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僕らはセピア色の夢を見る13

上手く書きたいと思うのですが、なかなか上手く書けません…
困りましたね。









「君のお母さん、遅いね。いつもこんなに遅いの?」

夕食の後片付けを二人で一緒にしながら、流しの水音に紛れて聞こえた声。
それを聞いて、キョーコは吹き出した。

「君のお母さん…って、敦賀君の義理の母になったんだよ?」
「あ、そうか、う~ん、まだ慣れないな。」
「敦賀君のお父さんだっていつもこんなに遅いの?」
「ああ、うちの親は家にいないことも多いし、帰るとしても結構遅くて……て、君の義理の父になったんだけどね。」

「……そうでした。」

2人で顔を見合わせてぷっと吹き出した。

他愛もない会話に先ほどまで抱えていたもやもやが、知らぬ間にどこかへ行ってしまったような気がする。
さっきまで、あんなにぐるぐると考えをめぐらせていたのに…だ。

キョーコは、その理由についてはできるだけ、できるだけ考えないように頭の隅に追いやった。





僕らはセピア色の夢を見る 13






ピコン!

片づけが終わったタイミングで鳴ったメールの着信音。

(誰だろう?)

メールをタップするキョーコの目が見開かれたかと思うと、急に眉間に皺がより溜め息とともに眉尻がしゅんと下がった。

「最上さん、どう…「なんでもない!!」」

慌ててスマホを隠すキョーコの不審さを怪訝に思っていると、ブブブッ…と、蓮のスマホも震えた。

「……なんだろう?」
「ちょっ……!!まさか!!??」


『突然ですが、これから3泊4日の新婚旅行に行ってきますので、心配だけはしないように』


そして、そのメールを確認した途端、同じように蓮の眼も見開いて……がっくりと肩を落とした。

「つ……敦賀君?」
「…………いや、なんでもない……今日から、しばらく俺達二人だって?」
「あ、うん……」
「そうか……」

蓮は顎に手をやってなにやら考え込んでいる。

「……敦賀君?」

「はあぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~っっっっ…………(ぼそっ)……」







「………え?」

「いや、なんでもない。ごめん、先に部屋に戻るよ。英語の課題、やらなくちゃ。」

そう言って、いそいそと部屋に入っていく蓮の後姿を、複雑な気持ちで見送った。









「おっはよ!キョーコ」

「………おはよ」

「何よ、元気ないじゃない。なんかあった?」
「………何も?」

「嘘つき。そういえば、今日敦賀君は?」

「………さあ?」

朝起きたら蓮の姿はどこにもなかった。早起きはキョーコの定番で、絶対に寝過ごさない自信はある。どこに行ったのか分からなかったけれど学校用の靴は玄関先にあったから、とりあえずお弁当は作ってテーブルの上に置いてきた。

昨日約束した肉じゃがをお弁当のおかずにして…





「キョーコ!キョーコってば!」
「はっ・・・??」

「珍しいわね、ボーっとして。一日中心ここにあらずだったわよ。もしかして…昨日、ニコに面倒くさいこと言われた?」
「ニコ?」
「ああ、森住のこと」

ああ、森住さんのこと…と昨日あった出来事なのに、それよりも今は蓮の言葉に気を取られている自分に気付く。

「そういうわけじゃないの!大丈夫、心配しないで!それよりも何でニコ?そういう名前なのかしら?」
「違う、違う!アイツ、いろいろ面倒くさいのよ。凄く常軌を逸した性格っていうか、はた迷惑で自己中心的な行動が多いの。“仁子”って書いて“きみこ”って言うんだけど、中学部のときから人でなしな行動が目に付くから、誰もアイツと関わりたくないの。それでついたあだ名が人偏とって“ニコ”」

「…………」

「………………」




「…………………………ああ!」

「あんた賢いくせにそういう所ニブちんよね。イラッとするわ。」
「スミマセン…」
「まあ、いいけど。敦賀君にも大分絡んでて、自分の彼氏のように振舞ってたって言うか…」
「付き合ってたって聞いたよ」

奏江は一瞬動きを止めた。

「あ~~~?違うわよ、それ、ニコが自分で言ったんでしょ?実際敦賀君が何も言わないから本当のことはわかんないけど、多分付き合って無い。けど何故か敦賀君は何も言わなくて片っ端から敦賀君に近づくオンナを牽制してた時期はあったかな。特に中学部のときが酷くって、そのせいでクラスの関係が悪くなった事はあったわね。弱みを握られてるとかそういうことでは無さそうだけど、とにかくそんな事は今日や昨日に始まった事じゃないのよ。」
「きっと…本当に付き合ってたんだよ。」
「何であんたがそう思うのよ?」
「や、何となく……」

そう言って、キョーコはまた思考の渦に巻き込まれてしまった。

(そう、きっとあれは敦賀君の本音だ……)

いくら一緒に住んでいるのが嬉しいといわれても、口では何とでも言える。
あんなふうに可愛くて自信たっぷりな女の子と一緒にいたことがあるのなら、尚更だろう。
一緒に暮らして数日しか経ってないけど、料理をするしかとりえのない自分のことを疎ましく思ってしまうのかもしれない。それに女友達が同じ家の中に住んでいるなんて、やっぱり気を使うだろうし、今までの自由な生活が制限されて嫌なものだろうから……。









「何だ?今日もここで弁当か?」
「ええ、すみません。」
「いや、いいけど…肉じゃが、凄く美味そう♪」
「実際美味しいですよ。」
「一口…」
「ダメです!」
「ケチ!いいじゃないかそれくらい。」
「ケチって……だって、折角俺のための弁当なのに。」
「へいへい!本当に料理上手な人なんだね。その再婚相手」
「いや、それは……」

そんなやり取りのあと、蓮は大きな溜め息をついた。

「どうした、悩み事か?珍しいな」
「ええ、少し…ところで社さん、急で申し訳ないんですが、今日泊めてもらえませんか?」
「は!?何だよいきなり、本当に急だな」
「いえ、ちょっと家に帰りづらくて……」
「はぁ?」

生徒会室の主である社倖一は、メガネの縁をあげながら素っ頓狂な声を上げた。

「すみません、急で…」
「急すぎるわ!何?理由はあるんだろう?説明してみろ。」
「いえ、あまり言いたくないんですけど。」
「じゃあ、泊めてやらん。泊めて欲しいなら理由を簡潔明瞭に話せ。」
「酷いですね。」
「酷くない。おかずはくれない、いきなり泊めろという。いくら俺とお前の間柄といっても一般的にはお前の方が酷いと思うけどな。それとも何か?俺にも話せないようなこと?」
「そうですね……ちょっと言い難いことではあります。」
「ふうん?言い難いと来るか。それでも聞きたいけどな。だってお前、普段はそんな風に唐突に結論を出す人間じゃないだろう?まあ、突然に話の方向転換をする器用なやつだとは思ってるけどさ。」
「やっぱり何気に酷いですね。でも…そうですね、他言無用でお願いできます?」
「一応はな。事と次第にもよるが?」
「そうですか…」

弁当を食べ終えて蓋を丁寧に閉めると、意を決したようにポツリ…と話し始めた。
すべてを社に告げるわけには行かないが、当たり障りなく自分の置かれた状況を理解してもらえる程度には…

…が、

「蓮……俺はお前の置かれた状況を同情の目で見ることしかできないよ…」
「なんですか……その憐れみの目」
「本当でそんな事言ったのか?」
「………つい、口からぽろっと……」

「アホだな」

「あの時の彼女の顔が一瞬強張ったのが分かって、凄くいたたまれない気持ちになったんですけど、それは俺の切羽詰った状況がそうさせたわけで…実際問題、自分を抑えられる自信はないです。だから今朝もランニングに行って、ちょっと距離を置いてみようかとしたくらいなんで……」
「その彼女、まさかと思うけど例の最上キョーコちゃんだよな?」

「ノーコメントで」

「だけど、相手がその子だったらお前は家に帰った方がいいと俺は思うぞ。」
「何故ですか?」
「ほほお、否定はなしか?なしだな?お前…もし、そんな呟きを聞かれたと思ってるなら、それ、釈明しろ!その子がそれを気にしてたらドツボに嵌るぞ?」

「ドツボに…?」
「考えてみろ、いきなり距離を置かれたら普通はどう思うんだよ?」

「……………」

現実、蓮は今朝遅刻ギリギリで登校した。
その頃には当然キョーコは席についていて、事も無げに教科書を開いている。挨拶をすれば視線を返してくれるが、いつも以上にそっけない気がするのは昨日の独り言がもしかして聞こえているのかもしれない。けれどもそれは蓮にとっては切実な問題で、まさか早々にこのような状況に陥るとは思ってなかったから、心の準備ができていなかったからなのだ。
おまけに、森住仁子がキョーコに接触したと聞いた。また以前のように、女子たちが微妙な空気を醸し出すようになるのかと思うと気が気ではない。

「分かりました。とりあえず帰ります。」
「ああ、ちゃんと言葉の真意を説明して…でも、早まるんじゃないぞ?」
「煽らないで下さい。善処しますよ。」





(続く)

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