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続・幸せの定義 (3)

キョーコちゃん ハッピー☆バースデー

リク魔人さまにドボンで捧げた『幸せの定義』の続編。
幸せの定義
流れ星~続・幸せの定義~
ローリィの思いやり
続・幸せの定義(1)/(2)に続くお話となっております。

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やっと3話です。お付き合いください。

(ホ・・ホテル!?)

蓮に連れて行かれたのは、ラグジュアリーな雰囲気が売りの高級ホテル。

パーキングに車を滑り込ませると、蓮は降りるように促した。




続・幸せの定義 (3)




「何か期待してる?」

「めめめ…滅相もない。こんな鶏がら貧相な女に欲情する男性なぞいませんので!」

(何気にひどいな。頬染めるとか、恥らうとか、少しぐらい勘違いしてくれてもいいのに。)

でも、これは言わないでおこう。
また、タラシだコマシだ女の敵だなどといわれてはたまらない。

「今日の目的は宿泊じゃないよ。ついておいで。」


駅ビルと隣接したこのホテルは、ショッピングモールとも隣接している。
ホテルの空中庭園に設置された巨大なツリーとクリスマス・イルミネーション。
人気があるスポットの一つだ。
昨日まではモールのショッピング客にも開放していたが、今日でイルミネーションは終わるため、ホテル利用客限定の開放となっていた。

日本ではクリスマスイブがメインとなっている最近のクリスマス事情。
だが、蓮にとっては25日に祝うほうが馴染みがある。
けれど、蓮の関心はすでにクリスマスではなく、愛する女性の誕生日。

庭園に面したレストランの個室を予約していた蓮は、言葉少なにキョーコに小さなホールケーキを差し出した。

「誕生日おめでとう、最上さん。」

キョーコは改めて言われると、なんだか照れくさいような感じがした。
昨日もカードで祝われたばかりだったからだ。

「ありがとうございます。それと、ドレスも…。」

“ありがとうございます。”という返事も照れくさいのか、なんだか小さめだった。

「ドレス、着てくれてありがとう。良く似合ってるよ。」

「はぁ…。その、照れくさいです。」

グラスにノンアルコールのアップルサイダーが注がれる。
一列になって、しゅわっと上る泡に、イルミネーションの光が反射して、キラキラ輝いている。

「綺麗…。」

磨かれたグラスの輝きと泡の煌きが、流星みたいだとキョーコは思った。   

(最上さんのほうが綺麗だよ。)

言葉を紡ぎたいが、これも我慢。
またまた、どこかにうっちゃられたら、ダメージ2倍。
それだけは耐えられない。
最上さんが過剰反応する言葉の数々は封印だ。目的を遂行するために、余計な反応は防ぎたい。


「どうぞ、召し上がれ?」

おずおずとケーキを口に運ぶキョーコ。
一口入れると、その美味しさにびっくりして目尻がふにゃんと下がる。

「おいしい?」

「はい。すっごく!敦賀さんも召し上がりますか?」

「うん、頂戴。あーーん。」

「はい、あーー…ん?」

キョーコは開いた口にケーキを乗せたフォークを運んでから、はっと気付いた。

(わたしっ、なんてことを…うっかり敦賀蓮にあーんだなんて。それに、敦賀さんも、何でこんなに嬉しそうに…ん?嬉しそうに?…嬉しそう…なのよね。)

フォークを咥えて上目遣いに蓮を見やると、神々しくも甘々な微笑を向けてくれる。

(どうしよう、心臓が掴まれたみたいに苦しい。)


「うん、凄くおいしいね。…最上さん、ついているよ。」

「…?」

「ここ…。」

蓮がキョーコの唇のクリームを人差し指ですくって、自分の口に入れる。
キョーコはその姿を見て、思わず心臓が跳ねた。
蓮は蓮で、咄嗟にやってしまった行為に少し後悔する。

(あ…、しまった。ついうっかりやっちゃった。)

「(こほ…)」

ドキドキしたまま咳払いした蓮を見やると、気まずそうに口を手でおおったまま、外に目を向ける蓮の耳がかすかに赤い。

(照れてる?敦賀さんが?
今日はなんだか敦賀さんが可愛く見える。いえっ、いつも可愛くないわけじゃなくて、格好良いって言うか、あわわ、何考えてるの?キョーコしっかりして!)


「出ようか。イルミネーション、見てみない?」

キョーコがモゴモゴしていると、蓮に促されて、イルミネーションが光り輝く庭園へ足を運んだ。

光が溢れる空中庭園は流石に室内とは違い、ぐんと冷え込む。
吐く息が白く曇って視界を揺らす。
イルミネーションの消灯間際なのだろう。もう既に巨大ツリーの周りに人影はほとんどなかった。

「寒いね。…この前から最上さんを寒いところに連れて行ってばかりだね。」

「ふふ。そうかも…。でも、凄く綺麗ですよ?」

「うん…。」

上手く会話が続かない…。
蓮は想像以上に自分が緊張しているのが分かっていた。
キョーコの前ではとんだ大根役者のようだ。


蓮は意を決すると、思い切り長い息を吐き、
“ すぅっ…“とつめたい空気を吸い込んだ。





「最上さん、君が好きなんだ。」




キョーコはいきなりの言葉にびっくりして、蓮を見上げた。
薄暗い中で光るイルミネーションに照らされて、蓮の彫りの深い整った顔立ちと、憂いに満ちた瞳が切なそうにこちらを見ている。


(キミガ・・・、ス・・キ・・・ナンダ?)


心臓がドキドキ。バクバクと早鐘のように打ち始める。
じわじわと言葉が脳に到達すると、ゆっくりと脳がその言葉の解析を始め、理解したと同時にほんのりと赤くなってくる顔。

そんなキョーコの様子に接触不良の電球が、ようやく点いたみたいだと、蓮は思った。


「それ…、は、後輩の…という…「意味じゃないよ。一人の女性として君のことが好きなんだ。」」

「あの…何かの…「間違いでもない。真剣に君が好きだよ。」」

「それは…その…「冗談でも、嘘でもないから。信じて欲しい。」」

「では…あの…「そうです。最上キョーコさん、君を俺に下さい。」」



蓮の瞳はキョーコを捉え、優しく左手を取り、握り締める。

「好き…なんだ。」

真剣に見つめていると、キョーコはぜんまい仕掛けのように、ぎこちなく固まって行く。
そんなキョーコを、蓮はゆっくり抱き寄せた。
いつかの夜のように、懐に入れながら…。

蓮はキョーコが拒絶せず、すんなりと懐に入ってくれることに、ほっとした。

それと同時に、キョーコの手がそろそろと遠慮がちに蓮の背中にまわってくることに気付く。

きゅっと服の端を掴まれる感触に、込み上げてくる喜び。
思いがキョーコに通じたと、確信できたその瞬間
蓮はさらにキョーコを強く抱きしめた。

(君が、好きだよ…。)

蓮は心の底に湧き上がる、震えるような幸福感を噛み締めていた。




(4)に続く。

次で完結です。
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