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真夏の果実 10(New Version)

すんません・・・


実は、先ごろ完結した「真夏の果実」
羞恥プレイで読み返すと、10話が違和感ありありなの。
しっくりこなくて、凄~~~く不本意。

でも、ちまちまと直すレベルでなく、思い切って書き換えてみたのですよ。

読んでみてどっちがいいか、選んでくださる?









「敦賀さん、あの・・・お話があるんですが、お時間取っていただいてもよろしいでしょうか?」

キョーコは例の夜から数週間たったある日のオフィスで、思い切って連にそう声をかけた。

「ん?それは構わないけど・・・ここで?それとも別の場所で?」
「うっ・・・できれば、あまり人のいないところだとありがたいのですが・・・」
「分かった。そうだな・・・」

蓮はスケジュールを確認して答えた。

「今晩なら空いてるから、それでいい?」




真夏の果実 10(New Version)




キョーコが蓮を誘った理由はただ一つ

『ばれなきゃいいんでしょ』

確かにその唇は意地悪くそう言った。
なのにその唇が、その指先が時に悪事を働いていたからだ。


「嬉しいな、君からお誘いがあるなんて」
「お誘い・・・って、そういう訳じゃありません」
「そう?間違いなく誘ってくれたと思うんだけどな」

バーカウンターで、蓮は機嫌よくそう答えた。


あれから蓮の依頼でアシストをする機会が増えた。
以前から書類作成には定評があったキョーコだったが、蓮のアシストをするようになって、どんどんそのスキルは上がっている。結構スパルタの蓮からダメ出しを何度もくらい、その結果石橋光や百瀬逸美をはじめ椹課長からも評価され、今まで以上に重要書類も任されるようになった。

・・・のはいいのだが、何かのお礼をうっかり蓮に言おうものなら、あろうことか職場で誰もいない隙にキスを奪われる。
それだけじゃない。ここ最近は独占欲まがいの、キョーコを勘違いさせるような言葉さえ時折聞かれるのだ。

(なんで!?敦賀さんって女ったらしの上にいじめっ子??人の気も知らないでぇぇぇ~~!!)

と、キョーコとしては、平静なふりをし続けるのもたまったものじゃない。



「で、話って何かな?」
「あのですね!例の件なんですが、ばれなきゃいいとおっしゃいましたよね?」

バーのカウンターで隣を見れば、グラスを片手に目に痛いような笑顔が飛び込んでくる

「なんだ、そのこと」
「そのこと・・って、僭越ながら申し上げますが、最近の敦賀さんは人をおちょくるにも度を越していらっしゃいます!誰かにばれやしないかと気が気じゃありません」
「ばれてもいいんじゃない?」
「まさかっ!!それじゃ困るんです!それに、いくら何でも、あ、あ・・・あんな場所で、あんなこと・・・」
「あんなこと?」
「き、給湯室とか、資料室とか・・・会議室とか・・・」
「ああ、君にキスしたこと?」
「んなぁ!?」

蓮はクスリと笑って眉間を叩いた。

「最上さん、しわ、寄ってる」
「誰のせいですか、誰の!」

くっ、くっ・・・と愉快気に蓮が笑う。

キョーコとしては、最近の蓮の逸脱行為をやめてほしいというつもりで誘ったのだろうが、蓮としてはみすみすこのチャンスを逃す気はなかった。なぜなら、自分では意思表示しているつもりなのに、キョーコの反応はいつも薄い。キスをすれば、驚いたような反応を示すことはあれど、そのあと感じるのは冷めたような視線で・・・そのキョーコから話があるというのだ。しかも先ほどの話を聞いていると、自分を意識していると明らかにそう述べているのだから・・・

むすっと不機嫌そうなキョーコの顔を見て、蓮は静かにその手を重ねた。

(ひょっ??なんで!?なんでぇぇぇ~~~!!??)

こんな場所で大きく手を振り払う訳にはいかないキョーコは目を白黒させた。

「つつつ・・・敦賀さん、離してください。こういうの、本当に困るんです」
「そんなにいやなら悲鳴でも上げればいい。だって本来の君ならそうするだろう?」

蓮の長い指がキョーコの細く白い指を悩まし気になぞる。
その仕草に、不覚にもぞくりと何かが背中を這い上がるようだ。

「キスのことだってそう。君は・・・嫌だと言いながら、逃げない。それはなぜ?」

そういわれたら、ぐうの音も出ない。だって、そんな意地悪をいやだと思っていない自分がどこかにいて、始末が悪いとキョーコは思っていたから。

すごく綺麗な取引先の女性と親密そうな姿とか、他の課の女の子に向けられる笑顔を何度も見た。そんな蓮の行動に、心臓が痛いくらいに乱される。蓮にとって自分は暇つぶしの遊びだと分かっていても、拒めない自分が嫌なのだ。

(絶対敦賀さんは反応見て楽しんでるだけよ!)

そんなキョーコの思考をよそに、くすくすと蓮は笑う。



「ねえ、最上さん」
「・・・・・・・・・なんですか?」

「恋って、どういう漢字を書くか知ってるよね?」

いきなり何を唐突に聞こうというのだ?と、キョーコは怪訝そうな顔をして答えた。

「それくらい知ってますよ。なべぶたの“亦”に心ですよね。それが何か?」
「うん、知ってるならいいんだ。じゃあ、愛は?どこに心がある?」

「愛・・・?」

恋は下に心があって、愛は真ん中に心がある。それくらいは誰でも知ってて…
その間にも、蓮の指先がキョーコの指を一本ずつ絡めとっていくのに、キョーコは逃げることができない。

「諸説あるけどね。無償で与えて落ち着くのが愛で、人に対して何かを求めたり、心が乱れたりする。そんな下心があるのが恋なんだそうだ」
「下心・・・」

「その点でいえば、間違いなく俺は君に恋してる」

きゅっと隙間を握る指先に、身体が震えた。

「驚くことじゃないだろう?初めに言ったはずだよ。君に近づいたのには下心があるって」

そんな言葉に、キョーコの心臓は早鐘を打つ。まるで心臓が口から飛び出すみたいに。

「正直、乱れすぎて困ってる。君は?俺といて心が乱れない?」
「乱れ・・・・・・・・・」

乱れないとは言えなかった。
初めから乱されっぱなしだ。

迂闊にもラブホテルに行ったことも 
何もされなかったと落ち込んだことも
何人もの女性に声を掛けられる姿にモヤモヤしたことも 
自分から肌を合わせたいと思ったことも

―――今更、無視できないほど気持ちが膨らんで、この手を振りほどけないという事実も・・・

でも、でも・・・


振り切るように絡めた指から手を引いた。切れ長の目が探るみたいに自分を見つめていて、目頭が一瞬で熱くなって目をそらした。

「どうして目をそらすの。こっち見て」

見れるわけなんかない。キョーコはぎゅっと目を瞑ると、意を決したように口を開いた。

「そんなの・・・いきなり信じろっていうほうが無理です。とにかく、冗談でからかうのはもうやめてください。それだけです。」

キョーコはそれを言いきって、ふいと顔を背けた。



「・・・・・・」



少しの間、気まずい沈黙が下りた。

「・・・・・・・・・・・・・・・それは、本当に本当で君の本心?」

低く響く声に、どきん、と心臓がはねた。



「だっ・・・て、苦しいんです。敦賀さんはいつもこんな風に思わせぶりに人を面白がって、からかって!平気で心を揺さぶって、そんなの・・・苦しすぎる。勘違いだってわかってても、期待する自分が嫌なんです。期待したって無駄なのに、いつもいつも涼しそうな顔をして、かき乱されて、自分がバカみたい。お願いですから、敦賀さんが自分のこと好きかもなんて、そんな勘違いさせるようなことばかり・・・・・・」

「はい、よくできました」

「・・・・・・・・・・・・は?」

「勘違いじゃないから、それ」
「へ?」
「まったく、鈍いにもほどがある。わかりやすくしてるつもりだったんだけど、一向に気にしてる素振りないから、本当に俺、君には何とも思われてないかもと焦った」

はー・・・と、安堵したような声が聞こえた。

「下心・・・あるって言っただろう?君が一度だけっていうなら、それでもいいと思うほど君が欲しかった。ただし、一度で終わる気は初めからなかったけどね」 

「は・・・?」
「そんなに、一度きりで関係を終える男だと思われてたわけ?」

貴島じゃあるまいし・・・なんてつぶやいている。

「え・・・え・・・?でも、そんなの、下心なんか誰にでもあって、お礼の要求だって敦賀さんの一時の気の迷いかもしれないでしょ!それに、私だけじゃないかもしれないし・・・」
「だから、どうしてそういう発想に至るのかがよくわからない。君は何も思っていない相手と簡単にそういう関係になるわけじゃないだろう?俺だって相手が誰でもよかったわけじゃない」

「誰でも・・・」
「いいわけないだろう」
「だって、一晩限りの・・・」
「それは君が言ったの。少なくとも職場の人間に声かけたのは初めてだし、そんなに器用じゃないよ」
「だって、いろんな人にもててるし・・・」
「そうかも知れないね。でもそれは、君を拒絶する理由にはならない」
「他にも・・・」
「他にいるなら、初めから誘わない」

蓮はもう一度キョーコの手を取り、指先を確かめるように撫でた後、キョーコの手のひらを口元に近づけた。

「ひゃ!?」
「いい加減、気付こうよ。俺は君が好きなんだって・・・」

ぼぼぼぼっ・・・とキョーコの顔に火が付いたみたいに燃え上がった。
まるで、瑞々しい果実が熟れたみたいな・・・

ああ、こんな反応が欲しかったんだと蓮は嬉しくなった。

「だから君が俺のことをどう思ってるか、ちゃんと聞きたい。それが今日の一番の話だと思うんだけどな。でももう関わらないでくださいっていうのは、無しだよ」

蓮は微笑んで、もう一度キョーコの手を強く握る。

「ただし、俺のことが好きです。以外の言葉以外は却下するけどね」
「却下・・・・・・」

「そう、君の気持ちを教えて」

キョーコは、ふとあの夢を思い出した。
ピンクの傘をかざして、まるで“自分から入っておいで”と言っているようなあの夢

蓮が待ってくれている、あの不思議な感覚を思い出す。

「敦賀さん・・・」
「うん」


「あのですね・・・」





(真夏の果実 終わり)





タラシなはずの蓮さんがあっさり告白するのに何か違和感あってね、これでもまだうんうん唸っている段階なのですが、ようやく落ち着いたような・・・

ねー、ねー、どっちが好き?(流れがしっくりする?)



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コメント

コメント(12)
どちらかというと…
んー、難しい選択ですね( ̄~ ̄;)

『好み』だけって話でいくと、私はまどろっこしいアダルティーな腹の探り合いをする駆け引きが苦手なので、最初の方かしら……。
私の一番の願いは、蓮が小手先の技を出しながらキョーコの口から言わせるよりも、『サクッと自分から告白してほしい』なので…。
でも、タラシな人だから、やっぱり今回のが『それらしい』のでしょうかね( ・∀・)…うん、大人の恋愛って難しい!

ぽてとあげたい&ぽてとたべたい

2019/11/04 20:10 URL 編集返信
かばぷー
Re: どちらかというと…
>ぽてとあげたい&ぽてとたべたい 様

そおなのぉぉぉぉぉぉ~~~!!
今回の蓮さんは我が家では珍しい結構たらし系なのに、10話でサクッと告白させちゃったもんだから、どうすべ?ってなったのね。
流れとして違和感ないのはおニューだと思うんだけどなー。
でもなー、どうなのかなー?ってなったの。だって基本ぐいぐい系が好きなんだもの。

まあ、書いちゃったもんだから、とりあえず載せてみた。

これって、ピーチタイムの時みたいに、自分では選べない―!!路線わけちゃえー!!ってのに似てるの。
優柔不断しちゃった、だから今回丸投げな私。

拍手数多いほう残すかなー?バージョン違いで残すかなー?

かばぷー

2019/11/04 20:24 URL 編集返信
No title
迷いますねー。。。

蓮さんが誘ってるパターンとキョーコさんから誘うパターン!!!
両方とも良さがあるし、
かばぷー様の物語の書き方が好きな私には選べないですm(_ _)m

あやめ

2019/11/05 02:38 URL 編集返信
むむむ…
んーーーーー
どっちもアリな流れだとは思いますが、どちらかといえば、newの方です!
「いい加減気付こうよ。俺が君を好きだって。」っていう台詞がしっくりきてる気がします。
きっとキョコちゃんの手をいじりながら、見つめながら、目を細めながら言ってる感じが、勝手にしてます〜
あぁでも迷いまする〜。

よっちゃん

2019/11/05 07:17 URL 編集返信
どっちも
どっちもいいけど、わたしはnew versionの方かな。もちろん ver.違いで両方残して下さい(^^)v
蓮くんはいつもいじめっ子(笑)

にゃんる

2019/11/05 21:34 URL 編集返信
かばぷー
Re: No title
> あやめ 様

迷いますかー・・・
どっちも好きと言ってくださり、ありがたいです。
今までの流れでどうなんかなーって、思っちゃったのです。

かばぷー

2019/11/06 20:37 URL 編集返信
かばぷー
Re: むむむ…
> よっちゃん 様

なるほど、なるほど
どっちにも、萌えセリフがありますからね。
今回、どっちもお手手を握る、バーに行く、両想いになる。
なんだけどなー。ホント、気分次第で結構変わるものですね。改めて思います。

かばぷー

2019/11/06 20:42 URL 編集返信
かばぷー
Re: どっちも
> にゃんる 様

どっちも残すって言うてもありですね。まあ、好きな方読んどいて、みたいな?
それもまた一興。
そして、確かに蓮君どっちもいじめっ子!
まあ、我が家の蓮君・・・大体いつもいじめっ子かもー。(←うん、間違いないな)

かばぷー

2019/11/06 20:44 URL 編集返信
私はこちら
…と言いますか、前の10話、かばぷーさんにしては違和感あったんですよ。なんか弱いというか、ちょっとらしさが違うというか。
言葉にしてみるともう少し違う表現かもしれないんですが、お話は終わっているけど「ふわもわ?」ッという感じの、なんか違う感じでおりました。
キョコにも言いたいことを言わせながら絡め取る蓮の方が、このお話には合ってる気がしました。

山崎由布子

2019/11/07 00:05 URL 編集返信
かばぷー
Re: 私はこちら
> 山崎由布子様

こちらに一票、ありがとうございます。
自分でも違和感あるまま出しちゃいましたからね。
気に入ってくださる方もあるようなので、どっちも置いとくか・・・って感じに落ち着こうとしております。

かばぷー

2019/11/09 09:06 URL 編集返信
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このコメントは管理人のみ閲覧できます

-

2019/11/09 17:59 編集返信
かばぷー
Re: どちらもに賛成
> 〇oist 様

どちらにも賛成、ありがとうございます。
拍手コメントでも記事コメントでも、どっちでも一緒ですよー♪
お話の選択で悩ませてしまいましたね。でも、どちらも残してみようかなと思います。
キリのいい時に、日付を変えて近くにでも置いてみよっかなー。

かばぷー

2019/11/12 20:43 URL 編集返信
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