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僕らはセピア色の夢を見る10

一度くらいはかいてみたいと思う設定
有り得ないけど、有り得なくもなかったんだな~~~…(遠い目)







「その荷物、こっちでいい?」
「はい、お願いします。」
「最上さんの部屋はこっちで…」
「あ、はい。」

「…………」

「?」
「いや…なんでもない。荷物貸して?」
「うん、ありがとう。」



『実は私たちは再婚をするつもりでいるんだ。』

あの夕食会でいきなり投下された第二の爆弾。
勿論、予感がなかったかと言われたら、完全に無かったわけではない。
忙しい二人が最近マメに地元に帰ってきていた理由、それを知らなかったわけじゃないから。
そして、二人の子ども(つまり我々)の同意を得たとばかりに、あれよあれよという間に大人二人の再婚が決まった。
それによって、最上親子の引越しの日程が決まり、再婚相手の男性の家…つまり蓮の家に引っ越す事になってしまった。

反対をすれば出来たかもしれない。でもそれは、大人同士がよく考えた末のことで、苦労ばかりでようやく幸せになろうとした二人が考えた事だったので、反対する理由もないように思えた。

ただ…

「俺、一人暮らし…した方がいい?」

と蓮は新しい家族に言ったのだ。

「蓮?どうした?この結婚に反対なのか?」
「いや、反対はないよ。反対って言うより、年頃の男が息子になるって、その…彼女にしてみたら違和感があるだろうし、他にもその…心配や不安もあるだろうし…」
「彼女…って、冴菜さんのことだろう?何を言うんだ?それは冴菜さんは大丈夫だといっているし、キョーコちゃんも大丈夫だと言ってるじゃないか…」

そんな慰めにもならない言葉に、蓮は頭を抱えた。

キョーコサイドでもそれに関しては承諾できかねた。
蓮がそういう理由も分からなくもないが、蓮を一人で生活させるなんて、再婚して越してきた人間が追い出したみたいではないか?
それに…最大の心配は食事事情だ。

「もし、敦賀君が家にいられないんだったら、私が一人暮らしをするから。その方がいいでしょ?」
「いや!最上さんが一人で暮らすなんて、そんな事しなくていいよ!それなら、俺が…」
「だから、私が!」

そんな2人のやり取りを見て、大きな溜め息が聞こえた。

「二人とも…そんなに私たちの結婚が嫌なのか…それなら、仕方がない…ね、冴菜さん、ここまで困っているなら、再婚は無しに…」
「そうですね…残念ですが、ご縁がなかったと…」

「「結婚には反対してませんから!!」」



そういうやり取りがあった挙句に、やはり最上親子が同じ家に越してくるのがベストであろうという事で丸く収まったのだった。




僕らはセピア色の夢を見る 10





「おはよう!敦賀君、お弁当できてるよ?」
「おはよう、最上さん…あの二人は?」
「もうとっくに家出たよ。敦賀君ちのお父さん、出張だって。」
「そうなんだ…あの、お弁当もらってもいいの?それに朝ごはんまで…凄いね。」
「やだなあ、お弁当はいつものとおりだし、朝ごはんは…ついでよ、ついで!さ、食べて学校に行こう?」


朝起きると、家にキョーコがいる。
そして、朝か笑顔でおはようと言ってくれる。

そんな現実には有り得ないような幸運に、蓮はまだ信じられないような気持ちでいた。
引越し開けの月曜日。初めて二人で通うようになった通学路。
こんな事って本当にあっていいのだろうか?といまだ半信半疑だ。

並んで歩く二人の間隔は今までと同じなのに、気持ちだけが近づいたような錯覚を起こす。


「おはようー」
「おはよう、モー子さん!石橋君!」
「おっす!」
「おはよう」

駅を降りてから学校へ向かう途中、光と奏江に偶然出会った。

「何?二人揃って、珍しいこと」

奏江が、楽しげにキョーコをからかう。

「そっ…そんな事ないけど、偶然だよ、偶然!」

そう、まだ担任にしか詳細は報告していない。転居の届けと氏名の変更。
あと1年ちょっとくらいの間、キョーコは最上キョーコとして生活するのだが、あまりおおぴらにはしたくないしできない。
二人の通う進学クラスは選抜して入ってきたのでクラス替えなどない。だから、二人は同じ家に住みながら、同じクラスに通うのだから。

蓮としては正直、引っ越して来たらどうするだろうと脳内で考えてはいたものの、キョーコが現実に引越しで来るまで実感がなかったわけで、昨日から心臓が煩く打ちっぱなしだ。

だって、好きな子と一緒に毎日いられる。
最上さんは、まだ友達としか思ってくれてないかもしれないけれど、でも、最近の様子から嫌われていないことだけは分かるから。

どうも、そんな事を考えていたら、顔に出てしまっていたらしい。

「敦賀君、嬉しそうだね。なんかいいことあった?」

光にばっちり指摘されて、緩む頬を隠せない。

「ん、まあ…かなりね」
「へえ、そんなに嬉しそうなの、珍しいね。何があったの?」


「………秘密」

「ちえーっ!なんだよ、憎たらしいな!」

そんなに顔に出てるのか、気をつけないと…なんて考えながら、4人並んで学校へと向かった。







(続く)



うっ、ごめんなさい。
私にしては短かったです。
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コメント

思ったより大人な蓮くん
そっか…。
両親は両親の幸せという事で、再婚良かったねな蓮君とキョコですか。
それでも”お年頃な男女が同居はいいのか?”って遠慮なのか考えてますが、
蓮くん的には距離が縮まって嬉しいのは最初だけにならないのかな?
ちょっと心配。

お年頃の蓮くんも男だし、キョコはもちろん好きで可愛い女の子なら、
何か可愛い(←ココみそ)アクシデントでもあるのを楽しみにしてしまう私( *´艸`)

今は前よりも近くに居られる高校生の蓮くんの恋は、
何処に流れていくのでしょうね?
キョコちゃんも意識してあげてくれるといいな( *´艸`)
で、この父ちゃん母ちゃん、蓮くんの気持ちとか気付いてないですよね( *´艸`)
勝手に妄想を広げてま~す( *´艸`)
  • 2019-03-09│21:05 |
  • 山崎由布子 URL│
  • [edit]
Re: 思ったより大人な蓮くん
> 山崎由布子様

いつもコメントをありがとうございます。

> 勝手に妄想を広げてま~す( *´艸`)

はい、広げちゃってください♪
そして、こういうシチュエーションには付き物のドキドキ展開が…多分あります。
まあ、ありきたりのベタな状況にはなりそうですね。
そして、見通しとしては20話くらいには何とか収まりそうな気配です。(←ようやく見通しが立ったとこ)
もう、見切り発車感半端無いですしぐだぐだのお話なのに、お付き合いいただいて感謝です。
  • 2019-03-10│07:45 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]

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