嫁ものがたり 2

こんばんは
2話目が出来たので早速UP!







「どういうことなんです?一体どういうつもりですか!」

電話口でクオンは呆れたように問いかけた。




嫁ものがたり 2





『どういうことも、どういうつもりも分かっていると思ったが?彼女はボスに頼んでお前の世話のために来てもらった日本人だ。』

「日本人…って、何故突然に!」
『別に突然でもないだろう、彼女はボスのところの秘蔵っ子でね、以前から日本に行った時にはいつも私の世話をしてくれている子なんだ。料理は上手いし、演技も上手い。肝が据わっていて将来が楽しみな子だよ』

「演技も…って、彼女は役者なんですか?」
『そう、彼女はLMEに所属する女優の卵なんだ。私自身の手で育て上げてみたいと思わせる逸材だね』

そういうクーの言葉に若干の興味が湧いた。
だが、ここで興味を示してしまってはクーの思惑に嵌ってしまう。

「だからって俺に断りもなしに決める事じゃないでしょう?」
『別にいいだろう?住み込みのハウスキーパーを私が直接手配するくらいの事。とにかく彼女はお前のところで過ごすんだ、悪いが忙しいから切るぞ』

「ちょっ…父さん!(ガチャ)…っつ!!」

クオンは苦々しい思いでスマホの画面を見た。

(まさか…父さんがいきなりこんな強硬手段に出るなんて…何を企んでいる?)

じろりとキョーコを見た。


(……まさか、これが?
    これが父の認めた自分の結婚相手とか言うんじゃ…?)

クオンはキョーコを前に盛大に息を吐いた。

容姿は十人並み
茶色い髪、紅茶色の瞳
凹凸が乏しい華奢な身体に奇妙奇天烈な超どピンクのツナギを着こんで、これまた超どピンクのフリフリエプロンをしいている姿はクレイジー極まりない。

いくらボスの秘蔵っ子だと言われても、いくらクーの日本での世話係だと言われても、クオンは彼女がここにいる現実を受け入れる事が困難に思われた。


「君…帰っていいから。もうここには来ないで」

憎々しげにそう言うと、キョーコはふわり…と笑って答えた。

「いえ、大変申し訳ないのですが他ならぬ先生の指示ですので、Mr.ヒズリのお世話を心を込めてさせていただきます」
「俺は君の世話なんか要らない。必要ない。だからここにいるのは迷惑だ」

キョーコは半分据わった目でキロリ!とクオンを見た。

「Mr.…聞くところによりますと、貴方は食生活が非常に杜撰だそうですね。放っておくと何日も固形物を召し上がらないとか」

ぎくっ…

「先生は役者としての体力を維持するためには、食事・睡眠・運動のバランスを整える事が大切だと仰っています。最も重要といえる食事による体調管理が出来ない人間を一流の役者と呼べるのでしょうか?まして、それを知ったご両親のご心痛やいかに!」

ぎく、ぎくっ…

「体調管理としてサプリメントなら飲んでる!食事だって…」
「サプリメントは食事ではありません!!!」

ビシッとキョーコは指をクオンに突きつけた。

「僭越ながらこの最上キョーコ、Mr.の食事を作るためにわざわざ日本から派遣されました。よって、ここにはこの場所以外に住むところも帰るところもございません!もし私が不必要であると仰るならば、それ相応の理由とともに、先生に直接交渉を願います!」

何なんだこの娘…と有るまじき迫力にクオンはまじまじとキョーコを見た。

「とりあえず、食事は出来ております!お召し上がり下さい!残さずにですよ!!!」




* * *



『ふはははははっ…流石最上君、やるじゃねーか』

電話の向こうの画面では、盛大に大笑いするド派手な男性の姿…
自分の意見を無視された挙句、キョーコが突然家に来たことが衝撃過ぎて、クーのみならず日本にいるローリィにまで、電話をかけてしまったことを若干悔やむも、恨み言を言うにはこれしか方法が思いつかない。

「笑い事じゃありませんよ。どうしてボスはあの人の言う事なんか聞いたんです?」
『えー…?そりゃまあ、思うところがあるからよ』

「…父といい貴方といい、一体何を企んでいるんです?」

『何だ、人聞きの悪い…別に何も企んでなんかいないさ。で?最上君の料理はお前の口に合わなかったのか?』

「………合いましたよ。非常に美味しかったのは事実です」

『ふはははは!そらみろ!』
「あの人が言うのだから間違いはないのだと思いましたけどね。けれど、それとこれとは別です。俺の周りの世話は必要ないので彼女を日本に呼び戻してください。」
『いきなりこういう状況になって驚いたのは分かるがな、クーから言われたわけじゃないが、最上君に関しては俺からは絶対引っ込めないから、覚悟しておけ』

「……!?(何なんだ?まさか本当に二人して彼女と結婚させる気じゃないだろうな)」

テレビ電話の先にいる主は、クオンににやりと笑って見せた。

『ま、俺にとっちゃクーもお前も似たようなものだから心配くらいさせろ。とにかくあの娘は暫くお前の家に置いてやってくれ。それが仕事だと言い聞かせてあるし、恐らく…お前にとって必ず役に立つ筈だ』
「ちょっ…ボス!」

笑いながら切られた電話にクオンは小さく舌打ちをした。

二人の偉大なる男があれこれと過保護なほど自分に世話を焼くなんて、何て自分は小さく見られているのだと苛立ちもする。
とにかく、住み込みで自分の世話をするという最上キョーコにすんなり日本に帰ってもらえたらいいのだ。あれやこれや理由をつけて、ボスに泣きを入れさせて、日本に連れて帰ってもらいたい。勿論女性を泣かせるなんて自分の主義には反するが、ここは心を鬼にして彼女に当たるしか無さそうだ。

クオンはまた小さく息を吐いて、自宅でも演技をせざるを得ない状況に父とローリィを恨んだ。




(続く)



今回、スキ/ビのほぼ全部の設定をそのままにパラレルにしてみたのです。
なので、違和感はないと思うのですが、なにぶんスランプ開けの文章にて推敲が足りませぬ。
そして、書き始めたら予想通りとまりません。この3連休は書き三昧が出来て、自分でも嬉しくなりました。(旅行に行きたいとかいいながら、これですわ…)
少し間隔が開きますが、次回は週末UPの予定です。
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