Gynoid 1

こんばんは  かばぷーでございます。

新しく連載はじめます。タイトルの「Gynoid(ガイノイド)」とは女性型のアンドロイド。
未来系パラレルなんですけれど、蓮さん…実は初老の…いえ、妙齢のおじ様です。
イメージとしては、クーパパっぽい年齢?
45歳くらいのイメージかなあ…。
でもきっと格好いいと思うので、今の蓮さんにちょこっとプラスくらいで読んでください。
あと、後半にはちょっと悲しい場面もでてきますので、注意が必要です。


では、どうぞ





「よし…!完成」

ここは超ハイテク未来都市 Tokyo

近年、少子化の影響を受けて工業用ロボットの汎用化とともに家庭用ロボットの需要は増加の一途を辿り、2000年台初頭からヒト型ロボットの開発は進んだ。

ネコ型ロボット、イヌ型ロボットと家庭用ロボットの変遷に伴い、俺はついに家庭用ヒト型ロボットを完成させる事ができたのだった。




Gynoid 1




「出来たか?蓮」
「ええ、これでどうでしょう?」
「どれ、見せてみろよ。へぇ~、表面上はいい出来じゃないか!」
「何ですか?表面上って、失礼な」

同僚且つこの研究室の総責任者である社さんにからかわれるも、まんざらではない。

当時は自動車メーカーなどがこぞってヒト型人工知能搭載ロボットを開発。だが、その外観や動きはやはりロボットのソレで、いくら人工知能が発達したからといって、ロボットとしての外観、質感はどうしようもなかった。あくまでも人間と勘違いするようなアンドロイドはまだ世間にはなく、人々はその開発に夢中になった。

その時代を経て、人工知能・人工皮膚・人工筋肉・チタン合金とセラミック製の基本構造に至るまで、あらゆる装備を人工的に且つ繊細に研究し、作り出した俺達の開発チーム。

長い年月をかけて試作を繰り返し、ここに生み出したのはアンドロイドの女性型
つまり、ガイノイド “Kyo‐ko”。

リアルさを極限まで追求したこのガイノイドは、外見上は全くロボットである事を無視している。
しなやかに動く関節、睫毛や爪の先一本一本までヒトと見間違うほどの精巧な出来に仕上がっている。あとは…プログラミングの出来を見るだけ。

「さあ、起動だよ。キョーコ」

俺は静かにメインコンピューターの画面をタップした。

――――シュウゥゥッ



うなじのコードが音を立てて外された瞬間、俺たちは息を飲んだ。

静かに…静かにキョーコが目を開く。

密度を濃くした睫毛の下から、紅茶色の瞳が冷たくこちらを覗く。
艶やかな唇がまだ意思を持たぬまま、固く閉じられていた。

「おはよう。はじめまして…だね、キョーコ。」
「おはようございます、私はKyoko。」
「どうだい?気分は」
「気分…それはまだ私の情報にはありません。気分とはどのようなものですか」
「そうだね、データベースから検索してご覧?出来る筈だよ」
「はい、検索します……分かりました。現在の気分は良好です」

小さく動く唇から発せられる声も、その姿も息を呑むほどに可愛らしい。

「蓮…上手くいったな。」
「ええ、今までの学習も損なうことなく情報として活用されているみたいです。」

社さんと握手を交わし、次の課題に入ることを告げた。

「では、キョーコ。これから君の機能訓練に入る。これからあらゆるデータを取っていくからそのつもりでいて?」
「はい、了解しました。」

歩く事、腕を動かすこと、家事をすること、会話をすること…あらゆる動きのデータはすでに情報化されている。30年も前からアニメーションで人間の動きを再現できたくらいだ。動きの情報を組み込む事はたやすい。
プログラミングと実際の動きの整合性を取りながら、学習型ガイノイドは目を見張る速さで学習を進めていった。



*  


「マスター、この荷物はどこに置きますか?」
「ああ、そこの棚の上においてくれ」
「はい、了解です。」

そこの棚なんて、曖昧な表現もすぐに理解するようになった。
会話も滞りなく進み、声にも喜怒哀楽の表情をつける事だってできる。

「君のおかげで助かるよ」
「そうですか?そういっていただけると嬉しいです。」

声だけは嬉しそうに、返してくれるキョーコ。
だが、表情は驚くほど無機質で、ガラスのように冷たい。
顔の表情データも入力済みのはずなのだが、感情と表情が上手くリンクできていないのだろうか?

「キョーコ…もっと笑ったり、表情が豊かになったりできればいいのに…」

そう言って、顔をなでる俺をキョーコは静かに見た。

「ご期待に沿えず、申し訳ございません…」

その声もとても申し訳無さそうなのに、表情は固い。

「とりあえずはそこまで気にしなくても大丈夫だよ。明日から研究所を出て、俺の自宅でのデータ収集に入るから。多分大丈夫だろうから、心配しないで」
「はい、マスター」


実際に自宅での家事遂行能力試験では、目を見張る結果を得た。料理、裁縫、洗濯、掃除…水に対する人工皮膚の抵抗試験は申し分なかったし、手先の器用さも申し分ない。
申し分ないどころか、情報を収集する能力にも長けたキョーコは、再現能力がずば抜けており、一度やった事は綺麗に再現される。

これは、もの凄い事だ。

量産型ネコ型ロボットの時点で、人類はかなりの恩恵を得ていたが、それがヒト型…彼女をガイノイドだと紹介しなければ、表面上は俺達人間とまったく変わらないといえるヒト型人造構造物の活用方法は計り知れない。
医療・介護・教育…幅広い分野での活用が見込める。

ただ…家事遂行能力以外に望まれる、重大な彼女の用途について、俺はテストを行う事ができずにいた。
そして、表情以外にも彼女の二つ目の難点を発見する事となってしまった。


「申し訳ございません。手加減…とやらは出来かねます。」


彼女の難点の二つ目は攻撃性…つまり戦闘に対する戦闘兵器としての能力も半端なかったという点だった。





(続く)




青いネコ型量産ロボットのまだ後のお話…
アレはアレで高性能なんですよ。
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コメント

こんばんは(^^)
おじさん蓮さんなんですね。
なんとなく読んでみて昔映画館で見た『AI』とゆー映画を思い出しました。
一回見るのに5回くらい号泣した覚えがあります。気に入ってDVDも買いました。
これからどのような展開になるのか楽しみにしてますね☆
悲しい所があるみたいですが、たまには泣くのもありかな(笑)
Re: こんばんは(^^)
> じゅんこさま

A.Iという映画は観た事ないので、知りませんでした。
そういう泣ける映画なのですね。因みに今回の続きは泣けるほどではないと思います。どちらかというと、ちょっぴりおふざけ系も入っているので。
けれど、背景がなんというか…ちょっぴりシリアス。
だからそれを薄めるために軽いタッチにしてみました。
どうぞお楽しみくださいね。コメントありがとうございました。

  • 2017-06-20│21:49 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]
アンドロイド✖人間
こんばんは。

きっと、アンドロイドのキョーコさんと、人間おじさまな蓮さんの、恋愛模様へ進んでくれるのだろう…と思ってます。

悲しい結末はちょっと×××ですが、、、
更新楽しみにしてます。
  • 2017-06-21│22:48 |
  • harunatsu7711 URL│
  • [edit]

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