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嫁ものがたり 11

こんばんはー


なんだか切りどころが分からなくなっちゃいまして、ちょっとばかり読みにくくてごめんなさい。






嫁ものがたり 11




映画の撮影が始まる直前
ようやく台本を手にしたキョーコは、映画の舞台となった当時の複雑な背景を思い描いた。

既に撮影が進んでいて、役作りに余念がないクオンを見るのはとても刺激になリ、クオンから多くのことを学ぶことが出来た。
そして、たまにクオン自身から演技指導を得る機会にも恵まれ、それはまるでご褒美のようだった。

もともとはクーに演技指導を請うために、クオンに食事を作って食べさせるという依頼を受けたキョーコだったが、クオンもハリウッドで活躍する人気俳優の一人だ。その演技力に何ら遜色があるわけではない。それに、親の七光りだというデメリットを克服するために磨いたという演技力は、自宅での読みあわせでも十分に発揮された。

夫婦としての練習の最中にも、次第にクオンへと気持ちが向いていく自覚があったけれど、今までと同じように蓋をした。そして気付かない振りをした。
けれど、実際の撮影現場に入った直後、キョーコの心を決定的に奪ったある出来事が起きた。





「やあ、準備できた?」

メイクを終え、ドキドキとクオンを待つキョーコの元にやって来たクオンの声に振り向いたときだった。

「…………(誰?)」

さらりと黒髪をなびかせて黒いカラーコンタクトを付け、軍服を着こなしたクオン…いや、敦賀蓮がそこにいた。

ドクン!!

有り得ないほどの動悸がキョーコを襲う。
今までも金髪碧眼のクオンにときめかなかった訳じゃない。
王子様のような容姿をしたクオン…妖精コーンかと思ったクオン。けれど…そのトキメキとは全く種類の異なる鼓動が耳の奥で破裂した。


「キョーコちゃん? キョーコ…?」

名前を呼ばれたとたん、みる見るキョーコの顔が赤くなる。

(……え?今日のこの反応は…夢?)

「キョー…」
「ちょっ…ちょっと待って!今!今すぐに立て直すから!」

真っ赤な顔で俯くキョーコの反応にどう反応していいか分からないクオンは、小さく咳払いをすると静かに言葉を紡いだ。

「最上キョーコさん、君と共演できて嬉しいよ。君の夫役をさせていただくクオン・ヒズリです。どうぞよろしく」
「は…はいっ!こちらこそよろしくお願いします」

静かに差し出された大きな手のひら。初めて触れるであろうその大きな手にキョーコの小さな手が重なった時、二人に暖かい気持ちが広がったと思った。





GHQとの交渉役に当てられた日本人将校の敦賀蓮という人物は、この映画では重要視されている。敦賀の日本と妻を思う日本人的な繊細な一面は、なかなか外国人には理解されない心情なのかもしれない。
日本人キャストが望まれたにも拘らず、選ばれたのはクオン・ヒズリであった。クオンが日本人を演じる話題性も手伝った結果であろうが、流石にオーディションで選ばれただけある。日本から助監督が招かれたこの映画の撮影に当たって、クオンの演技は秀逸であった。また、敗戦国である当時の日本のおかれた状況や背景描写においては、妻役であるキョーコの演技からもいかんなく発揮された。

脇役といえど、大事な役柄を二人は丁寧に演じた。
交渉に望む前に二人が演じたラブシーンも、涙を誘うものであった。


そうして迎えたクランクアップ。

既に撮影の終わったキョーコも最後までこの映画の撮影を見届け、クオンに労いの言葉を贈った。

「クオン!クランクアップ、おめでとう!」
「ありがとう、キョーコ」

髪色を明るい色に戻し、恥ずかしそうに花束を差し出すキョーコに、クオンは衣装のままその身体を少し曲げた。

「お嬢さん、大変美しい姿でお越しくださってありがとうございます。もしよろしければ、私…敦賀蓮の妻として、今夜のパーティーにエスコートをしたいのですが、いかが?」
「………っ(///)!」

「ん?返事は?」
「勿論、OKに決まってます!」

どうもクオンのままの出で立ちより、蓮の役の姿の方がキョーコの可愛らしい反応が引き出せるみたいだと気をよくしたクオンだった。

その後の記念パーティーでも二人は仲睦まじいカップルとして映った。





「やあ、クオン。見つけた!今回の映画も君の新しい一面が発見できたよ。」
「ありがとうございます。監督、私のほうこそ新しい役に挑戦できたのは良かったです。」
「おや?そちらにいる可愛いお嬢さんは、君の妻役の女性だね。」
「ええ、私の妻役をした京子です。」
「Oh!京子、君に出会えてラッキーだったよ。今回はどうしても日本人を起用したかったんだ。」
「リッチー監督、この度は素敵な役をいただいてありがとうございました。」
「いや、とても繊細な演技を見せてもらった。細かい心理描写は日本人ならではなのだね。こちらも大変勉強になったよ。クオン、君も素晴らしかった。」
「「ありがとうございます」」

監督の趣向で仮面舞踏会風の装いをした出演者たちは、よく見ないと誰が誰だか分からない出演者もいたようだ。
クオンもまた、まだ戻していない髪色のままでは、なかなか特定されなかった。そんな中、リッチー監督から直々にお褒めの言葉をいただいたのは良かった。
勿論撮影中は何度か声をかけられ、指示を受けた経験はこれからの芸能活動の足がかりとなるだろう。


パーティー会場では主演男優、女優…その他の主要キャストに混じってクオンが微笑む。
クオンに腰を抱かれながら、仮面越しに見上げるキョーコの目は、もう家政婦の目ではないと社は確実に理解していた。

キョーコの視線の意図に気がついているのはその会場に二人いた。
クオンが視線に気が付いていないのは真に残念ではあるが、当然気が付いている一人は社で、もう一人は…あの時クオンに振られた一人、セシルだった。





(続く)




いやさ…クオンも好きだけれど、私…蓮さん押しだから!!


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コメント

こんばんは(^^)
更新ありがとうございました(^3^)/
いーわよいーわよ💕諦めてクォンでも蓮様でも、惚れちゃって~✨
例えパロでもどこぞの馬の骨みたいな女としてほしくなかったので、未遂で良かったf(^^;でも、ちょっぴり温かな雰囲気でいてる二人に嫉妬して無いこと無いことキョーコに言いそうでぅわーーーーー💢って見てもないのに想像してイラッとしてるワタシ…
頑張れ蓮様!!外国ノリでガツンといっちゃえ!!次も楽しみにしてます‼️
Re: こんばんは(^^)
> じゅんこ様

コメントありがとうございます。
え~~っとぉ、クオンで行こうと思いながらも、やっぱり妄想の中に蓮さんを登場させてしまった私…ごめんなさいね(汗)
あとはね、どこぞの馬の骨とも分からない女と、キョコさんが側にいるのにさせられませんよ!いくら妄想といってもね?
だから、イラッとしてくださってありがとうございます。
ええ、のほほんとしているキョコさんの変わりに、是非イラッとしてやってください!

  • 2017-08-27│18:50 |
  • かばぷー URL│
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