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無人島に行こう!3

最終話です

お気づきかと思いますが、ちゃんと成立後ですよ?

(予約投稿間違えて、2時間ほど公開しちゃいました!ごめんなさい)
 








無人島に行こう!3





「ばれちゃったかな」
「ばれちゃった・・・って?」

「うん、キョーコと俺がそういう関係だっていうこと」
「ぅえ、そんな!」

実は二人が付き合い始めたのは、この仕事のオファーが入る数か月前のこと。
けれども、互いの仕事が忙しすぎてなかなか一緒にいる時間は取れず、ここ最近は電話ばかりで会うことすらままならない日が続いていた。

だからこそ蓮はほしかったのだ。
キョーコと二人きりで過ごす時間が・・・

稲光で視界が明るくなるたび、キョーコは身を固くする。
辺りの気温も下がってきたのだろう。キョーコはぶるりと震えた。

「寒いね。小屋のほうに来る?それとも、テントのほうに俺が行こうか?」
「でも・・・」
「大丈夫。彼らはそういうこと気にしないよ。きっと見逃してくれる」
「それは・・・」
「うん、心配ない」
「じゃあ、敦賀さんのところに行ってもいいですか?・・・テントは一人用なので、足が出ちゃいますよ」
「そうだね、非常時ということで寝袋・・・持っておいで?」

二人は足音を立てぬよう、蓮の作った小屋に横たわる。
もちろん、蓮の頭の下には羊の安眠まくら
キョーコは蓮の二の腕を枕にして、寝袋の中でぴったりと身体を密着させた。

「あったかい・・・」
「そうだね。流石にここまで気温が下がるとは思ってなかった」
「昨日はよく眠れたんですか?」
「おかげさまで。これ、いつも役立ってるよ」
「あれが記事になったとき、凄くびっくりしたんです・・・でも、一人だけの時に使ってほしかったんですけど、今回の無人島計画に必要でした?」
「絶対必要。そういう企画なんだし、俺にとってはもはや必需品だから」

「あの・・・それ、私がいても、必要ですか・・・?」

その言葉に蓮はうーんと空を見上げた。

「ここでは最上さんの膝枕はお願いできないからね。まさか、こういう状況になると思ってなかったくらいなんだから、そういうこと言わないの」
「う、はい」

まだ、我慢できる程度なのは間違いない。
こんな場所で事に及ぶ気もないし、カメラも入るからキスだって避けた。
身体をつなげることよりも、一緒にいられる時間を大事にしたい。何より相手はキョーコなのだ。こんな無人島で、しかも誰もいないならいざ知らず、スタッフが近くにテントを張っている状態で何かをしでかしたら、それこそこの先どんな反応が待っているのか、恐ろしくて行動になんか移せやしない

「なんだか、こうやって敦賀さんに抱きしめられてると、やっぱりほっとします・・・」
「そう?落ち着いたなら眠ってもいいよ。だいぶ雷も遠ざかったみたいだし」

雨はまだ弱まる気配はないが、雷鳴は少しずつ遠ざかっている。
この分だと、じきに雨脚も弱くなるだろう。

ふあ、ふ・・・

久しぶりに抱きしめた体温が少しずつ高くなり、腕に心地よく重みがかかってくる。
規則正しい寝息は蓮をも睡眠の淵へと追いやっていく。
ゆらり、ゆらり・・・と意識が遠のいていくのがわかる。

「おやすみ、キョーコ・・・」

こうして、二日目の夜は更けていった。




* * *





翌朝は快晴だった。
雲一つない青空が広がり、じりじりと夏らしい太陽が午前中から照りつける。

「さあ、昨日の晩から何も食べてないから、ちょっと多めに準備しようか」
「はいっ!実は昨日、バナナの木を見つけたんです。それも取ってきます」
「じゃあ、お願いするね」
「敦賀さん、無理しないでくださいね」
「そうだね、無理しない程度に頑張るよ」
「では!」

二人は意気揚々と食材探しに出かけた。




「あの二人、どうなってんだよ。なーんか普通っていうか、なんも進展してないのかな」
「いや、どうでしょう?一つのテントに向かった気配はしたんですけど・・・」
「まあ、普通に考えてここらでするわきゃないけどな、でも、今までと雰囲気変わんなくね?」
「そうすね、とりあえず追いかけますか」
「ああ、そうしよう」

とりあえず、二手に分かれてカメラに収める。
こんなサバイバルな生活なのに、なんて二人は楽しそうに互いのための食材を準備するのだろう。無人島生活を心から楽しんでいるように思える。

「敦賀さーん!見つけましたよー!!」
「うん、こっちも大漁だ」
「うわあ、おいしそう!」
「腕の見せ所だね」
「お塩だけしかありませんけど」
「でも、最上さんの料理はいつもおいしいからね」

照れてれと頬染めるキョーコに、見たことのない柔らかな表情をした敦賀蓮
おまけに、聞いてはいたが予想外に鍛えた身体もところどころで披露してもらって、視聴者は釘付けになるだろう。


「おい、この無人島企画・・・ほかでも成立すると思うか?」
「いや~~~無理でしょ。そもそも、2泊3日というのは、本来事務所的にとか、タレントさん的にもきついからNGですよね。ほら、こういう企画に乗っかってくれるのって、お笑い系のタレントさんが多いじゃないすか」
「だよな」
「それに、女性タレントさんは、虫がどーのこーの、日焼けがどーのこーのって、半日で文句たらたらだって別の局の奴は言ってましたよ」

だよなあ・・・とディレクターは二人の姿を遠目で眺める。

「敦賀蓮って、俳優だよなあ」
「俳優ですね。そりゃ、普段はお目にかかれないくらいの」
「そうだよなあ。間違いなく普段はお目にかかれない俳優だよな。京子もタレントって枠でバラエティーに出てくれちゃいるが、あの子も女優だって知ってたか?」
「そりゃ当然知ってますよ。ナツの姿は好みでしたもん。あのビジュアルで料理が得意とか、詐欺ですよね」
「だよなあ・・・それ考えると、受けてくれた二人もそうだけど、笑って送り出すLMEって奇特な事務所だよなぁ・・・」
「ですねぇ」


看板俳優の多少の我儘を聞き入れ、浮いた噂の元となるツーショットを期待しつつ、滅多に会えない二人の後押しをする事務所など、聞いたことがない。
だが、このロケ中に多少色気のある画を撮ってもらっても構わないと社長に言われて驚きはしたものの、そんな機会などほぼなかったといっていい。

実は二人が寝静まるのを見計らってこっそりとディレクターが蓮のテントを隙間から覗き込んだ時、確かにキョーコは蓮の腕の中にいた。
こちらの気配を感じたのか、蓮は薄く目を開けるとにこりと微笑んでまた目を瞑った。
そんなささやかな二人の時間を面白おかしく切り取るなんて、さすがに二日も一緒にいると、かわいそうで邪魔しちゃ悪いような気がしてしまったのだ。

もちろん、蓮の頭の下には噂通りの羊の安眠枕、腕の中にはあったかい女の子・・・よく眠れたのかはたまた眠れなかったのか、その辺りは男としてどうなのかと詳しく聞いてみたいところだったのではあるが。


この後も二人の進展具合はごくごく近しい人間関係にしか明かされず、ささやかながら関係を育んでいくのは、今はまだ誰も知らない。

蓮は今回の我儘を聞いてもらってよかったと思った。
例えカメラが入っていようがいまいが、キョーコとこんなに密度の濃い生活ができたこと。朝から晩まで一緒にいられることは、心から欲していたことだったから。

迎えのクルーザーに乗った麗しい俳優は、少しだけ焼けた肌をして、いとしい彼女に微笑む。そして、キョーコも少しだけバリバリになった髪の毛を気にしつつ、こういう生活もたまにはいいものだと思う。ただし、次回は調味料とそれなりの調理器具は必須だと思ったのだが・・・・・・・


さて、次はどこへ行こうかな♡♡♡





(終わり)



あは(汗)期待しちゃダメだってー(//>ω<)




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コメント

コメント(6)
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2019/11/20 23:59 編集返信
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2019/11/21 13:11 編集返信
かばぷー
Re: 終わっちゃった…
> RY〇 様

理解あるスタッフでよかったですが、まあ蓮さん的にはさらしてくれても平気だよ?ってスタンスだったでしょうね。
焦っているのはキョコさんばかりなり・・・

二人の間は進展しつつも、結局公表はまだまだ先にさせられそうな二人です。

かばぷー

2019/11/23 15:09 URL 編集返信
かばぷー
Re: ほっこり
> かね〇とものり 様

健全なほんわかカップルがかわいらしかったですか!ありがとうございます。
このロケから帰宅後の、ちょっぴり桃的なお話は魅力的ですねえ。
是非、読んでみたいです(←書かんのよ)
妄想を形にしてくださったら、喜んで拝読に伺いますので、教えてくださいませ。

かばぷー

2019/11/23 15:11 URL 編集返信
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2019/11/26 21:21 編集返信
かばぷー
Re: ありがとうございました。
> ちょ〇 様

こちらこそ、丁寧なお返事をありがとうございました。
無人島に行こう!の敦賀さんが敦賀さんらしくて、素敵とは!嬉しいです。
別バージョンも考えたりね・・・(脳内ですけどね)
お越しいただき、感謝です。
そして、これからの作品に対する思いも綴っていただけて、小躍りしてます!これからもたくさんの素敵作品をめがけてお邪魔しますので、今後ともどうぞお付き合いのほど、よろしくお願いします。

かばぷー

2019/11/28 21:11 URL 編集返信
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