嫁ものがたり 16

こんばんは 最終話になりました。

最終話は一応(←?)無事にハッピーエンドでございます。
どうぞお楽しみ下さい。







嫁ものがたり 16




「まあ、楽しそうに何の密談?」
「密談だなんてジュリ…そんな物騒なものなんてないよ。これから、クオンの一大報告があるらしいから、まあ聞いてやってよ。」
「何?楽しい事なら嬉しいわ」

料理の手を止めたのか、一段落したらしいジュリエナが声をかけた。

「聞いてのお楽しみ。さ、キョーコもこっちにおいで?」

水を向けるとキョーコも微笑みながら近づいてきた。
ニコニコと嬉しそうな姿は、これから何が起きるのかなんて、全く想像もしていないだろう。


いつかは…いや、すぐにでもしようとは思っていたけれど、まさかこんな所で公開プロポーズをさせられるなんて、まるっきり想定外だ。
確かにキョーコに名前呼びを許された時点で、将来を誓ったといっていいかもしれない。けれど、いきなり両親の前でキョーコに結婚の意志を伝える事になろうとは…

「なんだ?そんな驚いたような顔をして。まさか、これからの展開が分からないというのか?クオン…そ」
「…そんな子に育てた覚えはないといいたいのでしょう?失礼な。」

クーはにやっとウインクをして見せた。

「流石私の息子だ。期待しているぞ?」

いいアイデアだろうとばかりに親指を立ててみせる父。
その傍らでは、期待感でワクワクと目を輝かせる母親と、何が起こるのだろうかと同じように目を輝かせるキョーコ…

「お前が誰かを正式に私たちに紹介しようという気持ちになれたこと…それこそが成長の証ではないのか?…クオン…さあ、私たちにキョーコを紹介してくれ。」

ああ、そうか…大切な人は作れないと、そう思ってきたけれど…時は満ちたのだ。

自然と人を愛する事ができる。
自然と人に愛されたいと願う。

キョーコを愛する気持ちがこんなにも温かく自分の心の中に浸透している。
キョーコの愛したくも愛されたくもないと言う気持ちも…今、確かに自分を受け入れてくれていると感じる。
実を言うと、まだキョーコに愛されている自信というほどの確信が持てないのが口惜しいけれど、もう、待てない。

枯れた泉の奥底から湧き出るように、溢れ出す想いがここにある。

キョーコはそれを愚かな感情といったけれど、愚かだとは思わない。
こんなにも君を愛したくて、こんなにも君に愛を囁きたくて仕方がない。

もしもこれを、愚かだというのならば……俺は喜んで愚者になる。





「キョーコ」

「はっ…はい!」


神々しい微笑みを湛えて、キョーコの前で膝を折る。


「キョーコ、君が好きだ。君を心から愛している。僕と…結婚して欲しい。」

「…え?」

いつになく上気した顔は驚きを隠せないまま、キョーコの目がまるっと見開いた。


「僕と結婚してくれる?今ここに永遠の愛を誓うよ」

「結婚…?」

「うん、どう?」

キョーコはぽうっ…と頬を染めた。


大丈夫、もう順番は間違えない。
友達から始めて、思いを伝えあって、口付けを交わした。
花束も、指輪もまだないけれど、君を手に入れるには、後はプロポーズだけだ。



「もう一度言うね。最上キョーコさん、俺のお嫁さんになってください。」








(嫁ものがたり・おしまい♪)






思いの他長くなってしまいましたが、最終話までお付き合い下さりありがとうございました。。
私のお話の中では最も長いお話と成り果てましたこの作品、長い間書けない時期を経ての長編と相成りました。
書きかけのお話たちを押しのけて,“嫁”というキーワードだけを頼りに書いて参りましたので、読み辛い点も多々あったと思います。原作の設定をかなり意識した挙句のパラレルでございました。

因みに…キョコさんのお返事、気になるかと思いますが、そこは勿論「Yes!」でございますのよ?
あえて書かない理由はあるんですけど、まあ、それは追々…。次の番外編でホッとしていただけるのではないかと思っております。

もともとこのお話の発想の元は、私の先輩(元同僚男性)があまりに結婚なさらないので、痺れを切らした親御さんが自分の気にいったお嬢さんを『嫁』だ!!と勝手に家に入れてしまわれたという実話がありまして…(平成のお話ですよ?)
ああ、そういえばこんな非現実的なこともあったなあと思ったら、ポポポーンと…。
同じ屋根の下に年頃の男女を入れておいて何もないわけがないからな!!と…随分強引な嫁とリ模様でしたが、今ではお子様も生まれ健やかにお過ごしでいらっしゃいます。多少強引なくらいが昭和な感じで良かったのかもしれません。

そんなひょんなアイデアから生まれた嫁ものがたりです。
お楽しみいただけましたなら、幸いにございます。


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完結おめでとうございます。

キョーコが尊敬し信頼している、自らの親の前でプロポーズ!
これだと、「嘘」でも「冗談」でも「からかい」でもないことがキョーコさんにちゃんと伝わりますね!

ナイス、プロポーズです!!⁽⁽٩(๑˃̶͈̀ ᗨ ˂̶͈́)۶⁾⁾

番外編も読めるようで、楽しみです。

それにしても、リアル嫁確保親のお話。うまくいってよかったですよね〜。いかないときっと好意をもって嫁入りを覚悟した女性が不憫すぎますし。

強引でも、幸せになれるなら時代なんて関係ない。幸せになれないなら、病む前に、全力で逃げ出す勇気も必要。そう思いました。

思わず別部屋訪問

完結おめでとうございます。

ふふふ、私ったら、番外編と聞いて思わず別部屋を訪問してしまいました。。。更新なかったので、、、。私は自分を恥ずかしく思ってしまいました。こんな大人でよいのでしょうか?⁉

Re: 完結おめでとうございます。

> まじーん様

> ナイス、プロポーズです!!⁽⁽٩(๑˃̶͈̀ ᗨ ˂̶͈́)۶⁾⁾
ありがとうございます!!
クーパパのナイスアイデアだろう?は、その通りだったようですね。
まさか、クオン君は親の面前でなんて考えていなかったでしょうけれど、上手くいってよかった。
ただし、花束も指輪も何もない(笑!)
なんて間抜けなクオン君だとは思いますが、手っ取り早くキョコさんを手に入れるための手段の一つと割り切ったに違いありません!

リアル嫁取りは、本当に吃驚する出来事でした。
だって、家に帰ったら嫁がいるんですよ?
まあ…上手くいって本当に良かったです。

お付き合いくださいまして、ありがとうございました。

Re: 思わず別部屋訪問

>harunatsu7711 様

ご訪問ありがとうございます!
思わずぷぷぷぷっ!と笑ってしまいました(大変失礼…)
そんな大人でいいんですよ。私もそんな大人ですから。
番外編と聞いて、訪問いただけるほど桃渇望してくださったのですね。期待させてしまって申し訳ございません。
今回も(←?)桃封印でしたから、さぞかしヤキモキとさせてしまったのではなかろうかと思っております。

コメントをありがとうございました。

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