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真夏の果実 3

こんばんは。

更に、更に続くんです。
今回のちょいと大人パラレルは、中編くらい(5~8話)で終わる予定です。










「えと・・・あの・・・」
「何?」
「えっと・・・」
「何?どうした?」
「あの・・・ここって、いわゆる・・・」

蓮は口の端を少しだけ上げた。

「そう、ラブホテル」





真夏の果実 3





『すみません、トイレに・・・寄ってもらえませんか』

確かにそう言った。
言ったことは言ったけれど、コンビニとか道の駅とか、そういうイメージだったのに、何故こうなったのか?

運転は超!がつくほど安全運転だったし、車だって高級車の部類だと思う。
ほけーっと、座っていたら猛烈におなかが痛くなっただけなのに。

「だから、ナビによると近隣にコンビニ、スーパー、パーキングエリアは無さそうだし、たまたま視界に入ったのがここだっただけ」
「だからって!」
「役に立ったでしょ?」
「・・・・・・・・・う、はい。まあ」
「折角入ったんだから、する事してく?」
「はあっっ!!??」

思わずキョーコは立ち上がった。

「そういうの困ります!!言っていい冗談と悪い冗談があります!!」

そう言って、部屋を出ようとノブを回した。

「開かないよ」

「は?え?ちょ・・・開かない?何で?」
「くすくす・・・そういうシステムなんだよ」
「うそっ!」
「まあ、落ち着いて・・・お茶でも飲む?」
「・・・・・・えらく落ち着いてますね」

ん?と蓮は薄く笑った。

「まあ、冗談はさておいて、とりあえず時間一杯いないと勿体無いし、幸いここはシャワーもあるしね。さっぱりして体調が戻るまで少し休んだら?」
「冗談って・・・」

確かに・・・海の家でシャワーは浴びて着替えたものの、それで十分かといわれたらそうじゃない。こういう場所でも入って5分も経たないうちに出たんじゃ、料金は無駄になる。
あまり親しくない男性と二人でこんな所にいて、のん気にシャワーを浴びる事なんて、キョーコの常識では有り得ないが、やたらと充実設備に観察欲がうずうずしているのも事実だ。

初めて足を踏み入れたラブホテルの室内は、どこのシティホテルですか?・・・というよりスイート?という感じでびっくりした。
部屋は広いし、ベッドは大きいし、大画面TVの前にはゆったりソファー。バスもトイレも普通のビジネスホテルとは比べ物にならないくらいに充実している。・・・世の中の仲睦まじいカップルは、こういうところでアレをナニしちゃっているのかと思うと赤面ものだが。

「くすくす・・・とりあえず元気なら、ゲームとかしてみる?カラオケもあるみたいだよ?」
「えっ!?そんなものがあるんですか!!??」

ぷくくくく・・・

「・・・何がおかしいんですか・・・」
「いや、新鮮だなと思って」
「未熟者ですみませんね、お茶入れます。ティーパックこれですか?」

「いや、それ違・・・・・・」
「え?・・・・・・・・・・・・ぎゃあっ!!!コココ・・・」
「うん、コ○ドーム」
「もういい!!カラオケ!カラオケにしましょう!!リモコンこれですね!!」


ぴっ


「・・・・・・・・・ぎゃあああっ!!裸が何でっ・・テレビ!ニュースでいいのに!!」

ぷくくくく・・・

「ホンっトすみませんね!こういうとこに縁がなくて!」
「いや、面白いよ」
「面白っ・・・・・?酷っっ!」

振り向くと、間近に蓮の顔があった。
いつの間にこんなに近いところにいたんだろう?

「うん、ここが何するところか、ちゃんと知ってるみたいだね」
「・・・・・・・・・・・っ」

耳元で囁く声はびっくりするほどに甘くて、肩に力が入った。
近くで見れば見るほど、整った顔立ちに・・・いたたまれなくて目をそらす。

「そういうの・・・軽々しく言わないで下さい」
「うん、貴島にもこの前そう言ってたね。そんなに軽い?」
「軽・・・すぎます」

「でも、君は俺についてきた」

キョーコの身体は震えた。

「そんな!だってこれは!」
「一緒だよ」

指先がつい・・・と顎を撫でた瞬間、動けなくなった。

「そして、君はここが何するところか、知ってる」

頬を撫でる大きな手
ゆっくりとなぞる指先に、身体が震え始める

「君の中にだってあるはずだよ。そういう・・・“欲望”。開放するまでに時間がかかるってだけでね・・・」

指先が耳朶をなぞった瞬間に、キョーコは思わず強く目を閉じた。


「・・・・・・男ってね、みんな同じ。あの夜、あの場で君を口説きたいと思っていたのは貴島だけじゃないさ。今日だって同じだよ。あんなに無防備に肌の露出をして、男たちを煽って何がしたいの?君みたいな迂闊で可愛い子がいたら、そりゃ声だってかけたくなるってものだろう?」

「・・・・・・迂闊・・・」

「かなりね・・・」

そう言って蓮の指先は離れた。

「頭の中は、君を脱がす事だけを考えている男が結構いるってこと。それだけの覚悟がないなら、ついて来なさんな」

キョーコは足の力が抜けて、その場にペタリと座り込んだ。

「好意はもってなくても、俺について来たってことだけで押し切ってもいいんだけどね。どうする?」

キョーコは首を横に振った。
目からは知らぬ間に涙が零れ出ていた。

怖かったのも確かにある。
けれど、それ以上にそんなふうに言いながら、途中で判断をキョーコに委ねてしまえるくらい、この男は自分に対してどうでもいいと思っていることがショックでならない。

どうして貴島にはきちんと断ったのに、あの時ついて行った?
どうして断る事も出来たのに、今日、この人の車に乗った?
どうして拒絶する事も出来たのに、のこのことホテルの部屋について来た?

無意識だけど、無意識じゃなかった。

どこかで、一晩だけでも誰かとこういう関係になってもいいと思っていた可能性だって否定できない。そして、それが本当に誰でもいいかと言われると、そうじゃない。
どこかで選り好みしていたはずだ。

「好き」とかそう言う類のもじゃない。
もっと感覚的で、もっと野生的なもの・・・


けれども、キョーコはその答えをぐっと飲み込んだ。







(続きまーす)





大人、大人・・・そういう雰囲気で読んでね♪

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  • 2019-08-30│22:19 |
  • [edit]
Re: 真夏の果実3
> よ○え 様

こんばんは。

大人蓮さんにドキドキ、ありがとうございます。
私も昔人間ですが、30年位前は男子の家にお泊り(でも何もない)が普通だったように思います。
今考えると怖いですよね~~。絶対娘には勧めません!!
友達ラインと、彼氏ラインが明確だったのかな・・・今の人の感覚は、どうなんでしょうね。
  • 2019-08-31│21:08 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]
ちょっとは知ってる?
お年頃の予備知識?は少し知ってるキョコのようで( *´艸`)
よく知りませんが、TVとか、コンとか、ヘタなスイッチを入れると天井とかキラキラとか?( *´艸`)


初めてのそんな場所ですが、キョコなりに心の中でスイッチ入ってきちゃった感じ?キョコの女性の本能みたいな?
そして蓮様。かっこいいです!大人の蓮様!今のところ余裕の蓮様ですが、どうなるのかしら( *´艸`)
その大人ぶりでキョコを掌でコロコロしちゃうのかしら?(妄想が膨らむ)
  • 2019-09-01│01:25 |
  • 山崎由布子 URL│
  • [edit]
Re: ちょっとは知ってる?
> 山崎由布子様

一般的な常識(?)といいますか、普通の性知識はお持ちの大人キョコさんです。
まあねー。純情乙女じゃいられない、ってご時勢ですからね。
時代に即したらこんなふうでいいかなー?って。

そんなキョコさんの『女』スイッチを何気に入れてしまった蓮さん。
罪は重いですわよ。ちゃんと責任取れるのかしらと、心配しててください。
  • 2019-09-01│15:55 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]

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