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北の塔の姫

二日続けて投稿しちゃった♪

連休だからね、いいのですよ。
そして、長い、長-----いバカ話ですからね。

では、どうぞ。














北の塔の姫






「あ~あ、いいお天気…なのに外に出ることも出来ないなんて、つまらないわ…」

お城にある北の塔で、キョーコ姫は呟きました。

「そうだ!こんな日はお人形遊びが一番ね!」

手先の器用な王女様は、自作の人形を並べて物語を紡ぎ始めました。


ここは、モガミ国の中心部、モガミ城
おとぎ話に出てくるシンデレラのお城のようなつくりのお城はいくつかの塔を抱いています。その一つがこの国の王女、キョーコ姫の寝室なのでした。

キョーコ姫が外に出られないと嘆いているのには訳がありました。

もうすぐ17歳の誕生日を迎える姫のために、舞踏会が開かれる予定でした。
ですが、今年の舞踏会は残念ながら取りやめるしかない状況に追い込まれていたからです。

なぜかといいますと…それはそれは眩い光を浴びながら、蝶よ花よと美しく育ったキョーコ姫でしたが、16歳の誕生を祝う舞踏会の席で、大変な事が起こったからです。

『美しく聡明なキョーコ姫…なんで、アンタみたいな田舎者の姫と、ショーちゃんが婚約してるのよ?アンタさえいなければ、ショーちゃん…いえ、ショータロー王子は私のモノになったのに!お前を世にも醜い姿に変えてやるわ。17歳の誕生日が終わるまでに生涯の伴侶と出会えなければ、だんだんと醜い姿に変わっていくのよ…ざまあみろだわ!これでショーちゃんは私の虜ね。えいっ!!』

隣のフワ国の王子、ショータロー王子との縁談は、小さい頃からの約束事でありました。しかし、ショータロー王子に懸想していた七倉の森のミモリ姫によって醜い獣の姿になってしまう魔法がかけられてしまったのでした。

「えええっ!?何で私が恨まれなきゃいけないのよ!婚約者の私がいるのに、あちこちの姫に手を出す浮気者だって言うのに、とんだとばっちりだわ!!」

こう言って、プリプリと怒ります。

「一体私はどんな獣になるのかしら?きっと醜いのよね…」

姫は悲嘆に暮れました。
それから、ずっーとキョーコ姫の姿に変化はありませんでしたが、17歳の誕生日を迎える1ヶ月ほど前から少しずつ変化が現れました。
キョーコ姫に耳が生えてきたのです。
はじめは小さな変化でしたが、だんだんとキョーコ姫の耳に毛が生え、にょきにょきと伸びてきました。

17歳の誕生日を目前に控え、キョーコ姫の耳は、真っ白な毛をした、上に伸びる長い耳になっていたのです。

「まあ…なんて可愛い耳♡ けれど、こんな耳を見て、私と結婚してくださる王子様はきっといないわね。いつかはきっと白馬の王子様が…と思っていたけれど、それは無理そうね。」

こう言って、姫は嘆くのでした。

さて、キョーコ姫の17歳の舞踏会が取りやめになったことで、周辺の国々の王子たちはがっかりしました。

だって、フワ国とモガミ国のかねてからの縁談が、モガミ国からの要請で破談になったのです。破談になったのなら、ざまあ見ろ…いえ、これ幸いとばかりに、モガミ国に婚姻を申し入れるチャンス到来!だと思いきや、いきなりの舞踏会中止のお知らせ。
周辺の国々の王子様は、美しいと評判のモガミ国の姫を手に入れる機会が得られるはずだったのに、17歳の舞踏会も開かれないなんて…これががっかりせずにいられましょうか?

まずは、噂話を頼りに多くの王子が姫に会いたいと申請を出しました。
けれどもキョーコ姫は取り合いません。

「私のこのうさ耳姿を見られるわけには参りません。王子様方の縁談をお断りしてください!」

そう言って、北の塔に閉じ籠ってしまったのです。

いても立ってもいられないのは周辺の王子様たちです。
モガミ国の周りにはお年頃の王子が数名おりました。
いずれ劣らぬ優秀な王子ばかりです。

まず、ビーグル国のレイノ王子 この王子は魔力を扱う事で有名でした。
次は、イシバシ国のヒカル王子 この王子は人柄が良いことで有名でした。
その次は、ムラサメ国のタイラ王子 この王子は気性が猛々しい事で有名でした。
そして、ツルガ国のレン王子 この王子は尤も大国の王子で、非の打ち所がないほどに優れた人物と評されていました。

この国々の王子は、度々キョーコ姫に書簡を送り、キョーコ姫とコンタクトを試みますが、なかなかキョーコ姫は取り合ってくれませんでした。
中でもレン王子はキョーコ姫とは小さい時に一緒に遊んだという関係でもあり、ずっと恋心を抱いていたにもかかわらず、先に縁談が決まったフワ国に遠慮をし、その恋心を隠してきました。
それ故にフワ国との縁談が取りやめにならないかと悶々としていたのです。
破談となったこの機会に、是非キョーコ姫とまた会いたいと思っていたのに、姫からの返事はにべもないものでした。

レン王子は焦ります。

なぜなら王子もまた、ショータロー王子に心酔するあまり、見境のなくなってしまったミモリ姫の暴走により、『ショータロー王子の毛嫌いする、格好いいレン王子なんか嫌い』という理由だけで、呪いをかけられてしまっていたからです。

レン王子にかけられた呪いはこうでした。

『ショーちゃんより背が高くて、顔が良くて、脚が長くて、格好いいなんて、出来すぎよ!あなたがいるから、ショーちゃんが一番になれないんだわ!21歳の誕生日がすぎたら、あなたを小さくて、不細工で、脚の短いデブッちょな醜いカエルに変えてやる!だけど、猶予を与えてあげるわ。あなたが心から愛する女性のキスを21歳の誕生日までにもらえるなら、その魔法は解けるようにしておいて差し上げるわ!あー、私って何て心優しいんでしょう♪』

どこがだよ……いえ、なんともバカらしい事です。けれど、レン王子はその言葉に、ようやく一念発起しました。

どうして、かねてからショータロー王子とキョーコ姫の縁談が決まっていたからといって、引き下がろうとしていたのでしょう?
レン王子がどんなに他国の美女から言い寄られても首を縦に振らなかったのは、小さい頃に遊んだキョーコ姫の面影が心にずっとあるからでした。そんなに一途に思いを寄せながら、諦めようとした自分が可笑しくなります。
キョーコ姫とともに歩む未来だけを夢見てきたと言うのに…

「私はキョーコ姫に思いを告げよう。世界中で妻にしたいと思うのはキョーコ姫だけだ。」

こう言って、キョーコ姫に近づこうと画策をするのでした。







月の美しい晩でした。
明日はキョーコ姫の17歳の誕生日です。

キョーコ姫は明日が終わると、この姿も真っ白なウサギになってしまうのだろうと思いながら、人として見ることが出来る最後の月を眺めていました。

「こうして月を眺めることが出来るのも最後の事。悲しいけれど、諦めましょう。」
「最後とは異なことを。こうしてあなたに会いにやってきたというのに…」

暗い中で、低く耳障りの良い声が聞こえます。

「!だっ…誰!?」
「キョーコ姫、お久しぶりです。ツルガ国のレンです。覚えていらっしゃいますか?」
「ツルガ国の…一体どうして?」
「どうしても、姫に会いたくて…」

振り返ると、月の光に照らされて、ゆっくりとこちらに近づくレン王子の姿が浮かび上がりました。

ここは北の塔
一体どうやって入ってきたと言うのでしょう?
実は、でぶっちょガエルの呪いをかけられたレン王子の指先は、あろうことかカエルの吸盤が出来たようになりつつあったのです。
それで、ぺったぺったと壁伝いに登ってきたというのですから、オドロキ、桃の木、山椒の木…いえ、何でもございません。



「レン王子…」
「ああ…久しぶりですね。あなたに、ずっと会いたかった…」

あまりの美しい王子の姿が眩しく映ります。けれど、キョーコ姫は床に映った自分の影を認めて、はっとして耳を隠しました。

「どうなさったのです?姫…」

耳を押さえて、後ずさるキョーコ姫を不審に思いましたが、その手に何を隠しているのかよく分かりませんでした。
月を背後にしたキョーコ姫の姿は、まるでヴィーナスのようでした。美しく成長をしているキョーコ姫に二度目惚れをしました。けれど、頭を抱えおびえて小さくなる姿に、仄かに別の感情がわきあがります。

レン王子は構わずに近づき、まるで小動物のようにおびえて小さくなるキョーコ姫を抱き締めました。
その時、初めて姫の隠しているものの正体に気が付きました。

「何と…耳が…」

その声を聞いて、キョーコ姫は腕の中でもがきます。

「おっ…!お放し下さい!これは見られてはならぬもの!悲しいけれど、私はもうすぐ醜い獣になってしまうのです!!」
「醜い…獣?」

醜い獣とは一体何の事でしょう?
キョーコ姫の姿は、可愛いうさ耳をつけたプリティな姿にしか見えません。

「醜い獣とは誰の姿の事ですか?この耳のことを言うならば、これは男を煽る姿…というのです。」
「男を…煽る?」
「ええそうですよ?現に私はこのキョーコ姫の姿を見て、以前にも増してあなたに恋心を抱きました。それを信じてもらえるでしょうか?」

抱きしめる腕の強さが、心地よくキョーコ姫に伝わります。

レン王子は、キョーコ姫の手を取りました。その手もすでに白い手袋をつけたようにムクムクの白い毛皮の手に変わっています。

「ああ…手も可愛らしくなっていますね。これもいいですけれど、私はあなたに触れたいし、触れられたい…」
「レン様、もしかしてお手が…」
「ああ、お気づきになりましたか。大変申し訳ないのですが、こんな手であなたに触れるご無礼をお許し下さい。」

そう言って、レン王子はキョーコ姫の白い手に唇を落としました。するとどうでしょう?
白かったふわふわの手は、スッと元のキョーコ姫の白い手に戻りました。

「何と…!」

レン王子はキョーコ姫の頬を撫で、その額に、頬に、瞼に口付けました。
すると、キョーコ姫の耳は少しずつ小さくなっていきます。

「姫…呪いを解くにはどうしたらいいのですか?」

レン王子は問いました。

「17歳までに…生涯の伴侶とめぐり合う事と…」

それを聞いてレンの顔は神々しく綻びました。

「ならば、こうやって私があなたに触れることで耳が消えたなら、私があなたの生涯の伴侶という事。ならば、もう遠慮は致しません。キョーコ姫…小さな頃からあなたがずっと好きでした。」

そう言って、レン王子はキョーコ姫に口付けます。
月明かりに照らされた床に、二人のシルエットが重なりました。

「では、レン王子、あなた様の呪いを解くにはどうしたらよいのですか?」
「私の呪いを解く方法は…もうあなたには分かっている筈です。」

人差し指を唇に当て、とても悩ましい視線を姫に送ります。

姫は頬を染めて頷き、もう一度二人のシルエットは重なりました。

こうして…無事に呪いを解かれたキョーコ姫と、同じく呪いを解かれたレン王子は、二人で末永く幸せに暮らしましたとさ…




(おしまい♪)





何ちゃって続き

さて、まんまと上手く纏まってしまったレン王子とキョーコ姫ですが、ビーグル国のレイノ王子はどうしたかといいますと…
「この世に愛などいらぬ。私は私の道を究める…」
と、訳の分からない宗教を始め、教祖となりました。

イシバシ国のヒカル王子は、
「…キョーコ姫…綺麗だったなあ。けど、レン王子、格好良かったなあ~」なんて呟きましたが、その人柄のよさに多くの女性たちから求婚され、ちゃっかりと結婚をして幸せな国作りを行いました。

ムラサメ国のタイラ王子は、
「てやんでぇ~!!いちゃいちゃべたべたするな!!」と二人の姿を見て怒りながらも、巨大ハレムを作って幸せに暮らしました。

…え?

フワ国?

フワ国のショータロー王子は、しつこくて執念深いミモリ姫にうんざりしながらも、その絡め手から逃れることは叶わず、ミモリ姫を妻に迎えました。しかし浮気者の癖は直らず、多くのボン・キュ・ボンな愛妾を多く抱えては、度々ミモリ姫の怒りをかってしまった挙句に、自分もナマズに変えられてしまったとか…

めでたし、めでたし?






なんちゃってー?な、おとぎ話風。
頑張って読んでくださって、ありがとうございます。


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コメント

コメント(4)
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2018/10/08 08:59 編集返信
かばぷー
Re: タイトルなし
> komugi 様

ねぎらいのお言葉、ありがとうございます。
連日更新はついこの間と今回と、書けないといっている割には更新頻度が上がっているような気がしないでもない…ですが、本当~~~~~~に!書けなかったんですよ、
結局ここ数ヶ月ほどはほとんど書いていなかったと思います。今、更新中のものの大半は、直し、直しで以前に書いたものを上げている感じですですから、本当に皆様にはリハビリ中でごめんなさいなのです。

今回のこのお話も実は1年位前のものを直しています。その時にはなかったんです!吸盤壁のぼり!
何かもの足りなくて、投稿していなかったんでしょうね。読み返してパンチが欲しいなと思って付け足したんですよ。

シュールですよねえ…吸盤で這い上がる敦賀蓮……(遠い目)

もともとはなかったものを気分によって付け足すと、こんなに作品として有り得ないものに成り果てるのか!?と何でこんなの、思いついちゃったんだろうと……。(アハハハハ…←乾いた笑いしかありません)
まあ、このおとぎ話崩れはバカ話には間違いないので、石を投げられるんじゃないかと思ってました~。
なのに、有難い素敵コメントに感謝申し上げます。
お付き合い、ありがとうございました。

かばぷー

2018/10/08 13:51 URL 編集返信
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2018/10/11 22:38 編集返信
かばぷー
Re: 可愛い!!
> と○っち。様

不思議な…そして、とぉ~ってもくだらないお話ですが、可愛いを下さいましてありがとうございます。
何故このような設定が思い浮かんでしまったのか…本当にシュールすぎる光景が思い浮かびます。

これに懲りずに除いてやってくださいませね。

かばぷー

2018/10/12 20:19 URL 編集返信
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