温泉に行こう!1

なぜかシリーズ化しております、「○○に行こう!」
前回の「お城に行こう!」以前にかき始めてはいたものの、しっくり来ずに保留。
ところが、成立させたらサクサクと…Σ(゚д゚|||)

はい、つまり、全4話でありながら、2話、3話は限定という代物にございます。
(ノ∇≦*)にゃはっ!またやっちゃった♪

Beachに行こう!    番外編:Ver.奏江  Ver.社  Ver.蓮 
お城に行こう!     

のシリーズものにございまする。
どうぞお楽しみくださいませ~~。





「キョーコ、来週あたりオフが取れそうなんだけど、一緒に温泉に行こうか?」

付き合って半年が経つ頃、LMEが誇る美貌の先輩俳優はそう仰ったのだ。




温泉に行こう! 1




ずっと先輩後輩の立場で接して来たここ数年。
この愚かしい感情に蓋をしてきたけれど、抉じ開けられてしまった禁断の箱。

社長にはうっかり晒し、あろう事か古賀さんにまで見破られてしまったその感情を、ひたひたとひた隠しにしてきたけれど、流石に会えない期間が3ヶ月にもなると、お食事はどうしていらっしゃるかしら?とか、実物の声が聞きたいなとか敦賀セラピーをして欲しいなとか、邪な感情まで表に出始めてしまっていた丁度その頃。

まさか国外でヨーロッパのイタリアなんていう場所で会うことが出来るなんて、偶然の賜物以外でもなんでもなくて、しかも偶然にオフが重なるなんて有り得ないことまで現実に起こってしまって、しかもしかも、一緒にお城めぐりに誘っていただけるという禁断のご褒美に私の感情は振り切れた。

お姫様な気分で古城のホテルに宿泊をして、夢心地で敦賀さんとうにゃら、うにゃら…な関係をもった挙句に、とんでもない告白まで受けてしまった私。まだまだ駆け出しのタレントである最上キョーコが、有り得ないことに、抱かれたい俳優No.1という燦然たる経歴の先輩俳優様の彼女という立ち位置に、ちゃっかり収まることになったのがつい半年前の事。

勿論、社長は公認、両マネージャーも公認…だけれど、時期尚早ということで椹主任と松島主任どまりのいわゆる世間様にはまだ秘密のお付き合い状況となっている現在、相変わらず仕事で忙しい敦賀さんの食事事情が心配で、たまにお食事の準備に伺うと大変喜ばれて、有り得ないほど甘やかされて、やっぱり最後は引き止められてうにゃら、うにゃら…なことも数回…。

あとで敦賀さんが私のマネージャーである藤木さんにこってりと叱られて仏頂面になっていたり、オフが欲しいと社さんにごり押ししたりしている我儘な敦賀さんまで見せてもらえるなんて、ちょっと贅沢な気分。
そんな中での旅行のお誘い。きっと社さんが胃をキリキリさせながらあちこちに交渉に当たったんだろうな…と思わなくもない。社さんの交渉相手で一番手ごわいのは藤木さんに決まっているのだけれど。


「一泊二日しか取れないんだけど、キョーコの予定も大丈夫だよね?」
「はい、それは大丈夫ですが…あの…大丈夫なんでしょうか?」
「何が?」
「その…沖縄や海外とまた違うんですけど、旅行だなんて…」
「うん?それは心配しなくていいよ。大丈夫だから。」

とにっこりのたまう敦賀さん。

車に乗せられて着いた先は、秘境と表現するに相応しい山奥にある一軒の旅館だった。


* * *


「どうぞごゆっくり」

スーッと静かに閉じられた襖。
玄関先の整った佇まいと、手入れが行き届いた風情ある庭先。
石畳の渡り廊下で分断された各々の客室
案内する仲居さんの振る舞いを見ても当然分かる。

滅茶苦茶 高級な温泉旅館

それこそ、松乃園に匹敵する…いや、もしかしたらそれ以上かもしれないとさえ思わせる、恐らく超賓客もしくは芸能人御用達なのだろう。

「敦賀さん、こういう所をどうやって」

呆然とする私を見て、悪びれもせず敦賀さんは言うのだ。

「ん?社さんに教えてもらったんだよ。二人で気兼ねなくゆっくり出来る温泉を知りませんか?ってね。」
「二人で気兼ねなく…」

ぼふっと赤面した私の頭をポンポンと敦賀さんは撫ぜて、柔らかくキスを落とした。

「ん?何か期待した?」
「きっ…期待って!!」
「してないの?残念。一度キョーコとゆっくり温泉に来てみたかったんだ。」





社さんに探してもらったのは、VIP御用達、離れがある秘湯の温泉宿

一番奥まった離れの和室
大きなガラス窓一面に広がる色付き始めた紅葉
回廊型の広縁の先にはこの部屋専用の檜の内風呂とジャグジーつきの小さな露天風呂があり、その眼下には清らかな渓流。
屋内でも中廊下を挟んで続き和室と和洋室の寝室が分けてあるという徹底振り。

現実を忘れてしまいそうな優雅な空間に、さすがの俺も舞い上がってしまう。

キョーコにお風呂を勧められ、一緒に入ろうと言ったら断られた。
まだ明るいのと、食事の準備の時間までさほど余裕がないのが引っかかったらしい。

一人で入る露天風呂はのんびりするけれど、やはり物足りない。

あまり長湯も出来なくて、早々にあがった。
旅館のサービスはどれも申し分なかったけれど、流石に浴衣は特大サイズであっても少々ちんちくりんで、キョーコにはそれが可笑しかったようだ。

キョーコが内風呂を使ってから、間もなく準備された料理
次々に出される懐石にキョーコははしゃいだ。
いつもの自分にしては食べすぎなのは分かってはいたが、デザートまで一通り堪能して食後のお茶が出された。

「お客様、この下に川の湯がございますが、行って見られましたか?」
「川の湯…ですか。」
「はい。この離れを出ますと右に階段がございます。それを下ると川縁に源泉そのままの野天のお風呂がございまして、小さいですが滝も目の前で鑑賞できますので、そちらもどうぞご利用下さいませ。」

仲居さんにそう言われて、俄然キョーコは興味が湧いたらしく、瞳がワクワクとしている。

「キョーコ、行ってみる?」
「え!?」
「そちらは、他の利用者の方はいらっしゃいますか?」

質問の意図を理解したのだろう。
仲居は心得たように微笑んだ。

「大丈夫でございますよ。川の湯もいくつかございまして、こちらの離れから向かう川湯は一つだけ、他とは離れた奥の湯でございます。どうぞ御緩りとお湯を堪能してくださいませ。」

そういい残すと、気を利かせて部屋を後にする。
必要以上にでしゃばる事のないスタッフの動きに、キョーコのみならず、俺も感心していた。

(流石は社さん…こういうところを一体どうやって知ったんだろう)
したり顔で微笑む社さんの顔が思い浮かんで、クスリと笑みが漏れる。
自分への配慮なのかキョーコへの配慮なのか…いずれにしても大当たりだ。

「行ってみたいんでしょ?」
「はい!でもいいんですか?」
「一人は流石に駄目だよ。いくらなんでも夜中だし、何かあったら困る。」
「えと…じゃあ…」
「勿論一緒に行くよ。」
「はい。」


さあ、ここからようやく温泉旅行の始まりだと、俺は言いようもなく高揚した心地でいた。





(続く)


次回、次々回は限定!
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Re: 温泉、いいですねぇ

> harunatsu7711様

> 海いって、お城いって、次は温泉…。ムフフです。

むふふ…♪ 嬉しいです。

次回のおデートはバーベキューとな?いいかも、いいかも!!
「キャンプに行こう!」なんて、いい響きなのでしょう。
書きたくなって来ました。
時間が有ったら練りねリしてみましょうかね。
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