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S-ふれ 7

こんばんはー!
最終話です。・・・・・・・・・が、大魔王ではなく別のものが舞い降りました。

ネタ元のお話はこちら↓
リク魔人様のリク罠208


さて、どうなりますやら?








「ふ、ふふ…ふふふふふふふふ………」

身体を繋げたままの状態で、なぜか最上キョーコは笑い出した。

「…ですよねー…やっぱり、流石に覚えてないですよねー……」

「も、最上さん……?」

「ですよねー…やっぱり、“最上さん”ですよねー……」

「キョー……「シャラップ!!」…(!!?っ)」


形勢逆転

いきなり大きな声で言われて、蓮は黙り込んだ。
もう、こうなったらアレも萎えていくのは当然で…
キョーコはむくりとその身を起こし、じろり…と蓮をねめつけて大きな溜め息をついた。






S-ふれ 7






「あ~~!!もう本当に信じられません。」
「それ…もしかして、あの晩に言ったの?」
「あの晩?」
「君と俺との初めての……」

ぴくりとキョーコの眉が上がる。

「………そうですよ?」

「俺の事を信じるな……って?」
「はい。そうです。」

「なんで……」

俺は一体何を思ってそんな事を言ったんだろう?と、蓮の脳内は混乱を極めた。

「知りませんよ。それくらい酔っていらしたんでしょうから。」
「酔って…」
「…いないと自分では仰ってましたけど。」

そして、また溜め息をついた。

「もしかしてあの晩のこと、一切合財覚えてないとか………ですか?」
「覚えてっ…」

「ないですよね?」
「………っ」



しどろもどろになった蓮を冷たくあしらった。

「やっぱり…絶対覚えてる。とか、君を愛してる…とか、好きだ…とか、酔ってる男の言葉を信じちゃいけないんだわ!敦賀さんが絶対覚えてるとか言うから!」

「ごめん」
「ごめんじゃありません!全くもう!乙女の一大事をなんだと思ってるんですか!あ、あ、あんな破廉恥な事しといて!!」

「……本当にごめん」
「これで、敦賀さんが信用できない女っタラシなのが証明されました。あの日の約束は無効です!」
「え、でもそうすると信じないでって言うのも無効じゃないの?」

ギロリ!とキョーコはねめつける

「酔ってるときに本音が出るって言うじゃないですか!」

あ、そうかと納得しかけるが腑に落ちない。

「じゃあ、愛してるって言うのは本音じゃないの?」
「本音だと思うんですか?」
「そりゃ当然のことで本心である上に事実だし……」

「……じゃないの?って仰る時点で却下です。」
「そんな意地悪な、事実なのに。」
「意地悪なのは敦賀さんです!」

だって、キョーコはちゃんと覚えているのだ。
蓮があの夜、自分を愛しながら何と言ったのかを…

『普段の俺は、隠し事がたくさんありすぎて…正直ではないんだ。演じる事に慣れてしまって、君を傷つけてしまうかもしれない。お願いだから、あまり信じすぎないで?』

だから、素面の蓮が甘い言葉を囁くのをできるだけ信じまいとしたのに。

『君を誘うとき、君と関係を進めたいときにはお酒の力を借りるかもしれない。それでもいい?誘われてくれる?』

だから、蓮がお酒に誘ってくれることが嬉しくて、どんな予定よりも優先したのに。


「あのとき君は酔って…」
「酔ってても記憶がなくなってなんかいません!」
「じゃあ、あの晩のことは同意の……」
「上です!当たり前じゃないですか!」

良かった、無理やりじゃなくて…と呟く男に、じゃあ今日のこれはなんなのよ!と突っ込みたくなる。

絶対に覚えてるとか、そんなふうに真顔で囁かれたら信じてしまうではないか!今までの経験から言って!
なのに、関係を深めたいとかいいながら、身体の関係以上は踏み込んできてもくれないし、自分のことを束縛しそうでしてこない。
それは、彼女じゃないから仕方ないのだと、たまたま発生した身体だけの関係だから仕方ない……きっと、蓮にとってはご馳走に飽きた挙句のつまみ食いなのだからと、自分に言い聞かせた。けれど、それが分かっていても、それでも側にいられるならと、自分を騙し騙しここまで来たのに!

あの晩、古賀に背中を押された気がした。
いい加減、自信持ったら?と。

自分に義理立てをしているらしい蓮
身体だけの関係だと、それ以上の関係を望んではいけないのだと言い訳を作ってみたけれど、やはり自分の中で蓮の存在が特別であるのは変わりない。
そして、蓮の中でも自分の存在が特別かもしれないと思えた。

自分が誰と飲みに行くかなんて、社さんが報告してるに決まっている。
そこで長居をしないのだって、蓮が気を配っているからだって分かってる。
でも、束縛はせずにいてくれる。
尊重されていると感じる。
気遣われていると感じる。
大切にされていると感じる。
いつだって優しく抱きしめてくれる。

だから……

『もし、君がこの先に進みたいと思ってくれるなら…君から誘って?』

だから、お酒を買ったのだ
あの晩のお酒と同じ蔵元のものを探し出して



「キョーコ?」

不安げに見つめる眼差し
そんな顔は敦賀蓮には相応しくない

でも、ちょっとくらい意地悪したっていいじゃないか。
乙女の純情、いや、純潔を捧げた瞬間を綺麗さっぱり忘れているのだ。
これくらいの仕返しは、意地悪とは言わないで欲しい。


「敦賀さんは、S-ふれはいやだと仰るんですよね。」
「やだ。ちゃんと恋人同士がいい。いや、それでも足りない。」
「でも、現状このままです。」
「え!?な…なんで?」
「だって、敦賀さんの記憶が無かったということが発覚したので、今日私がお酒をお土産にした理由が無効になりました。だから、現状を打破したいとお考えでしたら、今度は敦賀さんがあの時と同じお酒を準備してください。」

「同じ…酒?」

「はい、あの夜に飲んだ濁り地酒と同じ蔵元のお酒です。」
「それ、準備したら…恋人認定してくれるの?」
「はい!準備して誘ってくださったら、この状況を一歩進んだものにしたいと考えています。」
「本当に?」
「本当です」

その瞬間、蓮の顔がほっとしたように緩んだ。

「でも、多分すぐには無理ですよ?だって、それ……蔵元に行って買い付けた、今年最後の一本なんです。」
「最後の一本?他にはないって事?」
「はい、そちらの蔵元は、濁り地酒のほかに清酒もあるんですけど、どちらもあまり作っていらっしゃらないので、すぐに売切れてしまうそうなんです。だから、新しいお酒が出来るのは早くても来年の11月以降とか…」

「11月以降!?そんな馬鹿な!」

キョーコは、にっこりと笑った。

「はい!ですから、それまでは私達の関係は今までどおりです!あ、元通りになるのかしら?」
「そんな……冗談だろう!?」
「いーえ、冗談ではありません♪」

それはそれは意地悪く…に~んまりと笑う姿に頭を抱えざるをえない。

けれど…この関係をこのまま続けてもいいというのなら、それはそれでまだ我慢できるのかもしれない。また人には言えない破廉恥な関係に戻るとしても、その先があるのだから…

「困…ったな。他の誰にもこの立場を譲る気はないのは分かってるよね。それに、他の誰とも君を共有する気もないしさせる気もないから。あと、飲み会…これからも阻止するよ。」
「でも、恋人とかではありませんから、勝手に飲みに行きますよ!」

「分かってる。でも、それならそれで………覚悟、しといて?」

「!」



かくして、彼女と彼のS-ふれという不届きな関係は、もうしばらくの間継続となったのである。






(S-ふれ END)





どこかで、社さんが「それって、もう恋人って言っていいんじゃないの?」とか、「そういう身体だけの関係を公言するって、敦賀蓮としてどうなんだ?」とか、突っ込んでそう……
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コメント

コメント(6)
嬉しすぎても、忘れるのかも・・・
今晩は、風邪薬を服用してだいぶ復活したGREEN23です。
 結局蓮さまあの夜の記憶は戻りませんでしたね(笑)嬉しすぎて、脳への衝撃が強すぎたのでしょうか。
 でもこれから一年かけて戻さないと(かばぷーさま、お待ちしております。)お酒は愉しく呑みましょうね。
愉しいお話でした。キョコちゃんが繋がったまんま怒るとこは爆笑です。
 そして、もちろんタイトル通りのあれやこれも❤

GREEN

2018/12/22 22:18 URL 編集返信
すっごく
納得しつつ、爆笑のフィナーレでした。

キョコちゃんから、大好きです。恋人になってください!と言われない限り、自分の秘密を明かす気になかった初めての夜の蓮くん。

普段は、敦賀蓮として振る舞うから、ベッドの中の甘い俺と態度が違って、冷たく感じても、それが俺の本心だと信じないでね?

と言いたかったのね。でも、誤解されて当然な言葉の数々からすれば、キョコちゃんの不安やこれまでの言動には超納得。

最後は、キョコちゃんが、ちゃんと「本音」を感じ取ってくれてよかったです。
飲み会行ったらとかのお仕置き。蓮くんもされそうですけどね。(*´∇`*)ハハハ

素敵に楽しい全7話完結。お疲れ様でした。
次回ドボンもお待ちしてます。

まじーん

2018/12/22 23:24 URL 編集返信
かばぷー
Re: 嬉しすぎても、忘れるのかも・・・
> GREEN23 様

ええ、結局忘れたまんまでございます…

あーんなことや、こーんなことをしていた筈なのに、忘れてしまって超残念!
勿体無い事をしたなあと思っているに違いありませんね。
そして、一年後…待てるのかな、この人…と思います。ええ、楽しいお酒を呑んで欲しいものですね♪

体調が戻られたようで良かったですね。こじらせたくないじきですもの。復活、おめでとうございます。
タイトルどおりの、ちょっと際どい(?←絶対ダメだろうっていう表現も多かったですけど…)お話にお付き合い下さリ、ありがとうございました。

かばぷー

2018/12/23 21:43 URL 編集返信
かばぷー
Re: すっごく
> まじーん 様


> 納得しつつ、爆笑のフィナーレでした。

ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。
罠とは若干ずれてしまったので…えへ。

酔っているせいで言葉が足らず、これまた曲解思考なキョコさんゆえにシンプルに曲解。
全く、素面の自分を信じてはいけないなんて、なんで言っちゃったんでしょうかね。
クオンだと明かせなくて、敦賀蓮は作りものだから、信じないで…って言う意味合いと、素面の自分には甘い言葉がなくて、傷つけてしまうかも知れないけど、本心じゃないから信じないでって言う意味合いと両方。
そんな言葉を言っておきながら、素面で甘い言葉を囁いたら、そっちを信じないのは、まあ、当然っちゃ、当然なのです。
今回も楽しくドボン温泉を満喫しました。
収蔵、ありがとうございました。

かばぷー

2018/12/23 21:57 URL 編集返信
お品書き企画参戦ありがとうございます。
お言葉に甘え、こんなに沢山いただいちゃいました!!
↓↓↓


プレゼント『恋の炎は消火不能です』
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プレゼントきまぐれ☆新春生特番

いつもありがとうございます!
取り急ぎ御礼まで。

まじーん

2018/12/24 02:00 URL 編集返信
かばぷー
Re: お品書き企画参戦ありがとうございます。
> まじーん 様

はーい、どうぞ♫
収穫お疲れさまです。
お品書き掲載、ありがとうございます!

かばぷー

2018/12/24 09:09 URL 編集返信
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