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任務 5

こんばんは 

5話です。そろそろ自覚してくれるといいんですが、どんなもんでしょ?
こちらの蓮さんもニブちんですね。






「失礼します」

会議室から出た蓮は大きな溜め息をついた。




任務 5 〈灯台下暗シ?〉 




先日、アイドルのコンサート会場の警備に借り出された第3班。
アイドルにストーキング行為をしていた男が、研修中の部下、最上キョーコに刃物を向けた。
その時、咄嗟に蓮は刃物を向けた男の腕をねじり上げ、肩の関節を外すという行為に出てしまったのだ。

刃物をキョーコに向けていたことは、近くにいた警察も目撃していたので、正当防衛が認められた。
だが、蓮にしては大きな失態である。
JPSSでは過剰防衛として処分の方向だったが、詳しい状況の聞き取りの結果、松島の取り計らいで事なきを得たのだった。


(確かに…どうかしてたんだろう。)

あの時…テント内で悲鳴らしき叫び声が聞こえた時、蓮は握手会場を見渡せる二階のロビーにいた。直後にテントから、最上キョーコが男を追って駆け出すのが見え、近くにいるはずの社の姿は死角で見えない。
胸騒ぎがしてチャンネルを社に合わせると、追跡するとキョーコの声。
すぐに待機中の警察に連絡を入れ、二人に追いついた直後、最上キョーコに馬乗りになった男を見て、何かが弾けた。

今更だが、自分でもらしくないと思う。手を握ってナイフを取り上げるくらい造作もなかったのに…。


また1つ、溜め息をついて第3班の部屋へと戻ると、デスクワークをしていた社が声をかけた。

「お疲れ。すまんな、お前一人にかぶらせて…」
「いや、実際にやったのは俺ですから。それに、社さんはクライアントの安全確認業務を確実に遂行してたわけですし、何も問題はありません。それよりも、最上さんはどうしてます?」
「ん?……ああ、トレーニングに行ってる。食事も含めてウェイトトレーニングに励むんだってさ。」
「ぷ…やる気になってるんですね。」
「んー、何だか、負けたくないとか何とか呟いてるって。」
「何に負けたくないんでしょう?」
「さあね?」

社はコーヒーを蓮に差し出す。

「ところで、あれ…受けるの?」
「ええ、まあ…今回の件を不問にする交換条件みたいなものですね。」
「そうか…打ち合わせは?」
「これから、行ってきますよ。」

蓮は困ったように薄く笑うと、部屋を後にした。






「だからさ、僕としてはありきたりの男性の護衛じゃ困るんだよね。」

通されたのは、高級ホテルの最上階

「…と、申されますと」
「折角、比較的安全な日本にいるのに、むっさい男共のガードは要らないんだ。ほら、こうやって私設のボディ・ガードはいつもこんな状態だからさ。」

ずらりと壁に並んだ、私設のボディ・ガードたち。
どの男も非常に大柄だ。

「……」
「公式のパーティもあるしね。できれば大仰な男のボディガードは別室に待機してもらって、女性をつけてもらいたい。勿論できるよね?」
「とりあえず、先にご要望を伺いましょうか。」
「そうだね~まず英語は必須。記憶力も良くて、その場で機知にとんだ会話ができると尚いいね。今回は日本贔屓の顧客もいるから、着物が似合う女性にしてもらえるかなぁ。あ、それと!」

蓮は更に要求を続けるクライアントを見た。

「一緒にいて不自然じゃない年齢と外見がいいな。まさかボディ・ガードを側に侍らせていると悟られるわけにはいかないだろ?」

にやっと笑うこの男は古賀弘宗
海外で相当やり手な事業を展開し、世界的なセレブに上り詰めた若き獅子。
それ故、周りに敵も多く、厳ついSPやBGは欠かせない。
日本滞在時にはいつも警備会社に無理難題を吹っかけ、あちこちの警備会社から嫌われているが、ここ最近はJPSSのお得意様であることには間違いない。

「ご希望に添えるようには致したいのですが、無理な場合は…」
「無理なんて言うわけないね?最大手のJPSSさん?」

挑発する古賀を見て、ふう…と、小さく息を吐いて蓮は告げた。

「分かりました。できるだけ条件に合う人間を探してみましょう。」
「そういえば、ガードの一覧表、持ってるよね?見せて?」

護衛のランクとともに、顔写真の載ったボディ・ガード一覧表は確かにある。
だが、滅多にそれを要求するクライアントはいないのに、この男は…と、苦々しい思いでファイルを取り出した。

「女性だけでいいからね?」

ふんふんと鼻を鳴らしながら、古賀は顔写真のファイルをめくる。

「…ね、この最上キョーコ…って子、新入社員?」
「ええ、まだ研修中ですので、ご希望には添えないかと。」
「へえ?可愛い顔してるんだね。あ、この子は3年目だ…あ~、でもちょっとゴツイかな?」
「………」
「この子と、この子…、この子もいいかな?でも、絶対に、さっき言った条件は外せないな。」
「英語と和服…ですか。」
「そう、当然見た目も。準備期間は明日までね?できなかったら契約解除は勿論だけど…前金に対する損害があるかもね?」
「……」
「じゃ、楽しみにしてるから!」

クスクスと笑う古賀に、一つ礼を返すと、蓮はその部屋を後にした。






社に戻り、蓮はすぐ飯塚班の飯塚にアポを取った。

「はあ?無理、無理!うちにはそんな娘、いないわよ。」
「そこを何とか…」
「そりゃあね、敦賀君に協力してあげたいのはやまやまなんだけどね。あ!ちょっと!サオリ!」
「はい、班長、なんでしょう?」
「実は…かくかくしかじか…なんだけど、あなたたちできる?」
「いや、それは無理がありますよ~。先ず英語でだめです。」
「じゃあ、リエは?」
「リエも無理でしょうね~…だって飯塚班長、私たちレスリング専門で入社ですよ?着物…着たいですけど、それでどうにかなるとは…だって、着る機会なんてありませんしね。」
「そっか~、サオリがそういうなら無理かな。」
「すみません、敦賀君のお役には立ちたいんだけどね?」
「いいですよ、飯塚さん、吉田さん、無理を言ってすみません。」
「あ!でも!」
「……?」
「総務の子とかに聞いてみたらどうかな?人材情報あるんじゃない?」

蓮は飯塚と吉田に礼を言い、総務に向かった。

「あ!敦賀さんこんにちは!」
「やあ、百瀬さん、実は相談したいことがあって………(かくかくしかじか)…」

「え?それは~~…」
「やっぱり無理かな。」
「はい。私たちは基礎訓練だけですし、それが通用するとは思っていません。もしかすると琴南さんあたり…「無理ですよ」」

側で聞いていたらしい琴南奏江が即答した。

「やっぱり、無理…か。参ったな。」
「敦賀班長、何をそんなに悩んでいらっしゃるんですか?その条件に最適な人材ならいるでしょうに。」
「最適な人材?いるの?どこに?」
「今、敦賀班にいるじゃないですか。」
「…誰が?」
「最上キョーコですよ。」
「最上…さん?」

その名を聞いて、蓮はぎょっとした。

「まさか、ご存じなかったんですか?灯台下暗しって、まさにこのことですね。」
「…え?」
「あの子、武道系の有段者なだけじゃないんです。小さい頃から旅館で育ったってこともあって、着物は着慣れているし、英語はペラペラ。しかも商業英語ですよ?お茶もお華も師範級であの子ほど最適な人間、他にいないんじゃないですか?」

いくらクライアントが顔を見て気に入ったからといって、あんな無理そうな条件に、まさか本当に適合する人間がいるなんて思っても見なかった蓮は、唖然とした。






(続く)




オリキャラの存在に気が付かれた方、妄想ですからね!妄想!!

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コメント

コメント(4)
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2017/11/26 00:17 編集返信
Re: うふふふふふ
> ま○○ん様

いつもありがとうございます。
はい!国民的な…あの方。最近はCMでもよく見かけますね。だって、警備会社といったら最近のCMじゃなくて、以前のCMが思い浮かんでしまったのですもの~~。
キョコさんを始めから除外していた蓮さんですが、ここいらで、そろそろいろんな自覚をしていただきとうございます。

かばぷー

2017/11/26 08:21 URL 編集返信
まだ、甘々でない、、、
こんばんは。

蓮さんとキョーコさんの関係は、甘々になるにはもう少し時間がかかりそうです。。。

しかし、和装で英語ペラペラなキョーコさんを見てしまったら、蓮さん、イチコロなのでは?

進展楽しみです。

harunatsu7711

2017/11/26 18:22 URL 編集返信
Re: まだ、甘々でない、、、
> harunatsu7711 様

ありがとうございます。
うふふふふ・・・甘あまご希望ですね~。
確かにリク罠では、桃直行コースのネタですね。
どうなります事やら?ぬる~くご覧下さいませ。

かばぷー

2017/11/26 19:17 URL 編集返信
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