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続・幸せの定義 (2)

キョーコちゃん ハッピー☆バースデー

リク魔人さまにドボンで捧げた『幸せの定義』の続編。
幸せの定義
流れ星~続・幸せの定義~
ローリィの思いやり
続・幸せの定義(1)
に続くお話となっております。

魔人様のサイト、企画会場はこちら
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『リク魔人の妄想宝物庫:魔人ブログ3周年&4周年連続手抜き記念企画お披露目会場』

それでは、どうぞ~。


敦賀さんが自分にドレスをプレゼントしてくれた。

それは、一輪のバラと同じ色。
淡いサーモンピンクのつややかなドレス。
オフショルダーでリボンがハイウエスト位置にあり、その下にはシフォン生地がひらひらとゆれる。
それに合わせたアクセサリーとハイヒール。
ふわふわな肌触りの上質そうなコート。

『男性が女性に服を贈るのは、その後どうにかしたいって気持ちの表れだよ。』

確かにあの人はそう言った。

(私をどうにかしたいの?)

(どうしてドレスなんて贈ったの?)




続・幸せの定義 (2)




執事の迎えのリムジンに乗り、パーティー会場へ向かうキョーコ。
その身に纏うのは、日付が変わるのと同時に贈られた、蓮からのプレゼント。
サーモンピンクのドレスはキョーコの白い肌に良く映える。曲線的なやわらかいイメージのそれは、肌触りもよかった。

(間違いなくシルクよね、コレ。)

肩からかけたボレロも透けているのに暖かい素材だった。

一度社長宅に寄り、ミス・ウッズがウィッグとメイクを施してくれた。
今回のキョーコは、貴島に飾られたときのような別人ではなく、あくまでもキョーコらしく、でも、可愛らしくも美しい仕上がり。

「ほほ~最上君、綺麗に仕上がったじゃないか!」

「あ…ありがとうございます。」

「でしょ~?キョーコちゃんらしくって言うのがポイントなの♪」

「ああ、いい出来だぞ、テン。」

頬染めて綺麗な礼をするキョーコに、ローリィも満足げだ。

(これでラブミー部じゃあ無けりゃなあ〜)
キョーコの素材の良さを改めて実感する。
(ま、アイツが今日はヘタレなきゃいいこった。)

手を上げて、執事を呼ぶ。
「じゃあ、会場にはもう蓮がついている頃だな。主役が遅れたら洒落にならねーから、そろそろ向かってくれ。」

「かしこまりました。」

ーーーーー


社長宅からパーティー会場まではあっという間だった。
会場入り口に車が止まると、すっとドアが開く。
開けたのはドアマンではなく、麗しい立ち姿の先輩俳優。
車のドア一枚の開閉もスマートなその姿は、流石に今をときめく人気俳優、敦賀蓮。

「最上さん、おはよう。」

「おはようございます。」

「さ、お手をどうぞ。」

差し出された手を見つめ、戸惑うキョーコだったが、周囲の眩いフラッシュの中、おずおずと、その手を握った。
蓮にエスコートされて立つキョーコの姿は美しく、やわらかい微笑に周囲からため息が漏れる。
キョーコの手をとり、腰に手を回して見つめる蓮の眼差しは艶っぽく、キョーコも目のやり場に困る。
本場でしか目にすることが無いと思われる、ハリウッドスターさながらの蓮の振る舞いにメディアも、出演陣も釘付けだ。


自分の贈ったドレスで着飾ったキョーコは光り輝くようだった。
クローク前でキョーコのコートを預かりながら、デコルテにも自分が贈ったアクセサリーがあるのが嬉しくなった。

「最上さん、ドレス…着てくれてありがとう。とてもき…「そういえば敦賀さん!」」

またまた、うっちゃられた台詞。

この子はどうして『綺麗』という言葉を受け取ってくれないのか?

「今回はお気持ちを汲んで仕方なく着用させていただきましたが、私には過分なお洋服です!この後、クリーニングしてお返しします。」
(…いや、それ、返されても…。)

「…最上さん、その話は、後にしない?皆さんにご挨拶してこよう。」

「あ…はい、すみません。」

めげそうになる心を立て直し、敦賀蓮の顔を貼り付けて監督の元へと向かった。

監督に挨拶を済ませ、一通り話し終わると、社がやってきた。


「キョーコちゃん!凄く綺麗だね。どうしたの?そのドレス」

「社さん、お疲れ様です。あの…これはご存じないのでしょうか?」

「あ!もしかして、蓮のプレゼント?良かったね~。すっっっごく似合ってるよ。」

「そ、そうですか?」

「うん、流石にいい趣味だよね。キョーコちゃんにほんとに良く似合ってる。自信持って。」

「はい、ありがとうございます。」

社からは平気で”綺麗”という言葉を受け取るくせに…なんて、少しだけ、キョーコと社を恨めしく思いながら、蓮は少しその場を離れる事にした。

しばらくするとキョーコは祖母役、母役、姉役の女優たちに囲まれていた。
ドラマの撮影中は、本物の家族のようにアドバイスしてくれた先輩女優たち。休憩時間も仲良くしていたため、自然と会話も弾む。


「京子さん、今日、とっても綺麗よ。」
「ウィッグが自然な感じでいいわよ~。素敵。」
「ありがとうございます!嬉しいです。皆さんも素敵ですよ?」
「ありがとう。でも、京子ちゃんの変化にはいつもびっくりよ。お芝居の中でも、どんどん美男子に傾いていく妹を見るのは、楽しかったわ~。見ているこっちまでドキドキしてきちゃった。」
「本当ですか?嬉しいです。」

“役を降りる?”なんて聞かれても、続けたいと思った末娘役。
褒められて嬉しくて、キョーコは頬を染めた。

「ホント、ホント!素敵な恋をしているのね。」
「えっ…!?」
「あら、嫌だ。京子さん無自覚?」
「えーっと、それは…。」
「な~に?『秘められた大人の恋』じゃないわよね?どちらかというと、『本物の王子様に片思い中』なんでしょ?」

なんだかいろいろバレている?
社長さんにも、最近気付かれたばかりで、上手く隠していたつもりだったのに…。
そんなに自分の思いは周囲にだだ漏れだったのかと内心キョーコは焦っていた。

「ホント、京子ちゃん可愛い!」
「そうねえ。考えてること、結構顔に出ているわよ。気をつけなさい。」
「ふふふ…。京子さん、おばあちゃんとしてアドバイスするとね、女にとっても恋愛は芸の肥やしよ。隠さなくてもいいのに。」
「あの…、隠さなくてもいいんですか?」
「そうよ。あなたはまず素直にときめく気持ちを出した方が良さそうね。今の恋心を大事になさいな。」
「そうよ~!いい男に当たったら、自分からアタックするくらいの勢いじゃなくちゃ!」
「お姉様。劇中と言っている事と真逆ですけど…。」
「あちゃ、ばれたか。」
「もう、可愛い娘が男慣れしてくれないからほとほと困ってたのよね~。」
「お母様、騙されるなといっていたのはあなたですが?」
「いやん。だってぇ、あーんな誠実でいい男に言い寄られても断る娘を見たら、彼が可哀相になっちゃったのよ。」
「彼…ですか?」
「ふふ、敦賀さんでしょう?私も気付いていましたよ。何でこんないい男の言うことが信じれないのかしら?うちの孫娘は困ったこと…と実は思っていたの。」

(まさかこんな、相手までバレているなんて。)

「ふふふ。まず、自分が相手を好きだという所から始めましょうよ。詐欺かどうかは後回しでね。」
「でも、信じて裏切られたら?怖くないですか?」
「そうね、不安ね。だけど、溢れる感情に一度流されてみたら分かります。騙されたら騙されたときよ。お金は流石にダメだけど、それが人間性を深めることだってあるんですから。」
「そうね。相手が伝える気持ちは本物かもしれないでしょ?現実は小説よりも奇なりなんだから。臆病になってチャンスを逃すくらい、馬鹿らしいことはないわ。」
「何なら身体張ってみない?」
「もう、お姉さんはお下品ね〜。」

“てしっ!”とおでこを軽くたたかれて、姉役の女優が舌を出す。
キョーコは、嬉しくなって涙が出そうだった。

(そうよ…ね、私、この気持ちをやっぱり抑えなくてもいいのよね。きっと。)

何だかんだと自分の気持ちを後押ししてくれる。いつまでも臆病でいたらいけない…。
そんなメッセージを送ってくれる彼女らに感謝したい。

「本当よ、京子さん。初めから臆病になって逃げてはだめよ。好いてくれる人がいるうちが華なんですからね。」

キョーコにウインクすると、女全員で“ふふふ・・。”と笑った。



「皆さん盛り上がっていらっしゃいますね。お邪魔していいですか?」
蓮が女性たちに挨拶するために、にこやかにやってきた。

「あら、敦賀さん、勿論いいわよ。素敵な美男子役、お疲れ様。」
「うちの末娘を必死に口説き落とすところとか、格好良かったわよ。」
「ありがとうございます。あまりに頑固で始めはかなり苦労しましたけど。」
「必死になって可愛かった。勿論、あなたに意中の人がいるから出来た演技でしょうけど?」

蓮は、意味深にやわらかく微笑む。

「そう思われましたか?それじゃあ、口説き落とすとしますかね?」
「敦賀君に愛を囁かれたら、女はいちころよ。」
「だといいんですが、信じてもらえなさそうですね。ギャグだとか、詐欺だとか言われそうなので、努力している最中です。」
「ふふ、そうみたいね。頑張っているのね。」

末娘を口説き落とそうとする色男役を演じていた蓮の姿は、もれなく周囲の自意識過剰な独身女優陣を惚れさせていた。
蓮の周りに群がっていた女性たちは、遠巻きにその会話を聞きながら、漏れ聞こえる会話の内容に、(え!?敦賀さん、好きな子いるの?)としばし周りがざわめく。

「敦賀君は浮いた噂もないもんね。きっと信じてくれるわよ。」
「ありがとうございます。そう願いたいですね。」
「大丈夫!大丈夫!どんどん行っちゃって!」
「(にこり…)では、遠慮なくそうさせて頂きます。じゃあ、最上さん、行こうか?」

あくまでも敦賀蓮のスタイルを崩さないまでも、あからさまにキョーコの腰に手をやり、にこやかに全員に挨拶をして回り、楽しく会話に花を咲かせる。
会場にいる間、片時もキョーコを自分の傍から離そうとしない。
それを観た周囲の聡い人たちは、(ただの後輩思いを装ってたけど、努力しているのは、まさに京子のことなのね)と相当手ごわい相手に妙に納得し、むしろエールを送ったほどだった。

一通り会話に花を咲かせ、挨拶を済ませた後、そろそろ時間だからと未成年のキョーコを連れ立って会場を後にした。
残念がる一同に、
『キョーコは未成年ですし、大体今日のようなお酒が入る日には事務所の方針で早めに上がらせていただいております。』と社がにっこりフォローする。

会場を後にしてクロークから荷物を受け取り、さりげなくコートの内袖をキョーコに向けた。

その姿を見た社は
(おーおー、甘々な顔をして周囲を巻き込んでさ…、ドレスといい、話の内容といい、今日は誕生日だし、動く気かな?)
と推察した。

(気を利かせてやろうか? )

いつものように車に3人で乗り込むと、しばらくして社が言った。

「れーんくーん。」
「どうしました?社さん。」
「俺はこれから友人と飲む予定があるんだ。だからそこの角で降ろしてくれる?クリスマスに野郎と二人きりなんで、寂しい酒になるんだよ。」
「そうでしたか?急な予定で残念ですね。」

(しれっと言うな、しれっと!)

「キョーコちゃん、誕生日おめでとう!昨日参加できなくてごめんね。あと誕生日が3時間あるから、ちゃんと蓮にお祝いしてもらってね。」
「社さんこそ、お疲れのところありがとうございました。」
「れーん。お前はキョーコちゃんをちゃんと送っていけよ?間違っても送り狼になるんじゃないぞ!」

社は地下鉄の駅近くで降りると、ひらひらと手を振った。


「だ…そうだけど、最上さん。あと3時間を俺にくれませんか?」


そう言って、連れて行かれたのは、あるホテルだった。




(3)に続きます
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