[Edit]

不吉な夢 1

10000拍手記念リクエスト 第6弾!!

はっしぃさまのリクエストです。

〈リク罠〉182 または、193で頂きましたが、今回は182で書かせていただきました。
本当は格好いい英語タイトルだったんですけど、ごめんなさい~~(;_;)ここからしか妄想できませんでした。

大変お待たせをいたしました。今回もちょっと長めの全5話と相成ります。
(最近短い文章が書けない私…)ちょっとゆっくり更新にしようと思います。
どうぞお楽しみくださいませ。





不吉な夢 1 ~Ominous dream~



『うん…君がそういうつもりなら、俺は寧ろ応援するから大丈夫…』

(あの…本当に今までありがとうございました。)

『いえ、こちらこそ。君に恋人が出来たなんて、正直ホッとしてる。同じ事務所の先輩としてお祝いするよ。じゃあ幸せになってね、最上さん…』

(敦賀さん!本当は私…!!!いやぁぁぁぁぁぁぁ~~~~!!!)




布団から手を伸ばしたキョーコは、声を上げることすら出来ずに空を掴んだ。

「ゆっ……夢……」

ようやく搾り出した声は枯れ、涙で視界がぼやけて見える。

今日の夢は…『幸せになってね、最上さん…』
軽井沢で見た夢と同じように、背を向けて去っていく蓮の後姿が悲しくて、切なくて…いざ、行動を起こそうとした今日、この日にこんな夢を見て涙するなんて…

「最上キョーコ!駄目よ。怯んじゃだめ。敦賀さんはきっと喜んでくださるわ。引き止めてくれるなんて望んじゃ駄目なの。うん、本当にそう!これ以上敦賀さんのご迷惑になってはいけないから。」

ぐっと拳を握り締めるも、尚もハラハラと涙がこぼれ落ちる。

「ふぅっ…でもやっぱり…ダメージ大きすぎるぅう…」

キョーコは、はぁ…と大きな息を吐いた。






キョーコが蓮と付き合い始めてから3ヶ月が経った。

(絶対にこれは、うっかり私が漏らした一言が原因で、来るものは拒まないであろう敦賀さんが、珍しいタイプが舞い込んだという一瞬の気の迷いにより、有り得ないほどの甘い言葉を私に囁いた上、敦賀セラピーに惑わされた私が至極曖昧な返事をしたのが間違い。)

…だったとキョーコは思っている。

「そう、だって有り得ないのよね。あの敦賀さんが私に愛を囁くだなんて、ほんの一時の気の迷いと演技で無ければ世界がひっくり返っても有り得ない事なのよ。敦賀さんのお側にいれるなんて超貴重な時間なので有意義に勉強させていただきましたが、もうそろそろ敦賀さんのご迷惑になる頃だと思うのよ。」

「………(そんなことない。って言っても信じる訳ないのよね)」

「それにね、見ちゃったの。やっぱり敦賀さんは異様にもてるのよね。本当にタラシでコマシで…本当は私と別れたいけど、今はお子様ランチな私に合わせてくださってるのよ。おまけに敦賀さんは表面上は似非紳士だから、義理で付き合ってくれていると言えども敦賀さんから別れの言葉は言い出せないと思うの。」

「………(いや、だから向こうは絶対そう思っていないと思うけど?って言うのも逆効果な気がするわ)」

「だから、モー子さん!私がちゃんと敦賀さんと別れてホッとしてもらえるように、手伝って!!」
「嫌よ!!……って、アンタ、あの男の凄まじい独占欲に、私まで巻き込まないで頂戴!」
「え~~~~~~っ…モー子さんの意地悪…」

うにゅっと顔をへしゃげるキョーコに奏江は大きくため息をついた。

「あのさぁ…初めから整理するけど、どうして敦賀さんはアンタと付き合い始めたんだっけ?」
「んーとね、「こんな恋愛してみたい」って私が言ったから。だから、きっと敦賀さんは義理で付き合ってくれてるの。演技の練習で恋人の振りをしてくれてるだけ。」
「付き合ってない…って、敦賀さんはそうは思ってないでしょ?あれだけ忙しいのに、ちゃんとアンタのことを甲斐甲斐しく迎えに来たり、豆まめしくご機嫌伺いに来たりしてるじゃない。今まで以上に独占欲むき出しの丸出しで、こっちが砂を吐きそうになるんだけど?」
「だから、それは敦賀さんの気遣いと演技指導で、私のことはやっぱりただの後輩…」
「いや、だから…アレのどこをどう見たら演技指導で、アンタの事をただの後輩だと感じるのよ?おまけに別れたいなんて、どう見たら思えるのよ?」

「えーー…っとね…」

キョーコは暫く躊躇ったように空を見たが、ぽつぽつと語り始めた。

「この前…ね、見たの。共演してた女優さんが敦賀さんに一緒に食事に行こうって誘ってるの。ほら、あのドラマの滅茶苦茶綺麗な女優さん。」
「ああ…確かに綺麗な人よね。演技も上手いし」
「その人にお断りする時ね、“申し訳ないのですが…先約がありまして、本当に残念です。”って、凄く申し訳無さそうに断ってる姿を見ちゃって…本当は食事に行きたかったんだろうと思ったらなんだか申し訳なくて…」
「…………それ…普通にアノ男の社交辞令でしょうに。しかも、その後アンタとのお家ご飯が控えてるんだから、当然彼女優先で断るでしょ?」

「でもっ…、本当に残念そうだったの!「皆さんと一緒の機会があったら是非…」って。だから、私がいなかったらきっと敦賀さんは彼女といい雰囲気になるんだろうな~って…。それと、あとは…」
「(だから、それは思い切り社交辞令って言うのよ!!)あとは…ってまだあるの?」

キョーコは躊躇いながら答えた。

「お家に行っても、最近敦賀さんは溜め息ばかりで…」
「はぁ?…溜め息?(アノ男が?)」
「そうなの。昨日も晩御飯を作りに行ったら、御飯の直後に「送る」って…片付けの途中も私のほうを向いたと思うと、急に腕組みをして溜め息をついて壁の方を向いて…それで、だるまやに着いたあとも、降りる時、「最上さん…あの…」って言ったまま顔を覆って溜め息を…」

「………(それ…ひょっとして…いえ、間違いなく我慢…なんじゃないの?)」

「だから、昨日決心したの。敦賀さんから言い出せないなら、これ以上私がいることが敦賀さんの負担にならないように、私から演技指導の終了を宣言したいと思ってるの。だって、きっと敦賀さんは去る者は追わないはずだから。」

「………(キョーコ…アンタはどうしてそう捻れ拗れなの?アノ男も…一体どれだけヘタレてるのよ!?三ヶ月よ!?三ヶ月!!最近のこの娘の様子を見てたら、もう、ガツンと一発かましてるかと思ったわよ!ああ…全くもう!)」

頭を抱えたまま、奏江はキョーコにもう一つたずねた。

「…で?アンタはそれでいいの?敦賀さんのこと、本当になんとも思ってないの?」

その言葉にキョーコは一瞬怯み、ポツリ…と溢した。

「好き…だもん。でもだからこそ、私と別れたくて困ってる敦賀さんを見るのはいやなの…このまま、嫌われていくのは…拷問過ぎていやぁあああ~~~」

「…………アンタ、バカね。敦賀さんがアンタを手放すとは到底思えないけど?」

奏江はボロボロと泣くキョーコの姿を、苦虫を潰したように見つめた。




(続く)
関連記事
スポンサーサイト

Pagetop

Trackback

Comment

えへへ( 〃▽〃)
すごいっっ!
私の一番の大好物!!!
キョーコちゃんが捻れ拗れの発想で、勝手に身を引こうとする話のやつや〰〰〰〰っっ!!

もう第一話だけで、ウハウハと興奮してしまいましたε=ε=(ノ≧∇≦)ノ

ああ、我慢する蓮さんの心情を勝手に妄想して勝手に切なくなって、ほんと〰に楽しかったですm(__)m

ごちそうさまでした( 〃▽〃)
  • 2017-03-27│18:30 |
  • ぽてとたべたい&ぽてとあげたい URL│
  • [edit]
曲解キョーコさん
こんばんは。

さすがにラブミー部のキョーコさん!
モー子さんが正常だな〰って、思えます。

更新、これから間隔が空くかもしれないのですね。首を長くして待っております‼無理しないで下さい。
  • 2017-03-27│22:24 |
  • harunatsu7711 URL│
  • [edit]
うふふふ
スタート有難うございます!!

モー子さんの心の中でのツッコミと、口に出したご意見。
本当その通りで、蓮さんの行動はわかりやすいのに、なぜキョコさんにだけは通じないんでしょうね〜。

まあ、蓮さんが周囲にはバレてても、キョコさんにはバレたくないとまだ少し思っているからかもですが。←いろいろ我慢

続きも楽しみです。

コメ欄をお借りして、一言。

はっしぃさま、ドボン営業有難うございました〜〜!!
  • 2017-03-28│11:21 |
  • まじーん URL
  • [edit]
Re: えへへ( 〃▽〃)
> ぽてとたべたい&ぽてとあげたい さま

ありがとうございます。
ねじれ拗れなキョコさんはあまり書いた事がないのでチャレンジしてみました。
難しいよ~。ぽてしゃんみたいに書けない…(しくしく)
頑張ってみたので、最後まで読んでくださると嬉しいな。ぽてしゃんの連載中のとちょっと似てるけど、できるだけかぶらないように書いたつもりなので、お楽しみくださいませ。
  • 2017-03-28│19:44 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]
Re: 曲解キョーコさん
> harunatsu7711 さま

こんばんは!
曲解キョコさんって難しいんですね。本当に難しかった…
ヘタレてる敦賀さんって、大好物なのに難しいの。
でろ甘が書きやすい我輩でした。
  • 2017-03-28│20:12 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]
Re: うふふふ
> まじーんさま

お越しくださり、ありがとうございます。
今回も罠をお借りしました。
曲解キョコさんは難しいよ~~。
結構難産でしたの。でも、楽しんでいただけると嬉しいな。
全5話にございますので、よろしくお願いします。
  • 2017-03-28│20:28 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]

Post a comment

Secret

Pagetop


プロフィール

かばぷー

Author:かばぷー
ス/☆ビ大好き!
脳内妄想☆大暴走中
思いついた言葉を書き連ね
作品置き場にしています。

☆当サイトはリンクフリーではありません☆
ルールを守っておられる「ス/☆ビ」二/次サイト様、お付き合いあるマスター様と相互リンクさせていただいています。お手数ですがリンクを貼られる前に必ずご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト様からのリンク、多くのサイトを無断で紹介されているサイトは固くお断りさせていただきます。
(リンクはトップページにお願いいたします)

ようこそ

最新記事

リンクご案内

ちょび様
陽のうらうらと
ピコ様
Bubble Shower
sei様

風月様
popipi様
ちなぞ様