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あの日の夜に何があったか?【番外編2】

今回は、酔っ払いのキョコさんと、あの晩に何があったか?
性懲りもなく、番外編です。
蓮さん視点でお届けします。



あの日の夜に何があったか?
【雨降りに花開く恋心 番外編2】



「最上さん、鍵。鍵取るよ。」

彼女のハンドバッグの中に手を入れる。
キーホルダーの感触があり、引き出すと正解が出てくる。
最上さんの素直な性格を現している様なカバンの中身。
小さなポーチに分類され、きちんと定位置に収まった物たち。

タクシーを降りた後、吐いた途端に楽になったのか、少しだけ歩いてくれたので一応、了解を取ることにはしたのだが、まだ時々返事が返ってこない。
ここでも、やはり表札に名前があったりして、労せずして部屋が特定できるなんて…無防備すぎるだろう。

「やっぱり、うちに連れて帰った方が良かったかも…。はい、最上さん、開けたよ。」
「はぁい…。」
「全く、呑気な…。」

玄関口に座らせ様とすると、クン…と引っ張られる自分の体。
一体、どこを掴んでるんだ。

「らめれす。汚れてます。」

汚れてるって、知ってるよ。

「最上さん、ちょっと放そう?ね?」
「らめれす!」
「あぁ、もう何なの。」
「汚れてしまいました。お風呂に入ってくらさい。」
「お風呂なんて、そんな訳にはいかないでしょ。」
「らめ!」
「…あ~、はいはい。」
「えへへへへ~。敦賀しゃんは、かっこいいのが、いいれすから~」

一瞬固まってしまった俺。
酔っ払ってるって分かってはいるけれど、嬉しいもんだな。

「…何なの、どうして欲しいの。」
「お風呂~」

まだ、ふらつく体を俺の身体を支えにして身を起こし、シャツを掴んだまま、バスルームへと引っ張る。

「や、ちょっと最上さん、まずいって。」
「…む?」

次は真剣にシャツのボタンを外しにかかる。
これは…、まずいんじゃないかい?
いったい君は、何をしようとしているのかね?

「最上さん、この状況…分かってないでしょ。」
「………」
「ねぇ…」

「……らめ…吐く…」
「ちょっ!たんま!…わっ待っ…(こぽぽ…)……て…って言った途端に…。はぁ。」
「うぇ~…。気持ち悪い…。」
「はい、出して。全部出そう。」

彼女の背中をさすって、取り敢えず残りを全て吐かせる。
水を飲ませると、少しは落ち着いたみたいだ。
だが、流石に俺もこのままではすでに帰れない状況になっていた。
ヨレヨレのシャツ、スラックスに所々に付いたシミ…。
もうここまできたら、付き合うしかないのかな…。
本当にお風呂に入ってしまおうか?

「しんどい…。」
「大丈夫?お水、飲む?」

彼女は首を振ると、おもむろに服を脱ぎ始めた。
俺は少々ギョッとしたが、流石にこの状況に慌てふためくほど、初心じゃない。
どうするのかと、若干期待していたら、次にくるりと振り返り、一言呟いた。

「風呂…」

その後、彼女は俺の存在すら忘れたように、さっさとベッドに入って横になってしまった。

その姿を見た俺は、一気に毒気が抜かれて、へたりとその場に座り込んだ。

「何なんだ?この状況…。」

あまりに普段はありえない状況に、笑いが止まらない。

「誘われたのか?いや、違うな。何だコレ?かっこ悪…。」

貴島に連れて帰らせたくなくて慌てた事も、酔っ払いの姿を誰にも見せたくなかった事も、何だかもう、どうでもいい。
彼女に言われたことを思い出し、その後すぐに、遠慮なくシャワーを浴びた。
きっとこの後輩は明日、真っ赤になって謝るだろう。何だか想像できすぎて、確かめたくなる。
ついでに洗濯機も借りてしまおう。多分、そう言うだろうから。
さて…寝床だが…どうする?
着る服もなく、答えは一つしかない。
朝、目が覚めたら、楽しい反応が待っている様な気がして、ワクワクしながら彼女の隣に潜り込んだ。
下着姿の女の子に何もしないなんて、自分でも笑える。だけれど、記憶のないまま無理矢理なんて、趣味じゃない。

「あーぁ、無防備な顔して…危ないな。まぁ、これ位なら、許されるでしょ。」

そんなことを小さく呟きながら、彼女の瞼にそっとキスをした。

明日、目が覚めたら、まず携帯のロックをさせよう。それと、表札の事も…それから……


俺もいつの間にか、猛烈な睡魔に身を委ねた。

彼女が無防備なのは俺だけたといいな…なんて都合の良いことを考えながら…。




(おしまい)



はい。ケロケロキョコさん。大失敗。
蓮さん、忍耐強いのねぇ。凄いわ。
キョコさんは、全く覚えていませんでしたね?
これ、また後で、ゆっくり思い出して、ワタワタするのかも( ^ω^ )

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Comment

本編が終わってしまった〜〜!
と嘆き悲しむ魔人の頭上に輝くシリーズの文字。
素敵ww

番外編、あの日の夜に何があったか?で明かされる二人の謎時間の話も面白かったです。

ヤッシー編の後、次の憂鬱な彼のお話部屋に入り込む予定です。ヾ(๑╹▽╹)ノ"

あまりコメントを連投するとレスが大変だと思うので、失礼ながらまとめてさせていただきますねー。←コメレスに時間がかかるとお話書く時間が減るのでっ!!←重要です
  • 2016-05-10│11:21 |
  • まじーん URL│
  • [edit]
Re: 本編が終わってしまった〜〜!
これ、シリーズ化しちゃったんです!!
雨→曇り→乱気流→晴れ
とな。

出来るだけ、本編はすいっと読んでいただきたい!と思って限定無しにしました。(乱気流は思い切り限定にしちゃったけど)

謎時間を面白いといっていただけて、嬉し~。
コメント返信、大丈夫ですよ?
どんとこいです~。


  • 2016-05-10│20:19 |
  • かばぷー URL│
  • [edit]

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