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続・嫁ものがたり4

こんばんは
週に一度のゆっくり更新です。

どうぞお楽しみ下さい。

(9/30 微修正)








はじめに気付くべきだったんだ。
彼女がどれくらい初心で、どれだけそういうことに免疫がないのかを…

流石に二十歳を超えて、しかも芸能界に所属している人間に、全く男性経験が無いだなんて、普通思うか?思わないだろう。
日本の芸能界だって結構な乱れ方をしていると聞くのに。

順番が大事だとか言うから、順番を守らなかった男に傷つけられたんだろうと安易に考えていたのがいけなかった。絶対、あれは古風とか節度があるとか言うレベルじゃない。前時代の遺物的存在というんだ。まさか、SEXは生殖のためだけに行うものとか考えているんじゃないだろうか…と、宗教的な部分まで疑いたくなる。

彼女と過ごした最初の数ヶ月は恋人対象外だったとはいえ、改めて女性の難しさに触れた想いだった。





続・嫁ものがたり 4





「クオン!キョーコちゃん!やった!やったぞ!」

社が珍しく興奮してクオン宅のドアを叩いた。

「驚くな!ビッグニュースだ!」
「ぷっ…社さん、それ驚いたらいいんですか?何があったんです?」
「社さん、早く教えてください!何ですか?」

「ふ~ふ~ふ~!リッチー監督の映画、クオンが助演男優賞にノミネートされた!」

「…え…」

「凄い!おめでとうクオン!」
「ああ、凄い事だぞ?映画自体も作品賞、音楽賞、監督賞…ほぼ全てにノミネートされている。興行成績も上々!おそらく、間違いなく獲る!」
「一体…どこからそんな情報を…」
「ふふん、秘密だよ。そのうちに連絡が入ると思うよ?」
「クオン、凄い!」

クオンはまだ実感が湧かなかった。
(あの映画が…本当に…?)

髪を染め,カラーコンタクトを入れて望んだ日本人将校、敦賀蓮役。キョーコと望んだこの作品が…

社の言うとおり、その日の内に正式に連絡が入り、そのほかにもクーを始めとして、お祝いの電話が鳴り止まなかった。そしてそれだけではない。
次にクオンの出演が決まっていた映画の監督から、キョーコへの直接オファーがあったのだ。

「キョーコちゃん!凄いよ!おめでとう!!」
「あ…ありがとうございます!」
「また、キョーコと共演できて嬉しいよ。よろしく。」
「はい!頑張ります!」

その晩は興奮冷めやらず、3人で祝杯をあげた。


…けれど、鳴り止まない電話に笑顔で答えるクオンを見つめるその瞳が、少し…ほんの少しだけ寂しそうなのを社は見逃さなかった。






「キョーコちゃん、今日は疲れただろう?もう休んだら?」
「そうだね、今日は朝からオフなのに働きすぎだよ。」
「いえ、いえ、お二人こそお忙しかったでしょう?」
「そんな事ないよ!さ、俺はもう少しクオンと飲んでから失礼するつもりだから、気は使わないで?じゃ、おやすみ!」
「すみません…あの…クオン…」
「うん、男だけでたまには良いよね?おやすみキョーコ」

キスを交わして、キョーコが遠慮しながら二階へ消える。
ひらひらと手を振りながら、社は笑顔でキョーコを見送った。

「…さて…」
「珍しいですね、社さんからのお誘いだなんて、何か…ありました?」

ソファーに座って膝の上でグラスを揺らしながら、蓮は微笑みながら聞いた。

「流石だなあ、たったあれだけの一言で、何かあると感じてくれるんだ。」
「………?キョーコについて深刻な事…ですか?」

少し身を乗り出して、社に顔を向けてくる目は真剣そのものだ。

「社さん?」

ふーっと溜め息を付いて、社は続けた。

「クオン、キョーコちゃんと何かあった?」
「何か…とは?」
「うん、聞き方がまずいね。正確に言うと、キョーコちゃんがおかしいのに気が付いているかってこと。」
「…具体的には…」
「う~~ん…表情がね、暗いんだ。」
「……」
「撮影の合間に、寂しそうな顔をすることが増えた。それも必ず恋愛模様の後に…」
「…」

「はじめはね、キョーコちゃんが君に恋して、恋愛感情を持つようになってとってもいいと感じてた。凄くクオンのことが好きなんだと傍目でみてもわかるくらいに。いい表情だったんだよ。けれど…最近では、恋をすることが苦しそうなんだけど…心当たり…ある?」
「ある…かもしれません。」
「あるかもしれない?それは、どういうこと?」
「よく…分からないんです。キョーコと上手く話せてなくて…」

「…どういうこと?」

社は、困ったように眉根を寄せる美麗の男を、冷ややかな視線で見つめた。

「もしかして…彼女を不安にさせている事がある?」
「多分あります。」
「それは…彼女の月経が遅れていることに関係ある?そうしたら、俺は今回のオファーを受けることは出来ない。」

真面目に話す社の顔を驚きの表情でまじまじ見た。

「社さんは…彼女の月経周期までご存知なんですか?」
「把握していることはしているさ。場合によっては水着の仕事もあるし、ロケだってある。些事に気を取られることなく演技が出来るよう、万全の体制と時期を考えて仕事の采配をするのは、マネージャーの役割だと思うからね。」
「そうなんですね…それは驚きました。」
「で…?どうなの?君達のプライベートにそこまで踏み込むのもどうかと思ったけれど、無茶な事してない?」

クオンは少し可笑しくなった。

「してません…というか、その心配はないです。」
「その心配は……ない?」
「ええ」

「悪い、クオン。凄く……違和感がある。不安にさせてる事って、キョーコちゃんの他に別の相手がいるとか、まさか、そういうことじゃないよね。」

「違いますよ。…寧ろ、逆です。」
「逆?それはどういう…」

「キョーコとはまだ…そういう身体の関係にはなっていないんですよ。」

社は鳩が豆鉄砲を食らったようなまん丸な目をして、固まっていた。


「……は?…え?」
「クス…すみません、予想外で」

「…ッッえええええ~~~~!!!!っっっっ???」
「しーっ…キョーコに聞こえます。」

(唇に人差し指を当てる姿も悩ましいこの男が?…え?マジで?本当に?)

社の中でぐるぐると思考が回る。
酔いが一気に回ってきたみたいに額を抑えて唸った。


「すみません…それについてはあまり相談できなくて…ご迷惑でなければ、聞いてもらえませんか?」





(続く)
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コメント

No title
クオンにいい相談相手がいてよかった。
ヤッシーは、頼りになるお兄さんですもんね。

カイン兄さんみたいに暴走してもよかったんですけど(笑)、クオンは、紳士的に痩せ我慢するの、、、かな?
  • 2017-12-14│21:01 |
  • ありす URL│
  • [edit]
悩めるクオンさん
悩ましいクオンさん、悩んでますね!
しかし、まだなクオンさんとキョーコさんなのに、キョーコさんの月のものが遅れているっていったい、、、。ストレスや疲労だとは思いますが、ちょっと心配です。
  • 2017-12-15│08:15 |
  • harunatsu7711 URL│
  • [edit]
私もオロオロ
『3』宛のコメントは消してしまったので、『4』で、コメントさせてくださーい(* ̄∇ ̄)ノ


あのぅ、ぽてと、キョーコちゃんの心情がずっとわからんちんで、オロオロしておりますヽ(д`ヽ)どうしたの、どうしたの、何に困ってるの〰o(><;)(;><)o 言ってよ、言ってよー言っておしまいなよぅぅ(≧◇≦)
ああ、そして久遠君、男の子ですね………キョーコちゃんのこと大好きなのにかわいそ………でも、そこが萌えでかわゆす♡

こちらの社さんも、大好きです♡文句無しに好き!!二人のお兄さまっ(///∇///)
  • 2017-12-15│17:38 |
  • ぽてとたべたい&ぽてとあげたい URL│
  • [edit]
Re: No title
> ありす様

こちらのクオン君は、『理性的にやせ我慢』な人ですね。
おお、不憫だわ~~。

社さんに心を許したクオン君はちょっと可愛いと思っている私。
  • 2017-12-15│23:28 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]
Re: 悩めるクオンさん
> harunatsu7711様

ですよね。
やはり女性としては周期が崩れるのは心配ですが、大丈夫ですよ。
ちょっとしたストレスですからね。
  • 2017-12-15│23:30 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]
Re: 私もオロオロ
> ぽてとたべたい&ぽてとあげたい 様

簡単に悩みを打ち明けられるキョコさんならば、何も心配はしないのですが…
ようやく、次回はキョコさんの心情ターンです(予定)

健全思考でないキョコさんの自信のなさは、想像以上な気がしますよ。

クオン君を取り巻く二人の大人な男性…
力強い味方です。
  • 2017-12-15│23:33 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2017-12-17│20:39 |
  • [edit]
Re: 仕事が順調なぶん
> ま○○ん様

あら?非公開?

ええ、きっと久遠が考えている事とは正反対のことを考えているのがキョコさんですよね。
なんてったって、曲解思考乙女ですし?愛し愛されることが目標のラブミー部ですから。

次回はキョコさんターンです。
どうぞお楽しみ下さい。
  • 2017-12-17│21:14 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]

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