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僕らはセピア色の夢を見る1

こんばんは!

実は、『青年』を書く前に書き始めていて、煮詰まってしまった作品です。
10話くらいまで進めたんですが……人でなし子を出したら煮詰まりました。

でも、そのままにしておくともう出せそうにないので出しますね。
設定は高校生のパラレル!!
これが上手く行かなかったから、『青年』を書きたくなったようです。
あの青年たちとは、全く別のお話にございますので、あまり期待せずにご覧下さい。











僕らはセピア色の夢を見る 1






「最上さん、後期の文化祭実行委員、一緒にやらない?」

そんなふうに声をかけるのは、学校一の人気を誇る同じクラスの敦賀君。
背が高くて、イケメンで、成績だってトップクラス。
偶々同じクラスになったのは、ここが、国公立系進学クラスだからに他ならない。

私、最上キョーコ 16歳
私立LME学園高等部 2年A組のクラス委員をしている。
前期のクラス委員は前年度の成績とか何とかいう理由で、担任の一存により勝手に決められてしまったので、うちのクラスは必然的に敦賀君と私に決まった。

その時のクラスの女子たちの視線の痛い事ったら…
そりゃーもう、磔にされたみたいにブスブスと刺さりまくった。
私だって、学校一のプレイボーイと一緒に仕事なんてしたくなかったんだから、そんなに睨まれてもお門違いだと言いたかった。

けれど、それを言うことは憚られる。
だって、外部から高校入試を経て入学してきた私なんかは、完全に異邦人。
出来るだけ目立たないように生活をしようと心がけてはいるけれど、成績の貼り出しなんてモノが存在しているのが悩みの種だ。
だから、クラス委員に指名されても、本当はやりたくなんか無かったし、ましてやペアになるのが敦賀君だなんて、どんな嫌がらせをされるか分からなくて、とばっちりもいいところだった。

なのに…
意外と敦賀君はいい人…なんだよね。






「綺麗な字だね」

はじめて声をかけられたのは、同じクラスになってすぐだったと思う。
ノートを広げて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書き綴っていたら、突然声をかけられた。

「えっ…?(だっ…だれ?)」

顔を上げたら、見たこともないような綺麗な顔がすぐ近くにあった。

「ああ、びっくりさせてごめん。俺、敦賀蓮っていうんだ。君、最上…キョーコさんだよね?」
「はい、あってます…なんで、名前…?」
「だって、君、成績上位者の常連さんだから、名前を見たことくらいあるよ。今年は同じクラスだね。これから2年間よろしく。」

にこやかな笑顔で差し出された手。
どうしようかと躊躇っていたら、突然背中に悪寒が走った。

「…!!??」
「あれ?どうしたの?」

あたりを見渡すと、殺気、殺気、殺気だらけ…
その時、一瞬で悟ったわ。
……この男に近づいてはいけないのだと…

「こちらこそよろしくお願いします。」

ペコリと机に向かって深くお辞儀をすれば、彼と握手なんてしなくて済む。
手を差し出してくれた敦賀君には申し訳ないんだけれど、私は自分が可愛いのです。

そんなふうに保身に走ったのに、敦賀君はにこりと笑って、

「仕方ない。また後でね、最上さん。」

とまるで何事も無かったかのように自分の席に付いた。

その後、担任の緒方先生がやってきて、クラス委員があっという間に決まった。

呆然としている私に向かって、
「放課後、各クラス委員は集合がかかってる。」
と教えてくれたのも敦賀君だった。

彼はクラスの話合いにもリーダーシップを発揮して、私はそこにいるだけ。
だけど、さり気なく私に意見を求めてくれたり、苦手だと言っては書類の作成を振ってくれたりする。
だから、私は何とかクラスから浮かずに済んでいる現状があったのだ。







「文化祭実行委員?」
「そう。前期一緒に仕事してたから、最上さんとだったら上手くいきそうだなと思って。」

前の席の背もたれに肘を乗せるように座って、こちらを見る。
ちちち…近い!
これはいけない。この距離感は皆、注目する距離!

「敦賀君…ち…近い!」
「あ!ああ、ごめん忘れてた。」

そう言って、椅子を少しだけ私の机から遠ざける。

「どう?」
「どうって…あまり目立つことはやりたくないです。」
「うん、だろうね。最上さんならそう言うと思った。」
「分かってたら誘わないでください。」
「分かってるけど、一緒に出来たら楽しそうだしね。それに、委員会活動してたら、推薦有利だし。」

(ふむ…そういう考え方もありなのか…確かにありかも。)

「今、それもありかもと思ったでしょ?」
「えっ!?な…なんで?」
「顔に書いてあるから。」

むむう~っと顔を膨らませたら、笑いながら席を立つ。

「俺は最上さんと一緒だったらいいなと思ってる。もしも、ありだったら考えておいて?」

だんだんと険しくなる周囲の雰囲気に配慮してか、さっと切り上げるタイミングも憎らしい。

前期一緒にクラス委員をやって気がついたこと。

彼はデキる。
そして、当然のようにモテる。
それを本人も自覚しているだろう。だって、あれだけ放課後に何人も告白を受けているんだもの、自覚が無い方がおかしい。
だから、一緒にいる私がへんなやっかみを受けないようにしてくれているのだろう。

それにしても…一緒に文化祭実行委員をしようなんて、そんな大それた提案に乗れるわけが無い。

またぽっかりと空いた空間で、ふうっと溜め息が出た。



そして迎えた後期のクラス役員決めの日、クラスの女子は色めき立っていた。
まあ、それは当然だろう。
前期のクラス委員は担任による独断で決まったが、後期は敦賀君と一緒に何かの役員になりたいと思う女子も多いのだ。

後期のクラス委員に決まったのは琴南さんだった。
そして、副クラス委員は石橋光君。この二人はまじめで人望もあるし、順当な線といえた。特に石橋君はいつもにこやかで人気がある。しかし、次の重要な役割といえる文化祭実行委員の募集になって、穏やかな流れは止まった。

各クラスから2名の実行委員が選出され、クラス委員とともに、文化祭のクラス出し物の中心となる役割。

さすがにもう2年生の後期だ。3年生ならば推薦が決まった生徒が手を上げるのだろうが、みんな面倒くさがってなかなか手を上げなかった。
それともう一つ…
あれだけ、実行委員をやらないかと聞いていた敦賀君が手を上げないのだ。
きっと敦賀君が先に立候補していたなら、女子の何人かは手を上げるに決まっている。そうなったら当然私の出る幕はないから、私自身もそれを期待していたのに、教室には沈黙の幕が下りた。

「ねえ…み、みんな文化祭楽しみじゃないの?」

緒方先生が困ったようにつぶやく。
ううう~~、こういう雰囲気、苦手なのよね。

「そうだなあ、確かに運営面でしんどいことはあるかもだけど、いいチャンスだよ?君達のやってみたい出し物に挑戦できるよ?どう?立候補は?」

ぐるりと教室を見渡す緒方先生…ばちっ!と目が合った瞬間、私の背中にいや~な汗が伝う。

「本当に、本当で立候補…ない?自ら手を挙げるチャレンジャー…いない?」

ちらちらとこちらを見る緒方先生の視線にいたたまれなくなってしまう。

「ぜひとは言わなくても、やってもいいかなと思てくれる人…いないかな~?」

…………そろり………

沈黙と視線に耐えきれず、小さく手を上げた瞬間、

「おっ!!もっ…最上さん!やってくれるんだ!そうか、そうか!ありがとうっ!くぅ~~!先生は嬉しいです!」
「は…まあ…微力ですが…」
「そんなに謙遜しないで。執行部の百瀬さんが、最上さんのこと高く評価してたから、もし誰もいなかったら、お願いしようかと思っていたんです!!よろしく!ありがとうっ!」

その先生の声に教室内からぱらぱらと拍手が上がり、汗ダラダラのままで、実行委員が決まった。

「え~~~っと、じゃあ男子は…」
「先生」

すっと手を上げたのは敦賀君だった。

「こう時間がかかると、ほかの役員決め、進みませんよね?俺も実行委員をやりますから、次に進んでください。」

やたらと煌びやかな笑顔で、もっともらしくそう意見をした敦賀君だった。





(続く)
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コメント

コメント(6)
この敦賀君は?
微妙に似非紳士まで行かないのか、ばっちし似非紳士なのか?
……高校生にしては、やはり似非紳士でしょうか?(^▽^;)
周りの空気はしっかり読みつつ、キョコへの攻めは的確で、
今からこうだと大人になったら怖いぞ、敦賀君!!(^▽^;)

そして、敦賀君にターゲットインされてるキョコの今後はいかに?
そして人でなしが出るとなると……(ちょっぴり妄想もこもこ)
がんば!←誰がでしょう?

次が楽しみです!

山崎由布子

2019/01/04 22:31 URL 編集返信
策士な蓮くん
山崎由布子さんがコメントに書かれているように、彼のターゲットとなったキョコさんの今後が気になりますね。

続きも楽しみです。ヾ(≧▽≦)ノ

まじーん

2019/01/05 00:20 URL 編集返信
かばぷー
Re: この敦賀君は?
> 山崎由布子様

似非紳士…ですよねえ~~
高校生でこれができるって言うのは、やはり似非紳士感満載だと思ってます。

こちらのキョコさんは、青年のキョコさんのベースとはいえ、ちょっと別人ですね。
実はこのお話、今までの私の書いているものの中では、え?そういう展開??って言う感じです。
もともとは、女子高生の萌えシチュ10選を書きたくて書き始めたもの。……だったはずなのに、ドツボに嵌りました。
人でなし子は今更ですが消してしまおうかと画策中です。

かばぷー

2019/01/05 19:39 URL 編集返信
かばぷー
Re: 策士な蓮くん
>まじーん様

策士ですよね。
もてているがゆえに身に付いた処世術といいますか、真綿で首を絞めるようにじわじわとキョコさんを包囲していくと思うんですけれど…これが難航中。
できるだけ萌えシチュ満載で書きたいですね。

かばぷー

2019/01/05 19:41 URL 編集返信
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このコメントは管理人のみ閲覧できます

-

2019/01/07 14:46 編集返信
かばぷー
Re: 女子高生・・・
> G○EEN○3

古風なキョコさんを褒めてくださって、ありがとうございます!
こちらの敦賀君、別にプレイボーイではないのかもしれませんけれど、キョコさん的感覚で行くと、「モテル男」=「プレイボーイ」という図式が脳内にあるのではなかろうかという勝手な憶測にございます。
だって、きっと見た目は派手でしょうからね。モテル男はつらいのう……

かばぷー

2019/01/09 20:33 URL 編集返信
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