それは受難か恩恵か 6

最終話です。
こんな事一度くらい体験できたら面白いのにな。






鏡越しに自分の全身を眺めるのはごく当たり前のこと。
顔、身体,髪、皮膚のあらゆる場所にまで、人は誰もが自分の身体に責任をもつ必要がある。
芸能界にいる二人なら尚更に日々手入れもするし、見られても平気なように細心の注意を払ってきたつもりだ。

けれど…他人の目から自分がどう見えるかなんて、奇妙な体験をした挙句に、お互い自分の身体を求める事になろうとは、思いもよらなかった事である。




それは受難か恩恵か 6




目を閉じて、自分の慣れ親しんだ身体を互いに弄るのはなんとも言えない気分だった。
気持ちがいい場所も感じる場所もなんとなく分かっているけれど、その感触が直に体感できないのはもどかしい。
その反対に、相手から与えられる刺激の何と甘美な事か…

ここを触るとこんなふうにぞくり…とするとか、熱を持った下半身が疼くとか、感じ方が己のそれとは異なるのだ。しかも、目を瞑ったままでの行為はいつもより刺激も強くて、快感が増すように感じられる。

もし、ギャラリーがいたなら(いる訳ないが)今日のこの睦みごとは、積極的な最上キョーコが受身の敦賀蓮を翻弄している風にしか見えないだろう。けれど中身は真逆なわけで、いつもと同じように蓮がキョーコを組み敷いている構図。
キョーコは馬乗りになる自分が蓮にとっては意外と軽くて小さいのだと実感したし、自分で思うより色々柔らかくて、思った以上に肌触りが良かった。
蓮は蓮で自分の手のひらが意外に大きくて確かな熱を持っているのだと実感し、その大きな手はこんなにもキョーコの胸を覆い隠してしまうのだという事をまざまざと感じた。だからこそキョーコは胸が小さいなどとやたらと気にするのだということも分かるなど、不思議な睦みごととなった。

二人はよく分からないながらも一つになり、よく分からないながらも快楽に打ち震えた。







「キョーコ…お願いがあるんだけど」
「…はい?」
「もうちょっと鍛えようね?足腰ががくがくする。」
「すっ…すみません。頑張ります!」
「ぷっ…けど…キョーコはこんなに快感が強いんだね?知らなかった…」
「そんな事…知りませんよ!男性だってこんな…湧き上がるみたいな感じが不思議ですし、その…目の前が一瞬で弾ける感覚にビックリです!」
「ぷぷっ…そうだね。お互い吃驚することが多すぎた。」

二人はのん気に笑う。

「だけど…凄く気持ちがいいよ。キョーコの言うセラピー、分かった気がする。」
「でしょう?私も…その、蓮さんがいいって言ってくれる意味が…」
「分かった?」
「…少しですよ?」
「何だ、少しか。凄くキョーコは“いい”のにな。」
「ふふ…嬉しいです」
「なんだか、凄く今日は疲れた…もう、休もうか?」
「私も…」

明日は朝が早い。勢いに乗じて致してしまった事を悔やむ気はないが、今日はなんだかお互いに眠気が強いように感じる。
きっと自分とは違う身体、違う生活に疲れてしまったのだろう。

シャワーもそこそこに早々にベッドに向うと、あっという間に睡魔が舞い降りた。



* * * * *



ピピピピッ…ピピピピッ…ピピピピッ…

朝の訪れを知らせるアラームが意識の向こうで鳴る。
キョーコはそれを止めようと、手を伸ばした。

(重い…)

自分の上に乗っかっている大きな腕がとてつもなく重い。

「重っ…え…重い…?」

そう、ついいつもの癖で蓮の身体に巻きつくように、即ち蓮の姿で自分のボディに巻きつくみたいにして眠ったのだから、今朝のキョーコは重いのだ。あちこちが痺れているような気がする。
しかも、ズドーンとした腰の痛みは紛れも無く自分のモノに違いなく、足の付け根などいつもより若干痛みが激しいのは気になるところだ。

「……戻って…る?…戻ってる!戻ってる!!蓮さん、起きて!起きて!!戻ってます~~!!」
「…ん?どうしたの、キョーコ…」

紛れも無い自分の声にはたと気付く。

「戻って…る?」
「はい!元の身体に戻っています!」
「よかっ…た……」
「良かった~~!!」

手放しでキョーコは喜んだ。
けれど、蓮はいわゆる困り顔…

「?蓮さん、どうしたんですか?嬉しくないんですか?」
「いや…嬉しいけど、なんか複雑。」

「…?なんで?」

気まずそうに、本当~~~に気まずそうに蓮はキョーコをみた。

「怒らない?」
「事と次第によりますが…」

「…………もうちょっと自由に触りたかったなとか思って…」

ぺちん!

「イテッ」
「もうっ!勝手に触らないでって言ったじゃないですか!」
「怒らないって…」
「事と次第によります!もう!」

プリプリと怒ったって仕方がない。だって、本当に手を伸ばせばいつもキョーコの柔らかいおっぱいがそこにあったのだから。
だから昨日、実はセーラー服に着替える時なんかにちょっとばかり堪能したりして…勿論内緒にはしていたのだけれど。

「じゃあ、実物を触る…」
「ぎゃああぁっ!!朝から何始めてるんですか!?ちょっと!待って…」
「だって、いつもの事だし…ね?」
「ね?じゃない~~~!!!」


かくして…

二人の入れ替わりの時間は丁度丸1日。
何故こうなったかは分からないが、お互いの身体のいいところも困ったところも把握した。
人間関係をいろいろ発見できた事も面白かったし、その結果得た物も多い。
そして、たった1日の事なので周囲の人間が多少の違和感だけですんだのも有難いと言える。


まあ、多少の心残りはあるにせよ、貴重な体験には違いなかったと言えなくもない。
果たして彼らにとって受難であったのだろうか?それとも恩恵であったのだろうか?
奇妙奇天烈な不思議体験はこうして幕を閉じたのである。






(おしまい♪)





な~~んちって、蓮さんとキョコさんの不思議体験でした。
もし蓮さんの身体になれるのなら?う~ん、私は何をするだろう?
ちょっと妄想が膨らみそうです。
今回、限定をいれずにUPしてみましたが、激しいかな…もしだめだったら、限定記事に移行します。
ご意見をお寄せ下さい。

大丈夫なら、拍手をお願いします。


関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

私は蓮さんになったら、筋トレする!!

『それは受難か恩恵か』、題名からして、深イイ!!
しかも、その言葉でいい感じに締めましたね………かばぷーしゃま、さすがス(*^▽^*)

入れ替わった二人が、学ぶこと(?)、得ること(?)の多い話を、この数話だけでまとめあげるのがすごいなあって思いました( 〃▽〃)

この最終話は、好きなところがいっぱいあったんですけど、やっぱり、二人が入れ替わって「致した」ことで、キョーコちゃんが自分に対して蓮さんがどう感じてくれているかを知れたことの収穫って大きいなと。自信持てますもんね〰♡愛や絆が深まった感じで微笑ましかったです♡♡♡

ところで、どの要素が限定なんですか………ぽてと、わからないんですけど………(TдT)馬鹿ですか?非常識ですかっ!?

Re: 私は蓮さんになったら、筋トレする!!

> ぽてとたべたい&ぽてとあげたい 様

こんばんは~!!
限定じゃなくていいよね!?
良かったあ~~!非常識でもなんでもなくて、私が自信なかっただけです。

いや、際どいかもと思うしナニを連想するんですけど、これくらいは許されるであろうという楽天的な発想の元に通常版でUP!
やっぱり、通常版でよかった!

さてされ、私も蓮さんになったら、自分で筋肉を動かしてみます。(多分)
それでもって、筋肉おさわりします♪(多分…変たいチックに)
後は…高いところを掃除するかも?(多分…するだろうな)

とっても不思議なお話にお付き合いくださり、ありがとうございます。

え?入れ違いのまま…

こんばんは。

入れ違ったまま二人がラブラブ…には少々驚きました‼

でも、はた目から見たとき、キョーコさんが押せ押せ、という構図是非とも、通常版で拝見したいです‼

不思議なお話、ありがとうございました❗

Re: え?入れ違いのまま…

> harunatsu7711様

入れ替わったまま、やっちゃったんですよ~~!!
押せ押せキョコさん、是非本誌でもみたいですけれど、恥ずかしがっているキョコさんしか思いつきません~~。
だけど、セッちゃんスタイルだったら簡単に妄想できるんですけどね。
コメントが遅くなりましたが、お楽しみいただけて嬉しいです。

おお、完結している!!

うふふ、入れ替わったままラブ!
蓮さんの方は、キョコさん攻めのヒントになり、キョコさんの方は自分の魅力がもたらす威力を体感でき、よかったです。(笑)

もしも女性がモテモテ男性になったら。
もしも男性がモテモテ女性になったら。

男性の方は女性となった自分の身体を堪能しつつ、普段の生活では非力だったり体力がなかったり、歩き方やしゃがみ方、普段の振る舞いなどに苦労しそうです。社会人の場合、女がして当たり前のこと。日本は多いですから、いろいろ大変そう。

女性は案外「モテモテ男」生活を楽しみそうな。
切り替えが早いですし、「男性」としての生活には問題なさそう。でも、群での自分の位置付けが大事で、女性とは違う部分でプライドが高い、男社会の中での付き合いは、大変そう。

キョコさんも蓮さんも、恋人としてだけでなく、役者としてもよい経験ができてよかったです。

楽しいお話でした!!

次のお話ももうあるようなので、また遊びに来させていただきます!ありがとうございました!

Re: おお、完結している!!

> まじーん様

完結しましたー!!
今回も何じゃこりゃ?な展開と相成りましたが、お楽しみいただけて何よりです。

キョコさんのいいところが分かった蓮さんは、きっとそこを今度は攻め…(むぐっ…)
キョコさんも自分が「いい」ことが分かってちょっと自信に繋がるのではなかろうかと推察します。

一度でいいから、キョコさんにも蓮さんにもなって見たい我輩です。
漫画の世界の住人になれる妄想~~~うう~~妄想の王道って、楽しいねえ♪
プロフィール

かばぷー

Author:かばぷー
ス/☆ビ大好き!
脳内妄想☆大暴走中
思いついた言葉を書き連ね
二次作品置き場にしています。

☆当サイトはリンクフリーではありません☆
お付き合いある「ス/☆ビ」二/次サイト様、マスター様のリンクをいただいています。リンクをご希望の場合、お手数ですがリンクを貼られる前に必ずご一報ください。尚、原作者様の作品画像やアニメ画像を無断掲載をされているサイト様からのリンク、多くのサイトを無断で紹介されているサイトは固くお断りいたします。

Attention!
The all of this are NOT related with the Author and/or the Publisher. Not allowed to permit from all illegal actions by the website rules. No reproduction and/or republication without any written permission from blog author and/or web site owner.
Each blogs has the copyright after publication showing on the web site and each web page by the author.
注意!
この中の全ての物は、原作者及び出版社とは関係ありません。
ウェブサイト会社規約、全ての違法行為を禁止します。著作者の許可なく摸作・転作などの行為を禁じます。
各ウェブサイト又は各ブログ執筆者により書かれた、もしくはデザイナーに描かれたそれらの創作作品は、公共へ配信された時点で著作権は著者が所有しています。 

ようこそ
最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンクご案内
ちょび様
陽のうらうらと
ピコ様
sei様 風月様
popipi様
ちなぞ様 ぞうはな様