る。

「ソレ…ね。ソレは捨ててもよかった…かな?」
「そうですよ!以前の私がどういう意図で作ったかわかりませんけど、敦賀さんと同じ箱に入れてたって言うのは、不本意です!」
「分かった…捨てる?」
「はい!ポイします。」

がさっと大きなゴミ袋にそいつを放り込んだ。
ぱんぱんっと手を叩く姿は、そいつを恨んでた事さえ覚えてないのに、なんだか小気味よかった。

ただ、もう一つ…蓮はキョーコに隠しておきたいことがあった。

(初めての後、“これで、寸分違わぬ敦賀さん人形が作れます!!”って、目を輝かせてキョーコが高らかに宣言していたっけな…)


思い出すと、自然と笑みがこぼれる


「敦賀さん、今度はリアル敦賀さんをチョコレートで作ってみましょうか?」


ブフォッ…!!!!!!


「ソレ…誰が食べるの?」




-―――思い出は、苦くもあり甘くもあり…




(Doll完)



ええ、バカ話でございます。
これがもうちょっと続くのでありますよ。
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